「令和6年 能登半島地震地震」における賃貸型応急住宅制度の対象地域

2024年1月1日に発生した石川県能登半島地方を震源とする「令和6年 能登半島地震地震」。石川県、新潟県、富山県、福井県の4県を中心に、各地で甚大な人的・物的被害が発生しており、住宅も大きな被害を受けている。
能登半島地震で被災、わが家に住めなくなってしまった方々のために石川県はみなし仮設住宅として賃貸型応急住宅を供与する制度を発表した。具体的な内容、注意点をご紹介しよう。

石川県 賃貸型応急住宅の供与について(みなし仮設住宅)
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kenju/chintaigata.html?fbclid

この制度の対象となるのは災害救助法が適用されている金沢市、七尾市、小松市、輪島市、珠洲市、加賀市、羽咋市、かほく市、白山市、能美市、津幡町、内灘町、志賀町、宝達志水町、中能登町、穴水町及び能登町の17市町。石川県は19市町からなるので、ほぼ全域が適用されていることになる。

石川県の市町(石川県ホームページより。以下同)石川県の市町(石川県ホームページより。以下同)

制度の対象の要件
対象となるのは当該災害時に上記の市町に居住しており、かつ、以下の要件に該当する者とされている。

●住宅が全壊、全焼または流失し、居住する住宅がない者
●半壊(「中規模半壊」「大規模半壊」を含む)であっても、住宅として再利用できず、やむを得ず解体を行う者
●二次災害等により住宅が被害を受ける恐れがある、ライフライン(水道、電気、ガス、道路等)が途絶している、地滑り等により避難指示等を受けている(降雨に際して避難指示等が発令されるような場合を含む)長期(対策に概ね1カ月以上かかり、我が家に居住できない場合を想定)にわたり、自らの住宅に居住できないと市町長が認める者(応急危険度判定で危険(赤色)を判定されて住宅に立ち入れない者を含む)
●災害救助法に基づく住宅の応急修理制度(半壊、半焼の被害を受けたものの、応急的に修理をすれば居住可能になる場合に利用できる自治体が必要最小限の修理を行う制度)を利用する者のうち、修理に要する期間が1か月を超えると見込まれる者(半壊以上の被害を受け、他の住まいの確保が困難な者に限る)
●その他、国と県の協議により、やむを得ず入居すべきと認められた者

家族数×家賃の要件を満たした耐震性が確保された住宅が制度対象

供与される住宅については家族数によって家賃が定められている。
具体的には2人以下の世帯で6万円、3~4人世帯で8万円、5人以上世帯で11万円。この額以上の物件は認められない。プラスになる分を自分で払うからもう少し高い物件を借りたいというやり方も不可である。家賃の上限については厳密に守る必要がある。

入居期間中に小学校入学年齢に達していない児童(以下未就学児)は入居人数には含めない。ただし、未就学児が2人以上いる場合は1人あたり0.5人として換算する。

家賃に加えて条件となっているのは耐震性。余震が続いている状況を考えると、まだまだ安心はできない状況でもあり、新耐震(1981年6月1日以降に建築されていることが目安)の物件が対象となっている。

もちろん、貸主から同意を得ている住宅で、不動産事業者(仲介業者)が斡旋した住宅であることも要件だ。

家族数によって家賃上限が決められている。契約時の諸費用についてもルールがあるので確認しておきたい家族数によって家賃上限が決められている。契約時の諸費用についてもルールがあるので確認しておきたい

以上の要件とそれ以外の要件をまとめたものは以下の通り。
家賃、共益費、敷金、礼金、仲介手数料、鍵交換費、更新手数料については県が負担(市町が支払い)してくれる。

損害(火災)保険料も県が一括して払ってくれるが、家財等の私財への補償は含まれていない。入居中に何かあった時のことが気になるようなら、その分だけは自分で保険を利用する手が考えられる。

家族数によって家賃上限が決められている。契約時の諸費用についてもルールがあるので確認しておきたい賃料以外も含めた賃貸型応急住宅制度の要件一覧

制度活用の流れ。業界団体加盟店で物件探し、契約は三者で

物件の探し方と申請方法だが、県のホームページによるとまずは市町に相談、それからこの制度と連携している業界団体加盟の不動産会社に相談して物件を見学、入居する物件を決めたら市町に申込書を提出する。一般の賃貸借契約とは異なるので注意、やや複雑な流れになっている。

これは①賃貸人=所有者や特定転貸事業者(サブリース業者)、②賃借人=自治体、③入居者=被災者の三者の契約になるため。自分で探しはするものの、借りる人は自治体ということになっているのである。

物件の問合せ先:
石川県宅地建物取引業協会
https://www.takken-ishikawa.or.jp/r6noto/
電話、お問い合わせフォームの利用が可能。供与可能な物件情報尾掲載されている

全日本不動産協会石川県本部
【随時更新】令和6年能登半島地震に係る応急住宅

物件リスト掲載の物件については各物件の取り扱い事業者に連絡のこと。

物件探しから申請までの流れ物件探しから申請までの流れ

契約は2年間以内の定期借家契約。定期借家契約は一般の賃貸借契約(普通借家)と違い、当初定めた期間が満了した場合、契約はそこで終了する。普通借家と違い、同一の住宅に長く住み続けられるものではないので、その点は最初から理解しておく必要がある。契約時にはその旨を誓約書も提出することになっている。

また、災害救助法に基づく応急修理制度(半壊、半焼の被害を受けたものの、応急的に修理をすれば居住可能になる場合に利用できる自治体が必要最小限の修理を行う制度)を併用する場合には2024年1月1日から6か月以内となる。

市町に提出が必要な入居申込書、物件概要書その他書類については県のホームページに用意されているので、それを利用。それ以外では入居者全員分の住民票、罹災証明書のほか、住宅被害調査報告書、応急危険度判定調査票、受付済の災害救助法の住宅の応急修理申込書などが必要になることがある。
それらについては最初に市町の窓口に相談に行った際に確認するようにしたい。

罹災証明書が出る前でも賃貸契約は可能

罹災証明書だが、発行までに1カ月ほどかかることも多い。
といっても罹災証明書がなければ契約、入居ができないというわけではない。

罹災証明書が出る前に入居、もしくはすでに入居している場合などは、書類が揃ったところで契約をやり直し、支払い済の費用のうち、行政の負担分を遡って精算することができるようになっている。

入居後に制度を利用することは十分に可能である。ただし、注意点としては、家賃の上限をオーバーしている場合はこの限りではないので、上限厳守を忘れないようにしたい。

罹災証明書罹災証明書

2024年1月6日現在、賃貸型応急住宅制度の市町担当部署と連絡先

この記事を作成した2024年1月6日現在での担当部署、連絡先が決まっている市町は以下の通り。
これについては以降、追加された時点でまたお伝えしたい。

■市町問合せ先一覧(2024年1月9日現在)
七尾市 都市建築課 0767-53-8429
羽咋市 地域整備課 0767-22-9645
白山市 建築住宅課 076-274-9567
能美市 まち整備課 0761-58-2251
津幡町 町民課   076-288-2124
小松市 建築住宅課 0761-24-8095
加賀市 建築課 0761-72-7936
かほく市 都市建設課 076-283-7104
内灘町 企画課    076-286-6727
宝達志水町 地域整備課 0767-29-8160
中能登町 土木建設課 0767-72-3921

また、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会では能登半島地震を受けて一時的に同協会で作成した「多角的視点で学ぶ防災マニュアル 『過去の大震災に向き合った』賃貸住宅管理業者の情報と行動」を公開している。

東日本大震災以降、民間の賃貸住宅をみなし仮設住宅として活用する方法は広く使われており、やり方も少しずつ実態に合った使いやすいものになってきている。

残念ながら災害発生は誰にも止められないが、被災後の対応については知見が積み重なりつつある。それが一刻も早い被災者の助けになることを祈りたい。

■公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 
多角的視点で学ぶ防災マニュアル 
『過去の大震災に向き合った』賃貸住宅管理業者の情報と行動
https://jpm.jp/topics/54872?fbclid=IwAR2MXzSuFUYcU4RpHI2PX-h0DduF0Q04OiNL5xdY-pLXkIIJ1m2KmeSCJmw

■参考記事
東日本大震災後、不動産会社は被災者のために何をしたのか ~仮設住宅と借上げ住宅の問題点~
https://www.homes.co.jp/cont/press/rent/rent_00164/
東日本大震災後、不動産会社は被災者のために何をしたのか ~現状のトラブル、今後の問題点とは?~
https://www.homes.co.jp/cont/press/rent/rent_00166/

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このたびの石川県能登地方を震源とする令和6年能登半島地震により、被災された皆さま方に心からのお見舞い申し上げます。
被災者の救済と被災地の復興支援のために尽力されている方々に深く敬意を表すとともに一日も早い復興をお祈りしております。

LIFULL HOME'S PRESS編集部


■LIFULL HOME'S 【令和6年能登半島地震】住まいに関する支援情報は こちら
→ https://inquiry.homes.co.jp/r6-noto-peninsula-earthquake-support

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