家の購入にあたっては、住宅ローンを組む人が多いですが、返済総額はできるだけ抑えたい人が多いのではないでしょうか。
住宅ローンの返済総額は金利、借入金額、返済期間で決まります。返済期間と借入金額は自分でコントロールできるので、これらをどのように考えるかが重要です。
そこで今回は、住宅ローンの返済期間と返済額との関係をシミュレーションで確認し、どのような返済計画をすべきか解説していきます。
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住宅ローンの返済総額を減らすには
総返済額を減らしたいなら、より低い金利、より短い返済期間、より少ない借入金額を目指すことです。それぞれの特徴を簡単に紹介しておきます。
■金利をより低くするためには
基本的な金利タイプには、返済期間中も金利が変動する変動金利型や返済期間中は金利が一定である全期間固定金利型があります。
一般的に全期間固定金利型よりも変動金利型の方が金利は低いため、金利を低くしたいなら変動金利型を選択する方法もあります。ただし返済期間中も金利が変動するリスクがあります。
また金利のタイプではなく、金融機関によっても金利が異なりますので、金融機関を比較してより低い金利を選択する方法もあります。
さらに金融機関を選ぶ際には諸費用も確認しなければなりません。低金利が続く中、金利による金融機関の違いが見出しにくくなっています。だからこそ諸費用が重要なのです。
■借入金額を減らすためには
借入金額を減らす方法には、より価格の安い物件を選ぶか、自己資金(頭金)をより多く準備するかの二通りあります。
一般的には物件を新築から中古へ、都心や駅近から郊外へ変更することで購入価格が安くなることが多いです。自己資金は、数年かけて貯蓄する方法のほか、親からの贈与で準備する方法もあります。
借入金額を減らすと次に紹介する返済期間も短くすることができます。返済期間が短くなるとより低い金利の商品を選ぶことができますので、借入金額を減らすことも重要です。
■返済期間を短くするためには
最も難しいのは、住宅ローンの負担を減らすために返済期間を短く設定することでしょう。
返済期間を短くすると毎月の返済額が増加してしまいます。そのため返済期間を短くしたい場合には、金利や借入金額の見直しも必要となります。
なお返済期間は、働き方にもよりますが、老後の生活も考えると定年退職をするような年齢までが望ましいでしょう。
60歳までに住宅ローンを返済するために
返済期間を短くすれば、総返済額は減少しますが、毎月の返済額は増加します。
そのため返済期間を短くした方がいいことは分かっていても、毎月の返済額が高くなり短くすることができません。
返済期間を短くするために、頭金を増やして借入金額を減らしたり、できるだけ低い金利で借り入れたりする必要があります。
そこで活用できるのが金融機関のサイトで公開されているシミュレーションツールです。数値を変えてさまざまなシミュレーションをすることで、最適な返済計画を考えていきます。
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返済期間を1年短くすると返済額がどのくらい変わるか試算する
シミュレーションするにあたり、金利を1.5%、借入額を3,000万円とします。
ボーナス払いなしの元利均等返済で試算します。なお元利均等返済は毎月の返済額が変わらない返済方法のことです。
<返済期間と返済額>
| 返済期間 | 毎月の返済額 | 総返済額 | ||
| 差額 | 差額 | |||
| 35年 | 91,855円 | 38,579,008円 | ||
| 34年 | 93,911円 | 2,056円 | 38,315,561円 | -263,447円 |
| 33年 | 96,094円 | 2,183円 | 38,053,251円 | -262,310円 |
| 32年 | 98,417円 | 2,323円 | 37,791,956円 | -261,295円 |
| 31年 | 100,892円 | 2,475円 | 37,531,873円 | -260,083円 |
| 30年 | 103,536円 | 2,644円 | 37,272,769円 | -259,104円 |
| 29年 | 106,365円 | 2,829円 | 37,014,810円 | -257,959円 |
| 28年 | 109,399円 | 3,034円 | 36,758,012円 | -256,798円 |
| 27年 | 112,661円 | 3,262円 | 36,502,308円 | -255,704円 |
| 26年 | 116,178円 | 3,517円 | 36,247,678円 | -254,630円 |
| 25年 | 119,980円 | 3,802円 | 35,994,148円 | -253,530円 |
| 24年 | 124,103円 | 4,123円 | 35,741,706円 | -252,442円 |
| 23年 | 128,588円 | 4,485円 | 35,490,423円 | -251,283円 |
| 22年 | 133,486円 | 4,898円 | 35,240,188円 | -250,235円 |
| 21年 | 138,854円 | 5,368円 | 34,991,108円 | -249,080円 |
| 20年 | 144,763円 | 5,909円 | 34,743,155円 | -247,953円 |
| 19年 | 151,300円 | 6,537円 | 34,496,278円 | -246,877円 |
| 18年 | 158,567円 | 7,267円 | 34,250,569円 | -245,709円 |
| 17年 | 166,696円 | 8,129円 | 34,005,921円 | -244,648円 |
| 16年 | 175,846円 | 9,150円 | 33,762,421円 | -243,500円 |
| 15年 | 186,222円 | 10,376円 | 33,520,040円 | -242,381円 |
※筆者試算
シミュレーション結果によると、返済期間を短くすると毎月の返済額が増え、総返済額は減っているのが分かります。
返済期間を1年短くすると総返済額が20万円ほど減少しています。
今回は金利1.5%、借入金額3,000万円で試算しましたが、金利が高ければ高いほど、借入金額が多ければ多いほど減少幅は大きくなります。
毎月の返済額を10万円以内にするために必要な頭金の額
繰り返しになりますが、返済期間を短くすれば毎月の返済額が高くなります。
返済期間を短くするために、変動金利型のような金利の低いタイプに変える手もありますが、金利の変動リスクもあります。
できれば金利タイプの変更ではなく、頭金を準備することで返済期間を短くしたいので、さらにシミュレーションをしていきます。
<毎月の返済額が10万円以内になるように試算した頭金の額>
| 返済期間 | 頭金 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 借入金額に対する頭金の割合 |
| 35年 | - | 91,855円 | 38,579,008円 | |
| 34年 | - | 93,911円 | 38,315,561円 | |
| 33年 | - | 96,094円 | 38,053,251円 | |
| 32年 | - | 98,417円 | 37,791,956円 | |
| 31年 | 30万円 | 99,883円 | 37,156,549円 | 1.00% |
| 30年 | 110万円 | 99,739円 | 35,906,139円 | 3.67% |
| 29年 | 180万円 | 99,983円 | 34,793,916円 | 6.00% |
| 28年 | 260万円 | 99,918円 | 33,572,277円 | 8.67% |
| 27年 | 340万円 | 99,893円 | 32,365,335円 | 11.33% |
| 26年 | 420万円 | 99,913円 | 31,172,974円 | 14.00% |
| 25年 | 500万円 | 99,984円 | 29,995,050円 | 16.67% |
| 24年 | 590万円 | 99,696円 | 28,712,477円 | 19.67% |
| 23年 | 670万円 | 99,870円 | 27,564,188円 | 22.33% |
| 22年 | 760万円 | 99,669円 | 26,312,660円 | 25.33% |
| 21年 | 840万円 | 99,974円 | 25,193,590円 | 28.00% |
| 20年 | 930万円 | 99,886円 | 23,972,754円 | 31.00% |
| 19年 | 1,020万円 | 99,858円 | 22,767,502円 | 34.00% |
| 18年 | 1,110万円 | 99,897円 | 21,577,818円 | 37.00% |
| 17年 | 1,210万円 | 99,462円 | 20,290,150円 | 40.33% |
| 16年 | 1,300万円 | 99,646円 | 19,131,995円 | 43.33% |
| 15年 | 1,390万円 | 99,939円 | 17,989,047円 | 46.33% |
※筆者試算
表は返済期間を31年より短くすると毎月の返済額が10万円を超えてしまうので、10万円以内になるようにした頭金の額を示しています。
返済期間を短くすると必要な頭金の額は増加します。頭金の額が高すぎると準備するのに時間がかかり過ぎますので、適正な頭金の額は家計の状況を踏まえて考えることになります。
頭金を借入金額の2割とすると、返済期間は24年までが限界となります。最後に、返済期間24年と返済期間30年を比較してみましょう。
<返済期間30年と24年との比較>
| 返済期間 | 頭金の額 | 借入金額 | 毎月の返済額 | 総返済額 |
| 30年 | 0円 | 3,000万円 | 99,739円 | 35,906,139円 |
| 24年 | 590万円 | 2,410万円 | 99,696円 | 28,712,477円 |
| 差額 | -590万円 | 590万円 | 43円 | 7,193,662円 |
※筆者試算
返済期間24年では頭金を入れていますので、総返済額は700万円ほど減少しています。
なによりも24年で返済が終わりますし、返済期間中に一部繰り上げ返済をすればさらに返済期間を短縮することができます。
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住宅ローンを借りる際の注意点
最後に、返済期間や借入金額についての注意点を挙げておきます。まず返済期間を短縮するためには、頭金の額を増やし、毎月の返済額を減らす必要があります。
お気に入りの物件を見つけてから返済計画を立てると、どうしても金利タイプを変更(固定金利から変動金利へ)することで毎月の返済額を減らすことを考えがちです。
ですので、住宅探しをする前に、変動金利型を選択するにしても金利変動リスクを負えるかどうかを検討し、借入金額や毎月の返済額の上限をあらかじめ決めておくことが大切です。
自ら情報を集めることで主体的な返済計画を立てましょう
あまり知識がない状態でとりあえず相談をしてから決めようとすると、正確な判断が出来ない可能性があります。
経験豊富な営業担当者の意見を聞くのは重要なのですが、まずは自分で情報収集をして、住宅に対する考え方を固めておきましょう。
住宅ローンに関しては、変動金利型か固定金利型か、返済期間は何歳までにするか、借入金額はいくらが上限かなど、家計の状況を考えて決めていきます。
各金融機関のサイトで公開されているシミュレーションツールで何度も試算をし、安心して借りられる金額を調べてみてもいいでしょう。
なお家計の状況によっては返済期間を短くするよりも毎月の返済額を減らす方を優先しなければならないこともあるでしょう。その場合は住宅ローンの組み方が変わりますのでご注意ください。
・住宅ローンの返済額は、金利、返済期間、借入金額で決まる
・金利差は小さいため、諸費用にも注目する
・住宅ローンの総返済額を減らすためには、金利を低く、返済期間を短く、借入金額を少なくする
・退職までに完済することが理想
・物件探しを始める前に、シミュレーションをして返済計画を立てる
更新日: / 公開日:2018.04.13











