低料金でOA機器が利用でき、法人登記も可能なシェアオフィス

それぞれ異なる仕事を行う複数の人が、同じスペースを共有するシェアオフィス。場所を問わずに仕事をするフリーランスの人たちを中心に利用者が増加している。
シェアオフィスは、単純にワークスペースを間貸しするだけでなく、パソコンやコピー機といったOA機器が設置され、施設によっては郵便物の受け取りや法人登記も可能だ。
利用料金はオフィスによって大きく幅があり、保証金などの初期費用が数万円で月会費が2万円前後といったところや、初期費用が数千円で月会費ではなく利用時間ごとに課金といったところもある。なかには自治体が運営する施設もあり、たとえば東京都千代田区の千代田図書館では、約200席ある閲覧席のうち82席は電源と無線LANが利用できるオフィススペースとして開放している。

より自由で異業種の人との出会いの場となるコワーキングスペース

このようにシェアオフィスは、一人で仕事をする人たちにとって通常のオフィスを借りるよりも安価で便利な施設だが、ここ2・3年で新たな動きが目立ちはじめた。コワーキングスペースという形態だ。
同スペースに決まった定義はないが、おもな特徴をまとめると次のようになる。

・従来のワークスペースが決められた契約ではなく、空いている席を自由に利用できる
・保証金が不要など、より安価に利用できる
・デザインされた落ちつきの空間
・飲食が可能
・単なるワークスペースという価値だけでなく、グラフィックデザイナーやライターなど最先端の情報に敏感な職種の人たちが知り合う場としても機能している

簡単にいってしまえばコワーキングスペースは、従来のシェアオフィスとカフェの中間的な存在だ。
とはいえ、ここまで読んでもピンと来ないかもしれない。そこで今回は東京都渋谷区のコワーキングスペース「THE TERMINAL(ザ・ターミナル)」を紹介しよう。

原宿にあるコワーキングスペース「THE TERMINAL」

ポップな色彩の壁が印象的。利用者は中央の大きな木目のテーブルで自由にMACを使用できる。左奥にあるのがコーラなどソフトドリンクのディスペンサーポップな色彩の壁が印象的。利用者は中央の大きな木目のテーブルで自由にMACを使用できる。左奥にあるのがコーラなどソフトドリンクのディスペンサー

THE TERMINALはJR山手線「原宿駅」から6分ほど歩いたビルの3階にある。
なかに入ると大きな木目のテーブルとポップな色彩のインテリアが目に飛び込んできた。オフィスというより、おしゃれなカフェやヘアサロンといった印象だ。それもそのはず。内装デザインは有名セレクトショップを手掛けているデザイナーが行ったそうだ。

設備としては以下のようなものが完備されている。
・電源
・有線、無線LAN
・MAC6台(アドビ クリエイティブスイートインストール済み)
・コピー機(別料金)
・フリードリンク(アルコール類は別料金)
・フード(ホットドック、カレーなど。別料金)
・ミーティングルーム(別料金)

大きなソファが置かれた屋上では花火大会の観覧もできる

喫煙可能な屋上スペース。仕事の合間に都会のど真ん中の大空を満喫できる。神宮外苑花火大会の打ち上げ場所が間近という好立地喫煙可能な屋上スペース。仕事の合間に都会のど真ん中の大空を満喫できる。神宮外苑花火大会の打ち上げ場所が間近という好立地

同スペースでは屋上も利用可能。テーブルのほかに大きなソファが置かれ喫煙もできる。仕事の合間のくつろぎ空間、または異業種の人たちとの出会いの場として活用できそうだ。
ちなみにここからは、毎年夏期に開催される神宮外苑花火大会を間近で楽しむことができる。当日のみ屋上の利用は別途料金になるが、都会のど真ん中を彩る大迫力の打ち上げ花火を観覧できるなら来る価値があるだろう。

THE TERMINALの利用料金は以下のように3つのプランがある。
(最初利用時のみメンバーズカード発行料金150円)

・通常プラン:325円~2160円(30分単位、外出不可)
・1日プラン:1日利用2160円or年会費2160円+1日利用1295円
・月会費プラン:1万6200円(1カ月間無制限で利用、先着10名)

利用客は場所柄デザイナーや編集者などクリエイティブ系の人が多い。しかし、オフィスというイメージからは離れたカジュアルなインテリア、しかもフリードリンクで325円からと手軽に利用できるので、一般サラリーマンの息抜きの場や学生の勉強の場としても活用されているそうだ。

アパレル系デザイナー向けなどコンセプト型も登場

このようにコワーキングスペースは、従来のシェアオフィスから派生した、よりデザインされた、より癒される仕事空間だ。
しかし、最近はそれだけではない。ミシンを完備しアパレル系デザイナーをターゲットとしたところやキッチンを完備しフードクリエイターを対象としたところなどコンセプト型も登場してきた。

従来の仕事に集中できるシェアオフィス、より手軽で情報交換の場ともなるコワーキングスペース、そしてコンセプト型のコワーキングスペース。フリーランスなど一人で働く人たちの仕事場は、ますますニーズに特化したものに多様化しているようだ。


取材協力:THE TERMINAL

2014年 11月18日 11時16分