一人暮らしの高齢者の家に、地方から出てきた赤の他人の学生が一緒に住むという「異世代ホームシェア」が広がり始めています。

高齢者にとっては、話し相手や若い人がいる安心感があり、学生にとっては家賃の安さに加え、一人暮らしの寂しさを埋めてくれることがメリットです。さらに、独居高齢者が増加している社会課題を解決する手段になるとして、行政からも期待されています。

異世代ホームシェアの社会背景や、メリット・デメリットについて解説します。
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シェアハウスが流行するなど、若者の間で一つ屋根の下で生活をシェアする文化は急速に浸透してきました。現在のシェアハウスは、10代・20代など同世代で一緒に住むことが一般的です。その一方、異世代ホームシェアは高齢者と学生が同居するという新しいシェアのスタイルです。欧米では広がっていますが、日本では始まったばかりで注目を集めています。

 

異世代ホームシェアはNPOなどが中心となって事業展開をしています。まず、NPOが一人暮らしで空き部屋を貸してくれる高齢者と、安く家を探している学生を募集します。募集があってもすぐに同居が始まるのではなく、両者のマッチングを行います。NPOのコーディネーターが双方の希望を聞いた上で、同居に問題がないかどうかを判断してマッチングをしていきます。一般的な賃貸物件とは違い、両者の相性を見極めることが重要です。

 

もう一点、異世代ホームシェアの特長として、アフターケアの充実が挙げられます。住み始めてから、同居終了までコーディネーターが定期的に面談をして、第三者的な立場から相談に乗ってくれます。

 

日本では、東京都文京区や世田谷区などでNPOが事業を始めています。先進的な事例として、福井大学と福井県社会福祉協議会が協働して異世代ホームシェアを行っている事例もあります。

 

シェアハウスは同世代で住むのが一般的

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異世代ホームシェアをするメリットは、まず高齢者にとっては、若い学生がいることで治安面での安心感があげられます。ホームシェアを経験した高齢者からは、夜になって学生が帰ってくるとほっとするという声もありました。また、生活面で頼りになることも多いと言います。高いところのものを取ったり、電球を替えたり、重いものを運んだりといったことは高齢者にとっては重労働です。それを学生に気軽に頼めることで、生活が楽になります。

 

さらに、国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、一人暮らしで65歳以上の男性は2週間ほとんど誰とも話さない人が、約6人に1人いることが明らかになっています。そうした高齢者にとってみれば、一緒にご飯を食べたりテレビを見たりする話し相手がいるだけで嬉しいことです。

 

一方、デメリットとなる可能性として、騒音や生活スタイルの違いが考えられます。学生が家に友人を連れてきて遅くまで騒ぐと睡眠を阻害されてしまいます。お互いに生活の時間が違うことでストレスに感じることもあるでしょう。こうした課題については、事前に何時以降は音を出さないことや、急に友人を連れてこないなどある程度のルール決めをすることが大切です。それでも問題が解決されない場合には、コーディネーターに相談することができます。

 

 

次に、学生にとってのメリットです。地方から出てくる学生にとって、大学生活のスタートに加え見知らぬ土地での一人暮らしは不安要素がたくさんあるでしょう。一人暮らしの不安を解消するために、シェアハウスを選択する人も多いです。しかし、シェアハウスの家賃は一人暮らしと比べて特別安くなるわけではありません。

 

そこで、異世代ホームシェアが学生にとって大きなメリットとなります。家賃が安く済むというメリットに加えて、初めての一人暮らしに実家のような安心感を与えてくれます。地域とのつながりがある高齢者も多いため、学生1人では入って行きづらいコミュニティに溶け込むことができる点も良い経験になります。

 

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異性代ホームシェアが、当事者だけでなく社会全体や行政にも注目されているポイントは、独居高齢者の課題解決を期待されているからです。2015年の厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、1人で暮らす65歳以上の高齢者が600万人を超えたと発表されています。

 

1人で住む高齢者の家に学生が同居すれば、何かあったときに頼りになるでしょう。フランスで異世代ホームシェアが広がったのは、2003年の熱波によって多くの高齢者が亡くなったことが背景にあります。誰にも知られずに亡くなっていく高齢者の数を減らすためにも、異世代ホームシェアのような取り組みが広がっていくことは重要です。

 

さらに、学生は普通に生活をして一緒に話しているだけで、社会課題に貢献していることにつながります。家賃を安くしたいという自分にとってのメリットが社会貢献になるのであれば一石二鳥ではないでしょうか。

 

日本では、異世代ホームシェアは始まったばかりです。今後事例が増えてくると共にトラブルが発生するなど、さまざまな課題も出てくるでしょう。しかし、高齢者・学生・日本社会の三者にとってそれぞれにメリットのある良い取り組みのため、海外の事例も参考にしながら、さらに広がっていくことが期待されます。

 

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更新日: / 公開日:2016.09.06