- 住宅ローンの年齢制限と借入期間
- 住宅ローンの申し込みは70歳程度まで可能な金融機関が多いですが、完済時の年齢に上限があるため、高齢になるほど借入期間は短くなります。また、健康状態によっては団体信用生命保険(団信)に加入できず、ローンを組めない可能性もあります。
詳しくは、「住宅ローンの借り入れに年齢制限はある?」をご覧ください。 - 年代で異なる住宅ローンの注意点
- 住宅ローンは組む年代によって注意点が異なります。30代は教育費、40代は老後資金の準備、50代以降は短い借入期間と老後資金のバランスを考えた資金計画が重要です。年金での返済や親子リレーローンの検討も必要になるでしょう。
詳しくは、「住宅ローンを組む年齢によって注意点が異なる」をご覧ください。 - 45歳以上でローンを組む際の資金計画
- 45歳以上で住宅ローンを組む場合、多めの自己資金を用意することが望ましいですが、老後資金を圧迫しないことが大切です。退職金以外で貯める老後資金の目標額を設定し、そこから逆算して無理のない月々の返済額を決めるようにしましょう。
詳しくは、「45歳以上で住宅ローンを組む場合の注意点」をご覧ください。
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一般的に、住宅ローンの年齢制限は45歳だといわれることがあります。また、高齢の方から「自分は住宅ローンを組めるのか」という相談を受けることもあります。
実際には、住宅ローンの申し込みや完済時の年齢に制限はあるのでしょうか? また、高齢でも団体信用生命保険(団信)に加入できるのでしょうか?
今回は、住宅ローンの年齢制限や年代別の注意点について解説します。
住宅ローンの借り入れに年齢制限はある?

住宅ローンの年齢制限は45歳だといわれることがありますが、実際には70歳くらいまで住宅ローンの申し込みが可能です。
ただし、たとえば住宅ローンの返済が終わるまでの年齢が80歳までなどと決められているため、申込時の年齢が高くなればなるほど、ローンを返済する期間が短くなってしまいます。
住宅ローンの申し込みが可能な年齢
住宅ローンでは、申し込みができる年齢が決められています。金融機関によって異なりますが、たとえばフラット35では申込時の年齢が「満70歳未満の方」となっています。
そのほか、おもな大手都市銀行の住宅ローンの申し込み可能な年齢は、以下のとおりです。
申込時の年齢
みずほ銀行 満71歳未満
三菱UFJ銀行 70歳の誕生日まで
三井住友銀行 満70歳の誕生日まで
意外と高齢でも申し込みが可能だと感じる方も多いのではないでしょうか。
完済時の年齢と借入期間
70歳くらいまで申し込みが可能だとしても、高齢で住宅ローンを組む場合は借入期間に気をつける必要があります。
住宅ローンでは完済時の年齢が決められていて、そこから逆算して最長の借入期間が決まります。たとえばフラット35では、「80歳-申込時の年齢(1年未満切上げ)」(最大35年まで)となります。
なお、フラット35の場合、借入期間は15年以上(60歳以上の場合10年以上)にしなければなりません。
たとえば、現在53歳1ヶ月の方の場合、1年未満切り上げなので54歳とみなし、「80(歳)-54(歳)=26年」が最長の借入期間となります。
現在45歳6ヶ月の人は同様に、「80(歳)-46(歳)=34年」が最長の借入期間です。
フラット35は最長で35年の借入期間にすることができますが、それは44歳以下の方だということになります。45歳以上の方は借入期間に気をつけましょう。
そのほか、おもな大手都市銀行の完済時年齢は以下のとおりです。
完済時の年齢
みずほ銀行 満81歳未満
三菱UFJ銀行 80歳の誕生日まで
三井住友銀行 満80歳の誕生日まで
年齢が高くなると団信に加入できないおそれも
申込時の年齢や借入期間に問題がないとしても、高齢で住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険(団信)の問題があります。
団信とは生命保険の一種で、住宅ローンの債務者が死亡した場合に残高が0円になるものが一般的です。その保険料は金利に含まれます。
住宅ローンを組む際は原則として団信への加入が必須です。
申込時に自分の健康状態について告知し、その内容をもとに審査されますが、高齢で申し込む方のなかには直近に大きな病気をしたなど健康状態が悪い方もいるため、団信に加入できず住宅ローンを利用できないということが起こりえます。
なおフラット35では団信に加入しなくてもよい仕組みになっています。しかし団信なしで住宅ローンを借りるということは、万が一死亡したときに住宅ローンという大きな借金を家族に残してしまうということです。
その覚悟が家族にあればよいのですが、やはり団信に加入できず生命保険による保障もない状態でローンを組むのは危険です。
若いときに加入した生命保険でカバーできる範囲であれば、団信なしの住宅ローンを検討してもよいでしょう。
さらに、団信のなかには「疾病保障特約付団信」といって、がんや生活習慣病などの病気を保障するものもあります。
保障内容は金融機関によって異なりますが、たとえば金利を0.3%上乗せすることで、がんと診断されたり、脳卒中や心筋梗塞で一定の状態になったりした場合に、ローン残高が0円になるというような保障がつけられるといった仕組みです。
これらの疾病保障特約付団信には年齢制限があります。
たとえばフラット35では金利を0.24%上乗せすることで3大疾病保障付の団信に加入できますが、条件は満51歳未満(満51歳の誕生日の前日まで)となっています。
これらの理由から、高齢になると団信では不利になるといってもよいでしょう。

住宅ローンを組む年齢によって注意点が異なる

年代によって、住宅ローンの借り入れを行うにあたって気をつけるべきポイントは異なります。
30代で住宅ローンを組む場合
30代の方が住宅を購入する場合、自己資金は少ないかもしれませんが、住宅ローンの借入期間を長く取ることができます。毎月の返済額を抑えられるので、余裕のある資金計画を立てることが可能です。
ただし子どもがいる方は教育費の負担が重くなっていく年代でもあるので、教育費の積み立てと住宅ローン返済とを両立できるように計画する必要があります。
40代で住宅ローンを組む場合
40代の場合、借入期間もそれなりに長期間取れるため、毎月の返済額を小さくすることができます。
ある程度自己資金のある方も多く、頭金を少し多めに入れて住宅ローンの総額を減らすことができれば、さらに余裕のある返済計画を立てられるでしょう。
子どもの教育費が重くなる時期ですが、それを乗り越えて子どもが独立すれば、費用の面では楽になります。ただし、老後資金の積み立てもできるような資金計画を立てることが大切です。
50代で住宅ローンを組む場合
50代の方は、住宅ローンの借入期間が短くなってしまうため、借り入れ可能な金額が少なくなってしまいます。
また、退職金で繰り上げ返済を考える方も多いですが、老後資金が不足しないように資金計画をきちんと立てる必要があります。
加齢により健康状態に問題が出てくるとローンを組むことができなくなる点にも気をつけましょう。
60代で住宅ローンを組む場合
50代の方と同様に、老後資金とあわせて資金計画をよりしっかりと立てる必要があります。
多くの方は年金で住宅ローンを返すことになるので、年金がどれくらいもらえるかを把握し、そのなかで返済できるような資金計画が望ましいでしょう。
子どもが住宅をもっていなければ、親子リレーローン(※1)の利用も検討したいところです。そのほか、リバースモーゲージ型住宅ローン(※2)なども検討の余地があります。
※1:親子リレーローン
親と子の2世代で住宅ローンを返済していく方法です。後継者である子の年齢をもとに借入期間を計算するため、親単独で借りる場合より借入期間を長くすることができます。親が70歳以上であっても借りることができ、一般的には子が団信に加入することが多いようです。親子リレー方式があるのはフラット35など一部の商品、金融機関のみであることに注意しましょう。
※2:リバースモーゲージ型住宅ローン
高齢者向けの住宅ローンで、自宅の土地建物を担保に融資を受け、契約者の死亡時に担保物件を売却して一括返済する制度です。
ライフプランに合った資金計画を
できるだけ若いうちに住宅ローンを組んだほうが、返済計画も老後資金などの準備も楽になります。どんな年代であっても、ライフプランを踏まえた資金計画を立てることが必須です。
言い換えれば、住宅ローンのことを考える際には住宅ローン以外のマネープラン(教育費や老後資金)もあわせて考えることが大切だといえます。
物件を探す 住まいの窓口に資金計画を相談する 家計から住宅購入予算を試算する
45歳以上で住宅ローンを組む場合の注意点

45歳以上の人が住宅ローンを組む場合には、若い方よりも自己資金を多く用意することが望ましいでしょう。
ただし、自己資金を使ってしまうことで教育費や老後資金に影響が出てしまうようではいけません。教育資金にはある程度めどが立つ時期でもあるので、考えるべきは老後資金についてがメインになるでしょう。
具体的には、退職金以外で準備したい貯蓄の目標額を定め、そこに向けて無理なくお金が貯められるように逆算して住宅ローンに充てられる金額を算出します。
たとえば退職まであと20年あるとして、退職金以外で2,000万円を貯めようと考えれば、1年あたり100万円、月換算で約8万円を老後資金として貯蓄する必要があります。
つまり月8万円の貯蓄ができるように逆算して住宅ローンの月々の返済額を決めていくことになります。子どものライフプラン次第では、親子リレーローンの利用も検討できます。

まとめ
住宅ローンを組む際は、申し込み時や完済時の年齢が決められています。また、住宅ローンを組む年代によっても注意すべきポイントが異なります。
教育資金や老後資金など、住宅ローン以外の費用にも影響が出ないように、ライフプランにもとづいた資金計画をしっかりと立てることが大切です。
物件を探す 住まいの窓口に資金計画を相談する 住宅ローンについて調べるよくある質問
Q1:住宅ローンは何歳まで申し込めますか?
A1: 金融機関によって異なりますが、一般的には70歳くらいまで申し込みが可能です。ただし、完済時の年齢を80歳までとしている金融機関が多いため、申し込む年齢が高いほど、借り入れできる期間は短くなります。
Q2:45歳以上でも住宅ローンは組めますか?
A2: はい、45歳以上でも住宅ローンを組むことは可能です。ただし、借り入れ期間が短くなる傾向があり、毎月の返済額が高くなる可能性があります。また、団体信用生命保険(団信)への加入のしやすさも考慮する必要があります。
Q3:住宅ローンを組む際に、健康状態は関係ありますか?
A3: はい、関係します。住宅ローンを組む際には、原則として団体信用生命保険(団信)への加入が必須となる場合が多く、健康状態の告知が必要です。健康状態によっては団信に加入できず、結果として住宅ローンが利用できない可能性もあります。
Q4:住宅ローンの借り入れ期間は、どのように決まりますか?
A4: 住宅ローンの借り入れ期間は、完済時の年齢から逆算して決まります。たとえば、完済時の年齢が80歳までとされている場合、申し込むときの年齢が高いほど、借り入れできる最長の期間は短くなります。
Q5:30代で住宅ローンを組む場合の注意点は何ですか?
A5: 30代の方は、自己資金が少ない場合でも借り入れ期間を長く設定できるため、毎月の返済額を抑えやすい傾向にあります。ただし、子どもがいる場合は教育費の負担も増える時期なので、教育費と住宅ローンの返済を両立できる資金計画が大切です。
Q6:50代で住宅ローンを組む場合の注意点は何ですか?
A6: 50代の方は、借り入れ期間が短くなるため、借り入れ可能な金額が少なくなる傾向があります。退職金での繰り上げ返済を検討する方もいますが、老後資金が不足しないよう、きちんとした資金計画が必要です。また、健康状態によってはローンを組めなくなる可能性もあります。
Q7:住宅ローン以外の費用も考慮する必要はありますか?
A7: はい、住宅ローンだけでなく、教育費や老後資金など、将来を見据えた資金計画を立てることが非常に重要です。無理のない返済計画を立てるためには、住宅ローン以外のマネープランも合わせて考える必要があります。
更新日: / 公開日:2020.02.27










