目を引いた大手4事業者のサービスプラン

今回2回目となる「新電力EXPO 2016」。279社の団体が出展し、3日間の正式な来場者数は48,514名。4月の電力自由化を前に熱気を帯びていた今回2回目となる「新電力EXPO 2016」。279社の団体が出展し、3日間の正式な来場者数は48,514名。4月の電力自由化を前に熱気を帯びていた

2016年1月27日~29日の3日間、東京ビッグサイトで「新電力EXPO 2016」が開催された。このEXPOは、新電力に関わるビジネスやサービス、政策から事業者の取り組みなど最新情報が一堂に介する展示会。2回目となる今回は、279社の団体が出展し、3日間で約48,000名の来場者を集めた。

基本的にこの展示会は、新電力にまつわる新たなサービスや技術をB to Bのビジネスマッチングを意識して展示するもの。しかし、2016年4月1日の電力自由化を目前に控えた今回は、一般の家庭での電気料金がどのように変わっていくのか、新たなサービスプランなどを目にすることもできた。そういった観点で目を引いたのは、「東京電力」「東京ガス」「中部電力」「中国電力」のブース。

今回の記事では、上記の4事業者のサービスを紹介するとともに、4月以降お得な電力プランを選ぶポイントを探ってみたい。

「東京電力」は、携帯キャリアなど多彩な連携プランが特徴的

東京電力では、携帯電話やプロパンガスなどの提携先が充実している。これらのセットで加入すると、電気料金というよりも、携帯電話料金の割引やポイントなどでメリットが大きく出てくる東京電力では、携帯電話やプロパンガスなどの提携先が充実している。これらのセットで加入すると、電気料金というよりも、携帯電話料金の割引やポイントなどでメリットが大きく出てくる

まず、東京電力のブースを見ていこう。同社の新料金プランの特徴は、これまでの料金メニューに加え、消費者のライフスタイルに合わせたプランを用意したことだ。「大家族やペットなどがいて使用量が多い家庭」には、一定使用量まで定額になるプランや「オール電化住宅の家庭」には、割安な夜間の電気を上手に使うプランなどがある。

ただし、電気料金だけをみれば、新メニューに切り替えてすぐにメリットが出てくるのは、金額にすると月の電気料金がだいたい15,000円以上の家庭だという。「従量電灯B、C」(月平均の使用量が300kWh未満)の家庭では、現在の契約でも十分抑えた料金体系になっているため、4月から何がなんでもプラン変更をするのではなく、様子を見ながら検討しても損はないそうだ。

また、東京電力の戦略で目を引くのが多彩な事業者との連携サービスの充実ぶりだ。プロパンやLPといったガスの供給事業者とセットで契約することで割引が適用されたり、インターネット事業者や音楽配信事業者との提携により、セットで利用することでインターネット使用料やサービス利用料が割安になる。

特にソフトバンクとの提携では、「ソフトバンクでんき」の電力供給を東京電力が担当し、スマホ・ケータイ料金の割引や電気代に応じてTポイントを貯めることができる。

シンプルな「トリプル割」、生活まわり便利サービスが魅力の「東京ガス」

東京ガスは、料金プランだけでなく、暮らしの便利サービスも充実させているのが特徴。いざという時に嬉しいサービスだ。また、新電力の中で安定した電力供給が実現できるのも魅力だ東京ガスは、料金プランだけでなく、暮らしの便利サービスも充実させているのが特徴。いざという時に嬉しいサービスだ。また、新電力の中で安定した電力供給が実現できるのも魅力だ

では、4月から家庭向けの電力を販売する「東京ガス」はどのようなサービスを打ち出しているのだろうか。こちらは分かりやすいシンプルなサービス内容が特徴だ。ガスと電気をセットにしてお得になる「ずっとも電気」プラン。そして、ガス・電気・インターネットをセットにする「東京ガストリプル割」だ。このプランはインターネット回線に「フレッツ光」を利用し、提携する9社のインターネットプロバイダーの契約、そして電気とガスの契約も東京ガスに切り替えることで、かなりの通信費の割引が期待できる。

また、東京ガスでは「生活まわり駆けつけサービス」も展開。こちらは「トイレが詰まった」「家の鍵をなくした」「窓ガラスが割れてしまった」といった暮らしのトラブルに専門スタッフが24時間×365日対応し、駆けつけ訪問をおこなうサービスだ。4月からの新プランに申し込むと、この「生活まわり駆けつけサービス」が最大2年間無料(9,600円相当)になる。

さらに、Web会員サービスでは、電力とガスの使用料をWeb上で確認できるのはもちろんのこと、サービスの利用やキャンペーン参加で「Tポイント」「Ponta」「WAONポイント」など各種ポイントを貯められる。変わったところでは「クックパッド」との提携により、通常は有料のプレミアサービスである「人気順検索」などが可能になるという。

東京ガスは「天然ガス発電所」を運営しており、既に新電力の中でも最大級(2016年2月現在 約160万kW予定)の電源を保有している。このため、新電力への切り替えによる停電リスクにも不安がない。

地元重視の「中国電力」、充実サービスで首都圏を狙う「中部電力」

中部電力では、地元エリアでのサービス充実を図るとともに、首都圏への拡大も視野に入れている。駆けつけサービスや相談サービスでの対応範囲やメニューの豊富さは群を抜いている中部電力では、地元エリアでのサービス充実を図るとともに、首都圏への拡大も視野に入れている。駆けつけサービスや相談サービスでの対応範囲やメニューの豊富さは群を抜いている

このほか、EXPOで目立っていたのは「中部電力」と「中国電力」のブースだ。中部電力はちょうどEXPOの会期中に新料金メニューを発表。電力使用量に応じた3つのプランを用意し、電気料金や景品引換に充当できるポイントが貯められたり、料金単価の割安化や月額の割引料金を設定した。

このポイントサービスと連携するのが、同社が2015年から展開している無料会員向け情報サービス「カテエネ」。これは、省エネアドバイスやお料理レシピなど暮らしに役立つ情報を提供するもので、ユーザーはこれらの情報をチェックしアンケートに答えるなどして「カテエネポイント」を貯めることができる。例えば、一番電力使用量の少ない料金プラン(10~30A相当)でも、入会時に獲得できるポイントなどとあわせ、2年間で最大1,980ポイントを貯められるという。ポイントは景品に交換できるほか、1ポイント=1円で電気料金の支払いに充てることも可能だ。

「暮らしを豊かにコーディネート」をキャッチフレーズとする中部電力では、電気料金に月300円の追加で「暮らしサポートセット」を新たに提供する。24時間×365日の駆け付けサービスでは、水回りのトラブルや鍵のトラブルなどに加え、遠方の家族の「在宅確認サポート」までを実現。さらには、各種相談サービスとして「パソコンのトラブル相談」をはじめとした「健康・医療」「介護」「生活防犯」「育児・子育て」といった幅広いアドバイスサポートを実施する。

一方「中国電力」は、地元重視のサービスを充実させている。4月からは電気使用量や使用時間帯に合わせた4つの新料金プランと地元の商品やサービスなどと交換できる「エネルギアポイントサービス」を提供する。このポイントは毎月の電気料金と同社が提供するWebコンテンツの参加で貯められるしくみ。約100点にのぼる中国地域の特産物と交換できるほか、「マルキュウグループ」などの地元のスーパーのポイント、または商品券にも交換可能となる予定だ。

「電気料金」でなくサービスの全体像と「環境負荷」も考慮した選択を!

こうして見ていくと、電力の自由化で新たなサービスを選択するには「電気料金」だけでは判断できないようだ。今回の記事に取り上げた事業者だけをみても電気料金の値下げというよりもさまざまな付帯サービスを展開している。

携帯電話キャリアやインターネット通信事業者との提携状況はどうなのか? 既存ポイントサービスとの提携状況や独自のポイントサービスのメリットが高いものはどれか? 暮らし回りの便利サポートが必要かどうかなど、それぞれの家庭のライフスタイルによってお得なプランというのは変わってくるだろう。総合的なサービスの充実ぶりや光熱費全体や通信費などにかかる料金なども含めて考える必要がある。

そして、もう1点個人的に意識しておきたいと思っているのが、その電力がどういったエネルギーを利用して作られているかという点だ。風力やソーラーといった環境にやさしい「再生可能エネルギー」に事業者が力を入れているかも考慮したい。「電力自由化」では料金に注目が集まりがちだが、今後の日本のエネルギー事情を消費者が選択できるという側面もある。

今回紹介した事業者はほんの一部の大手のみ。このほか東京電力エリアだけをみてもさまざまな事業者が登場している。電気料金のみならず全体のサービスや環境面なども加味しながら各社のプランを検討していけるとよいだろう。

2016年 03月04日 11時05分