前回調査から0.7%減、96年ぶりの減少となった日本の人口

2016年2月26日、総務省統計局は平成27年国勢調査の人口速報集計結果を発表した。日本の人口が、1920年の国勢調査開始以来、初めての減少となった。今後、急激に人口が増加することはないことが予想され、日本は人口減少社会に突入した。
世界でも例をみないスピードで人口減少と高齢化が進んでおり、その影響が顕著である地方では、さらに過疎化が進むことが考えられる。人口の減少が進行することにより、住宅の需要は下がり、空き家の増加にもさらに影響を与える。また、国内総生産(GDP)の減少や、総労働力の減少に伴う日本経済の衰退、さらには年金問題など、多くの問題を誘発する。
今回は平成27年国勢調査の速報集計結果を振り返る。

人口は5年前と比較し94万7千人減少(0.7%減)し、1億2711万人となった。これまでの人口増減率の推移をみると、昭和20年から25年はいわゆる第1次べビーブームなどにより、+15.3%と高い増加率であったが、その後は出生率の低下に伴って増加幅が縮小。30年~35年は大幅に増加率が減少し4.7%となった。その後、第2次ベビーブームにより、昭和45年~50年には+7.0%と増加幅が拡大するが、50年~55年には4.6%と増加幅が再び縮小。平成22年~27年には0.7%減となった。
人口を男女別にみると、男性は6182万9千人、女性は6528万1千人となり、女性が男性より345万2千人多く、人口性比は94.7となっている。戦前の昭和15年までは男性のほうが多かったが、戦争により多くの男性が死亡、性比は89.0と著しく低下。その後のベビーブームの影響でいったん上昇するものの、高齢者の増加に伴い、人口性比は緩やかに低下している。
なお、世界における日本の人口は10位。世界の人口上位20か国で見ると、平成22年~27年で人口増減率がマイナスだったのは日本のみであった。

※出典:「平成27年国勢調査結果」(総務省統計局)以下、同

総務省統計局平成28年2月26日 平成27年国勢調査 人口速報集計結果より<br>人口および人口増減率の推移(対象9年~平成27年)総務省統計局平成28年2月26日 平成27年国勢調査 人口速報集計結果より
人口および人口増減率の推移(対象9年~平成27年)

上位9都道府県に人口の5割以上が集まる

では、続いて日本国内の人口を見てみよう。人口の東京一極集中についてはHOME'S PRESSでも何度が取り上げてきたが、やはり今回の調査でも同様の結果となっている。

日本で最も人口が多かったのは東京都で1351万4千人と、全国の10.6%を占めた。次いで神奈川県(912万7千人)、大阪府(883万9千人)、愛知県(748万4千人)、埼玉県(726万1千人)、千葉県(622万4千人)、兵庫県(553万7千人)、北海道(538万4千人)、福岡県(510万3千人)などと続いた。人口の上位9都道府県を合わせると6847万3千人となり、全国の5割以上(53.9%)をこの地域で占めることとなる。
また、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の人口は3612万6千人で割合は28%、約3割の人口が東京圏に集中している。

次に、都道府県ごとの前回調査からの増減を見てみよう。
人口が増加したのは沖縄県、東京都、愛知県など8都県で、39道府県が減少となった。増加数で見ると、やはり最も人口が増えたのは東京都で35万4千人であったが、増加率で見ると、沖縄県が3.0%(2.3%から3.0%へ0.7ポイント拡大)と最も高く、次いで東京都(2.7%)、愛知県(1.0%)となっている。人口の増加率が拡大したのは沖縄県と、福岡県の2県であった。なお、前回から今回にかけて、人口が減少から増加に転じた都道府県は無く、大阪府が増加から減少に転じている。
さらに市町村別で見ると、全国1,719市町村のうち人口が減少したのは1,416市町村と82.4%の市町村が減少した。人口が増加したのは303市町村、17.6%であった。人口が増加しているのは、東京都特別区部、政令指定都市およびその周辺市町村を中心としたエリアであった。

総務省統計局平成28年2月26日 平成27年国勢調査 人口速報集計結果より
<br>都道府県別の人口増減の関係総務省統計局平成28年2月26日 平成27年国勢調査 人口速報集計結果より
都道府県別の人口増減の関係

人口減と核家族化が同時に進行

人口が減少するなか、世帯数は増加している。
世帯数は5340万3千世帯で、平成22年から145万3千世帯が増加(+2.8%)した。世帯数は昭和45年より増加し続けており、昭和50年~55年以降は5~7%台の増加率だったが、平成17年~22年は4.8%、平成22年~27年では2.8%と増加率が緩やかになっている。
人口が減少する中、世帯数が増加しており、当然、一世帯あたりの人員は減少している。平成7年には2.85人と初めて3人を下回って以降、平成27年には前回調査の2.46人から2.38人と更に減少した。

国立社会保障・人口問題研究所の平成25年1月推計「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」によると、世帯総数は2019年にピークを迎え、その後は減少に転じると予想されている。平均世帯人員は、今後も減少を続け、2035年には2.20人にまで減る予測だ。
平均世帯人員の減少は、「単独」世帯、「夫婦のみ」、「ひとり親と子」などの小規模な世帯の増加がもたらしている。かつて40%以上を占めた「夫婦と子」は2035年までの間に27.9%から23.3%に低下する推計になっている。
2035年までに、さらに世帯主の高齢化も進行する。世帯主が65歳以上である世帯は1,620万世帯から2,021万世帯に、75歳以上である世帯は731万世帯から1,174万世帯となる。世帯主に占める割合も、65歳以上の世帯主の割合は約4割に、75歳以上は58.1%と約6割となる。その増加する高齢者世帯主の家族構成はどうなるかと言うと、75歳以上の世帯のうち、2035年の間に最も増加率が高いのは「ひとり親と子」の1.97倍で、67万世帯から131万世帯。次いで「単独」で1.73倍(269万世帯→466万世帯)となる。

人口減の深刻さが浮き彫りとなり、高齢化社会の今後のさらなる進行が予想される日本。出生率が回復しない場合、2060年には約8700万人まで減少する見通しがされている。政府は、"50年後も人口1億人を維持する"と数値目標を掲げ、少子化に対応するため子どもを生み育てる環境を整える、としている。昨今ニュースになった、「保育園落ちた日本死ね!」という、保育園に落ちたことに対する怒りのブログにあるような、待機児童の解消は喫緊の問題である。当然、この待機児童問題の解消以外にも、様々な課題解決に向けた取り組みが進められてはいるが、今後はこれまでの延長線上にない対策が迫られている。

総務省統計局平成28年2月26日 平成27年国勢調査 人口速報集計結果より<br>世帯数及び1世帯当たり人員の推移(昭和45年~平成27年)総務省統計局平成28年2月26日 平成27年国勢調査 人口速報集計結果より
世帯数及び1世帯当たり人員の推移(昭和45年~平成27年)

平成27 年国勢調査の概要

■調査の目的
国勢調査は、我が国の人口、世帯、産業構造等の実態を明らかにし、国及び地方公共団体における各種行政施策の基礎資料を得ることを目的として行われる国の最も基本的な統計調査である。調査は大正9年以来ほぼ5年ごとに行われており、平成27年国勢調査はその20回目にあたる。

■調査の時期
平成27 年国勢調査は、平成27 年10 月1日午前零時現在によって行われた。

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2016年 03月20日 11時00分