家賃を滞納している場合でも、物件の管理状態や大家さんの事情によっては、なかなか連絡がこないケースもあります。しかし、連絡がこないからといって、滞納した状態を放置すれば重大な事態に発展することもあるので注意が必要です。
今回は家賃滞納を放置するリスクとその後の流れ、滞納してしまったときの対処法について詳しく見ていきましょう。
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家賃を滞納する4つのリスク

家賃を滞納し続けることには、当然ながらリスクが付きまといます。ここではまず、家賃滞納によって発生するリスクを4つに分けて確認しておきましょう。
信用情報に傷がつく
家賃保証会社を利用している場合、家賃が滞納されると保証会社が代わりに支払いを行うこととなります。その状態のまま放置すると、金融事故として信用情報に傷がつき、その後の生活に大きな影響を及ぼしてしまいます。
「次の入居審査が通りにくくなる」「スマホなどの分割払いができなくなる」「ローンやクレジットカードが利用できなくなる」など、大きなリスクが発生するので注意が必要です。
緊急連絡先に連絡がいく
保証会社ではなく連帯保証人を利用している場合、緊急連絡先として連帯保証人に連絡がいくこともあります。連帯保証人が家賃を立て替えれば、大家さんとのトラブルは解消しますが、連帯保証人を引き受けている親族や関係者には多大な迷惑をかけてしまうこととなります。
遅延損害金が請求される
家賃の滞納が発生し、保証会社が代わりに立て替えた場合には、滞納期間に応じた遅延損害金を請求されてしまいます。もとの家賃に上乗せする形で返済を求められるので、金額面でも損をすることとなります。
強制退去や差押えの対象となる
滞納している状態が長期化すると、物件の明け渡しを求められることとなります。また、滞納分の家賃を支払えない場合は、給与などの財産を差し押さえられる可能性もあります。
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家賃滞納から強制退去となるまでの流れ

家賃を滞納してしまったとしても、すぐに強制退去させられるわけではありません。早い段階で手を打てば、引き続き借りている部屋に住み続けることも可能です。
ここでは、家賃の滞納からどのように強制退去まで至るのか、全体的な流れを見ていきましょう。
支払いの催促
家賃の滞納が発生した場合、まずはきちんと支払うように、管理会社や大家さんから催促されます。うっかり忘れや一時的な口座残高不足の可能性もあるため、まずは口頭や手紙、メールなどで直接知らせてもらえるのが一般的です。
この段階で支払いを済ませれば、特に大きな問題に発展することはありません。
連帯保証人への連絡
催促を行っても家賃が支払われない場合、連帯保証人に連絡が入ります。連帯保証人は、部屋を借りている人と同じように家賃を支払う責任を負うため、大家さんから催促されれば支払いを拒むことはできません。
この時点で、連帯保証人には家賃滞納が知られると同時に、支払いの面で迷惑もかけてしまうこととなります。そのため、万が一滞納してしまった場合でも、催促が行われた時点で速やかに支払いを済ませることが重要です。
なお、保証会社を利用している場合は、連帯保証人の代わりに保証会社が支払いを行います。以降の督促や手続きは保証会社が引き継ぐこととなり、遅れた家賃に対しては遅延損害金が発生します。
内容証明郵便による契約解除通知
3~4ヶ月程度の長期にわたって家賃の滞納が続く場合には、大家さんから内容証明郵便で契約解除の通知が送られます。契約解除の通知とは、平たく言えば「このまま滞納が解消されなければ退去してもらいます」というメッセージです。
強制退去を食い止めるためには、契約解除通知を受け取った時点で、速やかに滞納分の家賃を支払わなければなりません。
法的手続きの実行
契約解除通知を受けても家賃を支払わず、借りている部屋に住み続けていると、裁判などの法的手続きへ発展します。借主が滞納している以上、裁判では基本的に大家さんが有利となりますが、「いつまでに○○の形でお金を工面し、家賃を支払う」と約束することで和解に応じてもらえるケースもあります。
強制退去・差押え
裁判によって和解ができなければ、借りている物件は退去せざるを得なくなります。しかし、退去する場合であっても、滞納した家賃の支払い責任が解消されるわけではありません。
滞納分を支払えなければ、裁判所の職員である執行官に、給与などの財産を差し押さえられることとなります。このように、強制退去・差押えまでにはいくつかステップがあり、滞納してもすぐに部屋を追い出されてしまうというわけではありません。
早めに対処するほど、その後の影響も小さく抑えられるため、連絡がこないからといって放置するのは厳禁です。
家賃を滞納したときの対処法

家賃は期日までに確実に支払うのが前提ですが、場合によっては、病気や事故などのやむを得ない事情で遅れてしまうこともあります。ここでは、家賃を滞納してしまう場合の対処法について確認しておきましょう。
速やかに連絡・相談をする
まずは、「家賃が支払えないと分かった時点」で管理会社や大家さんに連絡を入れ、誠実に事情を説明することが大切です。遅れても必ず支払うという意思を伝え、給与の支給日などを踏まえて、支払期日を明確に伝えましょう。
誠実に対応したうえで、事情を明らかにすれば、支払いを待ってもらえる場合もあります。
立て替えや融資の利用を検討する
連帯保証人を立てている場合は、大家さんや管理会社から連絡がいく前に、自分で事情を説明しておく方がスムーズです。トラブルになるのを避けるために、支払期日を明確にしたうえで、立て替えて支払ってもらえるようお願いをしてみるのもよいでしょう。
また、やむを得ない事情で一時的に収入が途絶えてしまった場合は、公的な支援制度を活用するのも一つの方法です。社会福祉協議会を通じて公的融資を申請することで、緊急の資金を調達できる場合があります。
ただし、融資を受けるためには一定の条件を満たしたうえで、正しい手続きを行う必要があります。誰でも無条件で借りられるというわけではないため、早い段階で窓口に相談をして、利用できるかどうかを調べてもらうとよいでしょう。
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収入に見合った部屋を借りよう

今回ご紹介したように、家賃の滞納にはさまざまなリスクがあり、信用情報に傷がつけばその後の生活にも大きな影響を及ぼします。収入に見合わない家賃の物件に住み続ければ、生活に不安が生まれ、精神的な負担にもつながってしまうでしょう。
一般的に、家賃は手取りの3分の1を超えない程度が目安とされています。手取り収入に対して家賃が高すぎる場合は、引越しを検討してみることも大切です。
引越しには初期費用がかかりますが、敷金・礼金などがかからない物件やフリーレント(入居後の一定期間の家賃が免除される)の物件などもあります。家賃の滞納を避けるためにも、収入に見合った物件に住み替え、生活の立て直しを図りましょう。
LIFULL HOME’Sでは、家賃の上限を設定した状態で、住みたいエリアや初期費用に関する項目、設備などの細かな条件を調整しながら効率的に部屋探しが行えます。今の状況にピッタリのお部屋を見つけるために、ぜひご活用ください。
記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:家賃を滞納するとどんなリスクがある?
A:主に、「信用情報に傷がつく」「連帯保証人に迷惑がかかる」「遅延損害金が発生する」などのリスクが発生します。また、滞納が解消されなければ、最終的には強制退去や財産の差押えにまで発展してしまう恐れもあります。
Q:家賃を滞納しそうになったときの対処法は?
A:まずは何よりも大家さんや管理会社へ速やかに連絡し、誠実に現状を伝えることが重要です。事情とともに、いつまでに支払えるのかを明確にすれば、返済を待ってもらえるケースも多いです。
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