環境モデル都市・豊田市が進める『低炭素社会システム実証プロジェクト』
平成21年に「環境モデル都市」として国から選定され、クルマのまちから環境先進都市へと歩んでいる愛知県豊田市。
同市では、自動車業界に広く普及する“ハイブリッド”の考えが街づくりでも進められている。
どんな取り組みを行っているのかを分かりやすく発信する場として、低炭素社会モデル地区【とよたエコフルタウン】が豊田市中心部に開設されたのは先にご紹介した通り。スマートハウスをはじめ、最新のITS(高度道路交通システム)や環境技術が体験できる設備を、市と関係分野の企業・団体が協力しながら整えているのも特徴だ。
それをモデルとして、将来は範囲を生活圏全体に広げて、社会全体を「低炭素なまち」とする実証プロジェクトが着々と進んでいる。
太陽光パネルも、家庭用畜電池も、充放電スタンドも、エコカーも貸与!豊田市内2カ所に全67戸の実証実験用スマートハウスを整備&分譲
その『低炭素社会システム実証プロジェクト』の一つとして、既に実証が始まり、データ提供をしている地域が市内に2カ所ある。
トヨタすまいるライフ株式会社が販売し、関連企業が共同で整備した実証用スマートハウス・全67戸の“先進型”住宅団地分譲だ。
新築分譲住戸はHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)を導入したスマートハウスで、太陽光パネルをはじめ、創エネ・畜エネ・省エネ機器を装備。それらに加えて、実証実験中はPHV・EVなどのエコカーも貸与されるというものだった。
マイホームを購入した家族は、実際に暮らしながら生活パターンや電力状況などのデータを提供。それを解析して最適な機器・制御方法の開発にもつなげていく考えだ。
EDMS~エネルギー・データ・マネジメント・システム~
今回の実証住宅ではHEMSを使ったスマートハウスのエコ性を量っているだけではない。
「家庭内」で叶うエコに止まらず、「移動手段」や「移動先」、さらに「生活圏全体」へ・・・と
生活者の行動同線に沿って社会全体で“エネルギー利用の最適化”ができるためのシステムづくりに関するデータにもなっている。
そのシステムとはEDMS(エネルギー・データ・マネジメント・システム)。
コミュニティ内で電力を融通し合い、電力利用の集中を避けることで“地域全体のエネルギー利用の最適化”を実現するもので、家や商業施設などの「地域」と「交通」を情報で結び、電力の需給バランスを調整することで、”エネルギーの地産地消”を目指している。
自動車産業をはじめ各分野の先進企業との連携で進めていく「次世代の暮らしやすい社会づくり」
EDMS以外にも、低炭素社会に貢献するシステムは進められている。
例えば、交通需要をマネジメントするTDMS(トラフィック・データ・マネジメント・システム)。天気や道路、鉄道、バスなど公共交通の情報を集めて渋滞予測や交通需要を予測し、ムダなくスムーズな移動をサポートするシステムなのだとか。
このように加速度的に進んでいる感のある豊田市の『低炭素社会システム実証プロジェクト』。
自動車・エネルギー・住宅・交通・流通など関係分野の先進企業と、市や団体が連携して進めている同プロジェクトは、平成22年度からの5カ年計画により今年度をもって終了する。その頃に”次世代の暮らしやすい社会づくり”がどれだけ構築されるのか・・・大いに期待したいと思う。
とよたエコフルタウン
http://toyota-ecofultown.com/
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