東京・大阪・名古屋、それぞれに“ご当地色”が出るモデルルームのインテリア

ご当地ごとに特長が出るモデルルームのコーディネートご当地ごとに特長が出るモデルルームのコーディネート

新築マンション見学の際の“最大のお楽しみ”とも言えるのが『モデルルーム見学』ではないだろうか。真新しい建具の香りのするゆったりとした空間に、インテリアトレンドを意識した家具や小物が配置され、まるでドラマのワンシーンのようにお洒落にコーディネートされたモデルルームは、一歩足を踏み入れただけで“こんなお部屋に住んでみたい…”という憧れを抱かせてくれる。

筆者は、住宅ライターとして東京・大阪・名古屋のマンションギャラリーやモデルルームを長年取材してきたが、各都市のモデルルームを比較して気づいたことがある。それは“モデルルームのコーディネートにはご当地色が出る”ということだ。

例えば、東京のモデルルームでは、ライトでナチュラルな質感を大切にしたベージュや木目といった『アースカラー』の建具や壁紙を使っていることが多い。一方、大阪のモデルルームは『個性重視』で“他と違ってなんぼ”の世界。リビングの壁にゴールドの縄模様のアクセントクロスを使うなど色合いや柄の選び方も多彩で、華やかさを強調したコーディネートが目立つ。

「高級そうに見える」という理由で名古屋では根強い人気のダークカラー!

インテリアコーディネーターの岩村浩子さんインテリアコーディネーターの岩村浩子さん

では、東京と大阪の中間に位置する名古屋は・・・というと、東京のモデルルームのトレンドが数年遅れてやってくるパターンが多いのだが、名古屋市に本社を置く株式会社アンサークリエイションのインテリアコーディネート事業部・岩村浩子さんによると、名古屋人が好むモデルルームにはある一定の法則があるという。

「名古屋の場合は、他の2都市と比較すると、濃いめのブラウンなど『ダークカラーの建具』が好まれる傾向が特に強いですね」と岩村さん。例えば、居室扉や収納ドアにダークカラーの建具を使う場合、東京のモデルルームでは、空間の明るさを強調するためにホワイトのフローリングやベージュのカーペットを組み合わせることが多いが、名古屋の場合は“ドアもフローリングも腰板もダーク”という『ダークカラーづくし』の組み合わせが好まれる傾向にあるのだとか。

「これは、質実剛健を良しとする名古屋の方の特性なのでしょう。ダークカラーは“見た目にも高級感があり、汚れが目立ちにくい”という理由で根強い人気を集めています」(岩村さん談)。

近年は『明るめナチュラル』の支持率アップも『一点豪華主義』が名古屋流!

名古屋でも増えているナチュラルなコーディネート名古屋でも増えているナチュラルなコーディネート

しかし、近年は名古屋のモデルルームでも、少しずつ『明るめのコーディネート』の人気が高まってきているという。

「ホワイトやベージュブラウンなど、今までの名古屋ではあまり人気がなかった『薄めの色』を選ばれるお客様が、新婚さんや子育てファミリーなど若い世代を中心に増加中です。さらにここ最近の変化としては、お仕事をリタイアした団塊世代のご夫婦の中にも『ナチュラル』を選ばれる方が増えていますね。『今までずっとダークな家具に囲まれて暮らしてきたから“終の棲家”はイメージを変えて、明るい空間で老後生活を過ごしたい』とおっしゃる方も多く、名古屋のモデルルームトレンドとしては少しずつ『明るめナチュラル』へ移行しています」(岩村さん談)。

ただし、ナチュラルで明るい空間を好む団塊世代が増えつつある中でも“名古屋人魂”は忘れていない。「例えば、どこか一カ所の壁に豪華な天然石を張ってみたり、ゴージャスなデザインの照明を設置して壁面に映る陰影を楽しむなど、ナチュラルを装っていても『一点豪華主義』を貫くのが名古屋流。そういう点では、東京・大阪とはまた違った“高級感を強調するコーディネート”が見られるのが、名古屋のモデルルームの特徴かもしれませんね」(岩村さん談)。

筆者も含め“ブランド好きで見栄っ張り”と称される名古屋人だが、『一点豪華主義』の見栄っ張り気質は住空間にも顕れるようだ。名古屋人流のインテリアコーディネートへのこだわりを、みなさんもモデルルームで体感してみてはいかがだろうか。


■取材協力/株式会社アンサークリエイション インテリアコーディネート事業部
http://www.answer-creation.co.jp/kojin/interior.html

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