食を扱う企業の社員寮を、食で通じるシェアハウスに。

2014年3月30日、「食」をテーマにしたシェアハウスが東京都大田区上池台に誕生した。
東急電鉄がプロデュースする【スタイリオウィズ上池台】は、東急ストアの社員寮だった築38年の建物を、耐震補強した上でシェアハウスにリノベーションしたもの。
寮の食堂だった場所には業務用のコンロを備えた大きな厨房があり、そのスペースを中核として再生し、共用部を構成しているのが特徴だ。

5台あるうちの2台は業務用コンロ。同物件は、この厨房ありきでリノベーションされた。</br>“半プロ仕様”の大型キッチンを中心とした約245平米の共用空間は、</br>食の都バスク地方の修道院をイメージして『TAURA』(バスク語でテーブルの意)と名付けられている。</br>/2014.3.30『お披露目マルシェ』にて5台あるうちの2台は業務用コンロ。同物件は、この厨房ありきでリノベーションされた。
“半プロ仕様”の大型キッチンを中心とした約245平米の共用空間は、
食の都バスク地方の修道院をイメージして『TAURA』(バスク語でテーブルの意)と名付けられている。
/2014.3.30『お披露目マルシェ』にて

コンセプトは『人と街を「食」でつなげるシェアハウス』

ダイニングの隣には、小上がりスペースでも寛げるリラックス空間・ラウンジが。ここに面した広いルーフバルコニーも含め、街コミュニティのための空間として時に開放される。ダイニングの隣には、小上がりスペースでも寛げるリラックス空間・ラウンジが。ここに面した広いルーフバルコニーも含め、街コミュニティのための空間として時に開放される。

1階が東急ストア・2階以上が社員寮だった5階建てビルの寮部分をリノベーションした同物件(2階は共用部、3~5階が全71戸の居室)。つまり、食を扱う企業の建物が「食」をテーマにしたシェアハウスに再生されたことになる。
※現在の1階はファミリーレストラン(サイゼリア)とドラッグストア(クリエイト)

そのコンセプトは『人と街を食でつなげるシェアハウス』『街のシェアダイニング』で、これには

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上池上商店街の一角にあるここは、歴史的にも人が集まる場所だった。
その中心につくるからこそ、生活の基礎となる「食」がテーマだからこそ、
居住者はもちろん街にも開かれるべき!街の人にもどんどん使ってもらおう!
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との想いが込められていると企画・監理を行った株式会社ブルースタジオの大島専務は話す。

「食」は人をめぐりあわせ、「食」は人を育て、「食」が暮らしを豊かにする
物件HPに記されている言葉通り、物件テーマが「食」ゆえに、人々に親しまれる要素を持ち合わせているのだろう。入居者の食生活を豊かに支えるだけでなく、料理教室やレクチャーの場として周辺地域の方達にも開放し、シェアハウス内のコミュニティと地域コミュニティを融合させたい考えのようだ。

厨房・ラウンジ・コワーキングスペースなどのコミュニティ空間を
料理教室やマルシェ、勉強会・レクチャー会場として積極的に街に開く

シェアハウスオープン当日には『お披露目マルシェ』を開催。
クッキングワークショップでピザ作りを楽しんだり、減農薬のお米を炊いて食べ比べたり、ソムリエ厳選ワインのテイスティングコーナーがあったり、無農薬野菜やクラフト作品が販売されたり、バスク料理が振る舞われるなど、入居検討者をはじめ“ご近所さん”が大勢集まって大盛況!
今後もこのような共用空間を生かしたイベントを定期的に開催し、例えば、大型キッチンでプロの料理人や料理研究家による料理教室、ラウンジで食材・調味料・飲み物に関するレクチャーなど…入居者だけでなく周辺住民の方も参加OKの多彩なフードイベントを通じて、地域に親しまれるシェアハウスを目指していく。

美味しいバスク料理や、DIYペイントワークショップなど・・・オープニングイベント『お披露目マルシェ』には</br>
子ども連れのママさん達も多数参加。今後も物件HPなどで告知しながら、ご近所にも広く開かれたイベントを開催予定。美味しいバスク料理や、DIYペイントワークショップなど・・・オープニングイベント『お披露目マルシェ』には
子ども連れのママさん達も多数参加。今後も物件HPなどで告知しながら、ご近所にも広く開かれたイベントを開催予定。

「ルームメイク」よりも「コンセプトメイク」されたシェアハウス

住戸タイプは2つで、8.28平米(写真)と16.56平米のワンルーム。ほとんど手は入れずに既存建物を生かしている。あとは居住者が自分色に染めればいい/モデルルーム住戸タイプは2つで、8.28平米(写真)と16.56平米のワンルーム。ほとんど手は入れずに既存建物を生かしている。あとは居住者が自分色に染めればいい/モデルルーム

「食」以外の特徴で言えば、同物件のリノベーションは敢えて“必要最低限の手直し”にしていることだろうか。
安全・安心のための耐震補強や、塗装も含めた設備・仕様の回復は行ったものの、室内を華美に設えることはない。リノベーションならではの“自分で住まいを作り上げる”楽しさや悦びを味わえるように、各住戸の室内は至ってシンプル。
DIY用カスタマイズパッケージを作成し、壁紙・塗装・無垢フローリングが選べるようにもなっている。
現に『お披露目マルシェ』ではフードイベントのほかに床張りや壁紙張り、ウォールペイントなどのDIYワークショップも開催され、参加者は真剣な表情で挑戦していた。
コンセプトの魅力に加え、リノベーションマインドをくすぐる住まいづくりも興味深い。

【スタイリオウィズ上池台】のコミュニティ運営は、料理人の創出・支援などを目的としたシェアハウス運営にも定評がある株式会社コネクトハウス。
料理好きな人や食に関する仕事を志す人はもちろん、家賃の上でも若年層に好まれそうなので食生活が乱れがちな年代の「食育」にも通じる気がする。
ハコのデザインよりも、住み方のデザインに重きをおいたシェアハウスは、住まいを超えて地域とつながる楽しさもあり、シェアハウスにおけるコミュニティの一歩先をいく感じがした。

【スタイリオウィズ上池台】 http://stylio.jp/with/kamiikedai/index.html

2014年 05月03日 11時04分