- 賃貸で知るべき火災保険と地震保険
- 賃貸契約で加入する火災保険は、地震や津波を原因とする火災による損害を補償しません。このリスクを補うのが地震保険ですが、単独加入はできず火災保険に付帯して契約する必要があります。
詳しくは、「火災保険・地震保険の特長」をご覧ください。 - 賃貸の地震保険は家財補償が重要
- 賃貸物件における地震保険では、建物ではなく家財が補償の対象です。ただし、高価な貴金属や骨董品は対象外となる場合があります。また、保険金額は火災保険の契約額の範囲内で決まります。
詳しくは、「賃貸物件における地震保険の必要性は?」をご覧ください。 - もしもの備えとしての地震保険加入
- 近年、大規模な震災を経て地震保険への関心が高まっています。被災後の生活再建を支えることを目的としており、家財の買い直しや転居費用に充てられます。
詳しくは、「3.11以降、注目が集まるようになった地震保険」をご覧ください。
近い将来、首都直下型地震や南海トラフ巨大地震が発生する恐れがあると取り沙汰される中、地震や津波により損害を受けた建物や家財の補償を受けることができる、地震保険への関心が高まりつつあります。
しかし、賃貸物件の場合、建物を所有しているわけではないので、重要なのは地震保険に加入することによって家財がどこまで補償されるかということでしょう。
火災保険・地震保険の特長

通常賃貸住宅では、物件を契約すると同時に火災保険も一緒に契約します。保険期間は契約更新時期に合わせて2年間、保険料は一括前払いというケースが一般的です。
火災による家財の保険金は、保険会社により300万~1,000万円を上限として設定されています。ただし、火災保険で注意しなければならないのは、地震・津波などを原因とする火災損害は保険が適応されないということです。そのリスクを補うことができるのが地震保険です。
地震保険は地震・噴火・津波などを原因とする火災・流失・埋没によって、住宅または家財に損害が生じた場合に保険金が支払われる仕組みです。なお、地震保険は火災保険に付帯して契約するしか選択肢がなく、単独で加入はできません。この点もふまえて、賃貸住宅で地震保険に加入する必要性を考えていきましょう。
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賃貸物件における地震保険の必要性は?

30万円超の貴金属や宝石等は地震保険の対象外
賃貸物件で地震保険を検討するにあたっては、建物の補償は不要なため、家財の補償内容について説明します。
家財一式の中で補償対象として認められるのは、液晶テレビや冷蔵庫などの家電製品や家具類です。しかし、30万円を超える貴金属や絵画、宝石、骨董品などは対象にならないため注意が必要です。
また、火災保険とセットでないと加入ができない地震保険には、いくつかの問題点が挙げられています。家財における地震保険の上限金額は1000万円までとなっていて、かつ一緒に加入している火災保険の契約金額の30~50%までしか支払われません。実際に受け取れる保険金額は、全損・半損・一部損という3つの損害のレベルによってそれぞれ保険金額の100%・50%・5%が支払われます。
たとえば、火災保険の保険金額を上限の1000万円まで設定したとしても、全損と鑑定された場合でも地震保険では500万円までしか補償されないため、火災保険料に比べて地震保険料がリスクに対して割高だといえます。火災保険料と地震保険料を合わせると、火災保険の単独加入より倍近くの保険料になります。
そもそも地震保険の趣旨が、「被災者の生活の安定に寄与する」ことであり、「被災物件の復旧」を目的とする火災保険とは根本的に異なります。地震保険が被災住宅の再建を第一に作られた制度ではないということを、再確認する必要があるでしょう。
3.11以降、注目が集まるようになった地震保険

このように決して万能な保険とはいえない地震保険ですが、最近の地震保険加入の付帯率は年々増加傾向にあります。損害保険料率算出機構が実施している「都道府県別地震保険付帯率の推移」によると、東日本大震災後の2011年度から2012年度にかけては、全体で5.6%も増加しています。
巨大地震のリスクが懸念される中、今後も付帯率は伸び続けるでしょう。震災後、地震保険の支払総額は1兆530億超まで達しました。保険会社の迅速な対応で、地震発生から4ヶ月も経たない期間で約9割の支払いを終えていたそうです。自宅の焼失によって保険証券を紛失した人の問合せに応じる、請求されていない契約者には保険会社の方から連絡をとって未払いのままにしないなど、保険会社の親切な取り組みが高く評価されています。
地震保険に入るかどうかは、最終的には現在の貯蓄や家庭環境、住環境などを考慮して検討する必要があります。賃貸物件だと建物に何かあっても大家さんが負担するので、被災することで多額の借金を背負うことにはならないでしょう。
しかし、家財一式を買い直したり、新たに賃貸住宅を借りて引越したりする場合、数十万~数百万程度のまとまったお金は必要です。もしもの時に備えて貯蓄している人も多いと思いますが、そうでない人は貯蓄できる家計に改善しつつ、地震保険への加入も検討してみてはいかがでしょうか。
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よくある質問
Q.1:賃貸契約の時に入る火災保険だけで、地震への備えは十分ですか?
A.1: いいえ、十分ではありません。賃貸契約で加入する火災保険の多くは、地震を原因とする火災や損害は補償の対象外です。地震に備えるには、火災保険に加えて「地震保険」に加入する必要があります。
Q.2:地震保険は、火災保険と何が違うのですか?
A.2: 火災保険は、火災などで損害を受けた家財などを元に戻すための保険です。一方、地震保険は、地震で被災した後の当面の生活を支えるためのお金(生活再建資金)を確保することを目的としています。目的が違うため、受け取れる保険金額も異なります。
Q.3:賃貸でも地震保険に入った方がいいのでしょうか?
A.3: ご自身の判断になりますが、加入を検討する価値は十分にあります。賃貸物件の「建物」の損害は大家さんの保険でカバーされますが、お持ちの家具や家電などの「家財」はご自身で備える必要があります。万が一の時、家財を買い直したり、引っ越したりする費用に不安がある方は、加入を検討してみましょう。
Q.4:地震保険では、どのようなものが補償の対象になりますか? 逆に対象外のものは?
A.4: 主に、テレビや冷蔵庫などの家電、タンスや食器棚などの家具が補償の対象です。ただし、1個または1組の価格が30万円を超える貴金属・宝石・骨董品や、自動車、有価証券などは対象外となるため注意しましょう。
Q.5:もし地震で家財がすべて使えなくなったら、保険金はいくら受け取れますか?
A.5: 地震保険で受け取れる保険金には上限があります。上限額は、火災保険で設定した家財の保険金額の30~50%の範囲内で決まります。たとえば、火災保険の家財保険金額が1,000万円の場合、地震保険で受け取れる金額の上限は、その50%にあたる500万円となります。
Q.6:地震保険だけで加入することはできますか?
A.6: いいえ、できません。地震保険は、必ず火災保険とセットで加入する必要があります。
Q.7:なぜ地震保険だけでは、損害額の全額が補償されないのですか?
A.7: 地震保険は、損害を元通りに直す「復旧」が目的ではなく、被災後の「生活の安定」を支えることを第一の目的としているためです。そのため、損害のすべてを補償するのではなく、当面の生活を立て直すためのお金が支払われる仕組みになっています。
Q.8:地震保険の保険料は、火災保険と比べて高いですか?
A.8: はい。火災保険とセットで加入するため、保険料は高くなる傾向があります。契約内容によっては、火災保険のみの場合と比べて倍近くなることもあります。支払う保険料と、万が一の時に受け取れる補償内容をしっかり比較して、加入を検討することが大切です。
Q.9:貯金があまりないのですが、それでも地震保険に入った方がいいですか?
A.9: 貯金が十分でない方こそ、加入を検討する価値があるといえるでしょう。地震で家財を一度に失うと、買い直しや引っ越しでまとまった費用が必要になります。貯金だけでまかなうのが難しい場合でも、毎月の保険料を支払うことで万が一の大きな出費に備えることができます。
Q.10:東日本大震災のような大きな災害の後でも、保険金はきちんと支払われますか?
A.10: はい。たとえば東日本大震災の時には、各保険会社が連携して迅速な支払いに努め、約4ヶ月で9割近い契約者への支払いを完了させた実績があります。保険証券を紛失した場合の対応や、保険金の請求案内などもていねいに行われました。
更新日: / 公開日:2016.08.23










