オンラインとリアルを使い分け、有効活用したい

家づくりやリフォームを検討する際には、プランニングや設備選びなど、さまざまな情報や知識を得ることが重要だ。コロナ禍、モデルハウスやショールームの見学やセミナーなどを、オンラインで実施するメーカーも多くみられるようになってきた。

オンラインのメリットは、自宅で多様な情報収集ができること、気軽に参加できること、資料などと合わせゆっくりと検討できること、また、時間の節約、幼い子どもがいても参加しやすい、などが挙げられるだろう。

ハウスメーカーや設備機器メーカーなどによる、オンラインを活用した情報発信は今後もさまざま展開が期待できる。もちろん、対面での打ち合わせや実際の機器を確認することは重要であることは言うまでもないが、オンラインとリアルを上手に使い分けることで、効率的に家づくりを進めることができるのではないだろうか。

キッチンメーカーのクリナップでは、ホームページ上でオンラインショールームを、また、ストレスフリーな在宅時間が叶う家づくりをテーマにオンラインセミナーも実施。住宅収納スペシャリストや建築士から、在宅ワークが増える中、ストレスが溜まらないキッチン収納やLDKのプランニングを聞いた。

在宅ワークが増える中、LDKのプランニングは慎重に検討を。[STEDIA]在宅ワークが増える中、LDKのプランニングは慎重に検討を。[STEDIA]

家事をシェアする夫婦のための収納

クリナップが行った事前のアンケートによると、在宅ワークをきっかけに「キッチンにいる時間が長くなった」「料理や食事がより大切だと感じるようになった」方が多く、「そのため収納を見直したくなった」という声が目立ったという。

在宅ワークでは食事の準備や片付けに時間をとられる、家族全員の食事の用意はストレスになるという方も多いだろう。家族の誰もが動きやすく、作業しやすいキッチンとするためには、すっきりとした空間であることは重要なポイントだ。

住宅収納スペシャリストの大熊千賀さんからは、「家族もキッチンに立てる、手伝いやすいキッチン収納術」をテーマにアドバイスがあった。

はじめに、「整理」「収納」「片付け」「掃除」について、その意味と行動の順番が間違っているケースがあると指摘。整理は大切なものを選ぶこと、収納はモノの指定席を決めること、片付けは使ったものを元の位置に戻すこと(指定席に戻すこと)、掃除は片付いたところを磨くこと。収納プランは、それぞれの意味を理解し、イメージしながら考えることが大切だろう。

食事の準備や片付けの時間を短縮するための収納に関わる工夫としては、たとえば、「食品をストックし、たまには各自が食べたいものを選べるようにしておく」「ティータイムなどで必要なカップやお菓子などをすべて同じ場所に置いておく」などを挙げた。日々使用する食器と箸を同じ場所にしまうことで、家族が誰でも準備や片付けがしやすくなるとも話す。

家族が一度使ったものを定位置に戻せるようにするコツは、「戻すべき場所に大きめのラベルを貼る」ほか、「なぜここに置いているのかという理由を家族に説明しておく」ことが効果的であるとアドバイスする。

多種多様な収納グッズの選び方としては、モノにあわせること、スペースを正確に計測すること。また、四角いモノ、定番なモノ、自分自身の使いやすさがポイントだという。もっとも重要なのは、自分自身の使いやすさで、色味や手触りなどを実際に感じ、納得して購入することが収納グッズを長く使うためにも大切であることを強調する。

ダイニング側にも収納を設けるなどさまざまな使い方ができる。[STEDIA]ダイニング側にも収納を設けるなどさまざまな使い方ができる。[STEDIA]

在宅ワークも快適に。夫婦円満になるLDKの考え方

在宅ワークの困りごととして事前のアンケートで挙がったのは、「作業する場所がない」「作業に適した机や椅子がない」「家事との切り替えが難しい」「食事の支度をいつもしている」「集中できずに落ち着かない」「ビデオ会議のとき部屋がみせられない」など。これらの困りごとを解決し、在宅ワークを快適に行えるための間取りとして、建築士の市村千恵さんは、LDKにW(ワークスペース)を追加するプランを紹介した。

「夫婦で在宅ワークで居場所がない」というケースでは、「各自のスペースの確保」と「視線の配置」を意識することがポイント。特に人間は目から入る情報から一番大きな影響を受けるため、お互いがほどよく見えない環境の作り方がストレス軽減のために大切だ。これは夫婦円満のコツともいえるという。

たとえば、フラット対面キッチン&ダイニングで、ロングカウンターを設置するプランであれば、ダイニングとロングカウンターでそれぞれ仕事をすることが可能。視線がぶつからないのでストレスが少なく、キッチンとつながっているカウンターであれば、鍋をかけたままでも仕事がしやすい。

また、LDK空間に、仕事専用のスペース(個室)を確保するプランも考えられる。ワークスペースをつくるときの注意点は、仕事の書類などを収納できるスペースを確保すること。リビングやダイニングのテーブルの上にモノが増えて重なってくるだけでストレスになるものだ。

このようなワークスペースをプランニングする際のポイントは、机のサイズ(作業内容に適した奥行も重要)やコンセント、収納スペースなど。特に、雑然としてしまいがちな収納は重要だ。在宅時間が長くなれば、日々の調理回数も増加する。暮らしのスタイルに変化がみられる中、LDK全体の動線やキッチンそのものの機能も見直す時期なのではないかとも話す。

キッチンの要素を極力シンプルにしダイニングテーブルと融合。新しいLDKの在り方や暮らしを提案するキッチンテーブル[HIROMA]キッチンの要素を極力シンプルにしダイニングテーブルと融合。新しいLDKの在り方や暮らしを提案するキッチンテーブル[HIROMA]

在宅ワークで活躍するキッチンアイテム

在宅ワークで感じるストレスについて、アンケートでは、「家族が家事を手伝ってくれない」「光熱費があがった」「余計な仕事が増える」「家事の音が気になる」「汚れや衛生面が気になってきた」「たくさんの家事」「子どもの世話」などが挙げられたという。

これらのうち、「家事の音が気になる」「汚れや衛生面が気になってきた」というストレスの回避に役立つキッチンの各種機能について、クリナップテクノサービス 猪爪夕子さんが解説。キッチンで気になる音と言えば、シンクの水はね音だが、最近のシステムキッチンではシンク裏が制振構造となっており、水はね音などが抑えられている。そのため、会話を妨げることがない。水栓金具も性能が高まっており、吐水が静かなサイレントシャワーは音だけでなく跳ね返りも少ないという利点もある。また、多くの方が取り入れる設備機器のひとつである食器洗い乾燥機も、最近の商品は静音性も高く図書館と同じ環境レベルを実現しているという。キッチンのレイアウトやダイニングのつくりはもちろん、取り入れる機器によっても快適さは大きく左右されることを理解しておきたい。


最近では、キッチンを暮らしの中心としたプランニングが多くみられるが、在宅ワークが増えてきたことで、その空間の使い方にも変化がみられるようになってきている。LDKで過ごす時間が長くなれば、モノが増える可能性も高くなり、収納プランの重要性も増してくるだろう。家族のくつろぎの場だけでなく、仕事の場となる場合、音への配慮も必要になってくる。新築やリフォームを考えているのであれば、具体的な日々の過ごし方を明確にした上で、将来的な変化も踏まえ十分に検討したい。オンラインでの情報収集やショールームを上手に活用することがこれからの住まいづくりのポイントだろう。


協力 クリナップ

水はねしにくい水栓金具、静かな食器洗い乾燥機であれば、オープンキッチンでも音が気にならない(左)[エフィ-ネ] (右)[省エネナビ付フル扉面材タイプ] 水はねしにくい水栓金具、静かな食器洗い乾燥機であれば、オープンキッチンでも音が気にならない(左)[エフィ-ネ] (右)[省エネナビ付フル扉面材タイプ] 

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