もう枯らさない。植物に囲まれた暮らしを始めてみませんか?
引越しの時、新生活のスタート時、友達のおしゃれな部屋を見た時、一念発起する。部屋に観葉植物を置きたい!と思い、観葉植物を売っているお店へ向かう。リビングやダイニングに合うイメージの植物を買ってきたはいいものの、なぜか枯れてしまう。水もきちんと毎日やっているのに…。こんなときは、植物のプロフェッショナルに尋ねるのが一番だ。
谷井聖さんは、株式会社Bondの運営する大阪・北浜にある人気カフェBrooklyn Roasting Companyに併設された花屋「bois de gui(ボワトゥギ)」で務めながら、同企業内にて立ち上げている自身のブランド「bulbus」で、商業施設のディスプレイ、広告撮影のスタイリング、空間装飾などを手がけている。
「高校時代から花が好きだったんです。母親の趣味がガーデニングだったことも影響しているかもしれません。花と植物のある暮らしが当たり前で、食卓のテーブルや玄関には、庭で育った季節の花が飾られているのが日常でした。今、一人暮らしでも自宅の庭で植物を育てたりしています」と話す谷井さん。まさに植物と一緒に暮らすライフスタイルを実現している、そんな谷井さんなら初心者が植物をインテリアに取り入れるコツを相談できそうだ。
初心者は、ポトスやモンステラがベター。育つコツは、「水やりのタイミングと土への風通し」
グリーンインテリアを取り入れたいと考える初心者にとって、育てやすいおすすめの植物はあるのだろうか?また、育てるときのコツも合わせて聞いてみた。
「ポトスやモンステラなどがおすすめです。名前を聞いたことがある方も多いと思います。昔からあるオーソドックスなものはやはり育てやすいので、植物を育てる感覚を養うのにぴったりです」と谷井さん。
また、植物を育てるうえで大切なことが2つある。1つ目は水やりのタイミング、2つ目は、土への風通しなのだそう。
「水やりのタイミングは、土の表面と土を少しほじっても乾いている状態で、受け皿に水がない状態です。初心者の方は5号鉢がおすすめのサイズ。持ち運びしやすい大きさなので、鉢ごとそのまま水場に持っていって、流しでジャーッと上から水を流して、土全体に水を行き渡らせてあげてください。土の中の老廃物を一緒に流す効果もありますよ。
また、土に風を通してあげるためには、水の受け皿サイズを1号大きいサイズにするのがおすすめ。例えば、5号鉢の鉢植えの水受けは6号鉢サイズにするといった感じ。鉢の直径から3cmくらい離れているのが目安で、高さもあるとベターです。鉢と受け皿の間に隙間がないと、風通しが悪くなって根腐れしやすくなります。水はたっぷりあげて欲しいので、受け皿に水がたっぷり溜まるでOK。水をあげてから数日〜2週間後に、土が乾いていて受け皿に水がない状態になったら、その時にまた大量に水をあげる。この循環がうまく回れば、植物はすくすく育ってくれますよ。土が乾く周期は、植物の葉の多さなどによっても変わります」
害虫問題…。要因は、「乾燥、日照不足、風通しの悪さ」
葉にベタベタしたものが付いていたり、葉が枯れていくなどの場合は、もしかしたら害虫被害かもしれない。害虫が付いている時は、どうしたらいいのだろうか?
「害虫が付いている状態は、植物にとって環境が悪い証し。その要因は「乾燥、日照不足、風通しの悪さ」の3つが挙げられます。乾燥を避けるには、葉に霧吹きをしたり、エアコンなどの空調の下は避けてください。風通しの悪い場合は、新鮮な空気が入る場所に移動してあげるのがいいですね。
初心者におすすめのポトスは、健康状態が葉に顕著に出やすい植物。葉が黄色くなったり、シワシワになったりしたときは要注意。水をたっぷりあげたり、害虫を駆除できると、早く復活する強さを持っています。葉っぱをしっかり見てあげてください。植物の状態がわかるようになってきてから、育てる植物の難易度を上げていくのがいいですね。まずは練習だと思って、植物の事を気にしてあげてください」
リビング・玄関・階段・ベランダなどに置ける観葉植物は?
植物の育て方に慣れてきたら、お部屋のあちこちで色んな植物を使ってグリーンインテリアを楽しめるように。場所ごとに適した植物はあるのだろうか?
「リビングや玄関などに置く、大きめの観葉植物は、ゴム系がおすすめ。ウンベラーター(フィカス)、ベンガルゴムなど、茎が伸びていて先っちょに丸い葉がつく植物です。植物そのものは中サイズでもいいので、鉢自体をひとまわり大きいものにすると根が太くなる余白が土に生まれて、育ちやすいかもしれませんね。インテリアとして置きたい場合でも、植木鉢にこだわるだけでも雰囲気をつくることができますよ。
階段などの限られたスペースに飾る、小さめの観葉植物にもポトスがおすすめですね。コンテナから吊るしたり、植物を壁に掛けたりする”ハンギング”にも適しています。個人的に好きなのは、やっこかずら(ピロデンドロン)。ツル性植物なので、茎がどんどん伸びて、階段の手すりに巻きついたりするので、個性的で可愛いです」
置かれる場所によって、育ちやすい育ちにくい植物もある。例えば、観葉植物として人気のオリーブも、屋内より屋外に置く方が向いているのだそう。
「オリーブは日光が大好きで、耐陰性がありません。そのため室内では育ちにくいですが、屋外に置いてあげるとすくすく育ちます。あと、オリーブは『風媒花』といって、風によって花粉が運ばれて受粉し、花をつけます。異なる2種類の品種を並べて植えると、オリーブの実が収穫できますよ。
ベランダでは、ハーブも育てやすいです。背も高くならず簡単に育ちます。センテッドゼラニウム、レモングラスなどは、虫除け効果のあるハーブで、蚊が嫌いなシトラールという成分を多く含んでいます。ローリエなどは、お肉料理のスパイスにも使えますね」
ハーブは、ホームセンターなどで苗を買って、プランターに植えておくだけで大丈夫。横にどんどん根をはって育つので、なるべく幅の大きいプランターを準備することがコツだそう。
日陰でジメジメの場所に、植物は置けるの?
立地の関係で、太陽の光が全く届かないという部屋もあるだろう。それでもインテリアとして植物を置きたい場合、何か解決策はあるのだろうか。
「日陰に強い植物もいます。コウモリランは個人的におすすめです。壁にひっつく性質があってユニークです。光合成するためのものと葉を生やすためのものと2種類の葉あり、生命力があります。湿気が多い場所にも強いです。
どうしても育ちにくい環境には、ドライフラワーなどを置いて飾ってもいいかもしれません。ドライフラワーは日光が当たると逆に色が褪せてしまうので、日陰は最適です。通常だと、数ヶ月〜1年で色が抜けてしまいますが、日光が当たらない場所だと色がきれいに長持ちしますよ」と谷井さん。
植物が気持ちよく育ってくれるためには、水やりや風通しなどのいくつかのポイントを意識することが大切!植物の顔色がわかるようになってきたら、植物の種類を少しずつ増やしていくのがよさそうだ。ベランダや庭で収穫した花やハーブを、靴箱や玄関にさりげなく飾るのもまた一興。ぜひ植物と仲良くなって、暮らしに新たな彩りを添えてみてはいかがだろうか。
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