全期間固定ローンである“フラット35”で住宅ローンを返済してはいるものの、もしかしたら“変動金利”の方が有利なのではと考えている方に向けて、フラット35から変動金利への住宅ローンの借り換えで考えるべきポイントについてお伝えします。
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住宅ローンの借り換え、他の人はどうしている?
国土交通省の2017年度の調査(※1)によれば、2016年度の住宅ローン新規貸出額のうち、7.8%が借り換え向けとなっていました。借り換え向けの新規貸出額は 4兆1,925 億円で、2015年度より 1兆9,218 億円増加しています。
また、住宅金融支援機構の調査(※2)では、借り換え後の金利タイプで最も多いのは“固定期間選択型”(46.3%)、次いで“変動型”(42.0%)でした。
実際に借り換えることで金利が下がり、返済期間が短縮できている人が多いことから、ハウスメーカーなどの提携先の金融機関で住宅ローンを組んだ人が、より金利の低い金融機関を見つけて借り換えをしているという面もあると考えられます。
※1 「平成29年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」、※2 「2017年度 民間住宅ローン借換の実態調査」
フラット35から変動金利に借り換えるメリット

フラット35の最大の特徴は、借り入れたときの金利のまま最後まで返済を続けられる“全期間固定金利”です。
フラット35から変動金利に借り換えるメリットには、どういったものがあるのでしょうか?
金利が下がる
変動金利は年に2回見直しが行われるタイプの金利ですが、大きなメリットといえるのが、固定金利よりも一般的に金利が低く設定されていることです。
例えば、2019年1~3月の主要銀行の35年固定ローンの金利(※)は年1.25~1.90%ですが、変動金利の場合は年0.457~0.600%でした。
仮に、年1.960%のフラット35を利用していた人が年0.457%の変動金利に借り換えした場合、年1.5%以上金利を抑えられるというわけです。
今契約している金利によっては、変動金利に借り換えるメリットは、低金利の続く現在では“ある”といえそうです。
※返済期間21年以上、融資率9割の場合の最低金利
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一見メリットが大きい変動金利への借り換えですが、注意しておきたいデメリットもあります。
まとまった費用がかかる
住宅ローンの新規契約をするときには、保証料や事務手数料、抵当権設定費用など何十万円という費用がかかりますが、実は借り換えにも同じように費用がかかります。
それは、現在借りている金融機関とは違う金融機関で新しいローンを組み直すことになるからです。新しい住宅ローンの審査が下りてから今の住宅ローンを繰り上げ返済する形になるため、初期費用は準備しておかなければなりません。
将来的に金利が上がる可能性がある
変動金利は年に2回の見直しがありますが、これは市場の景気と連動しています。そのため、景気によっては金利が上昇する可能性もあるのです。
変動金利には「5年ルール」と呼ばれるものがあり、金利が上昇しても5年間は毎月の返済額が変わりません(元利均等返済の場合のみ)。
しかし、返済額が変わらないだけで利息が占める割合は増えるため、返済が長期化するおそれがあります。この金利の上昇リスクが、変動金利のデメリットといえます。
借り換えを考える目安

それでは、何を判断材料にフラット35から変動金利に借り換えを検討すればいいのでしょうか。その目安として、返済期間、残債、金利が挙げられます。
・返済期間
住宅ローンの残りの返済期間が短いと、借り換えのメリットは小さくなってしまいます。返済期間が10年以上残っているかどうかが一つの目安になります。
・残債
手間と費用をかけて借り換えても、ローン残高があまり多くない場合には金額的なメリットは少なくなります。残債が1,000万円以上あるかどうかが一つの目安となりそうです。
・金利
当然のことながら、金利の差が大きいほどメリットは大きくなります。金利差としては、1%以上が判断基準といわれています。
返済の残り期間、残債、金利のどれか一つでもあてはまれば、借り換えを検討しても良いかもしれません。
繰り上げ返済
以上の目安とは少し外れますが、考えておきたいのは繰り上げ返済をどれくらい予定するかということです。
変動金利に変えて、金利が低いうちに繰り上げ返済を重ね、早い段階で住宅ローンを完済したい人にとっては、変動金利のデメリットはそう影響しないかもしれません。
一方で、小さな子どもがいる、まだ生活費にお金がかかるなどの理由で、安定して返済し続けたいのであれば、変動金利のデメリットを押さえたうえで慎重に検討した方が良いでしょう。
無料で住まいの窓口に相談する マンションを探す 一戸建てを探す 注文住宅を探す借り換えはトータルコストで判断しよう

フラット35から変動金利への借り換えは、一般的には金利が下がり、住宅ローンの返済総額や毎月の返済額を減らせるというメリットがあります。
しかし、無条件にお勧めできるものではありません。住宅ローンの借り換えは金利の低さだけでなくトータルコストで検討すべきです。
現在の契約内容をよく確認し、借り換えによって削減できる利息と、そのためにかかる費用をきっちりと見比べたうえで、本当に借り換えをするべきか判断しましょう。
無料で住まいの窓口に相談する マンションを探す 一戸建てを探す 注文住宅を探す更新日: / 公開日:2019.05.10










