一般的な初期費用の内容と相場

賃貸物件の初期費用の目安としては、家賃の4～6ヶ月分程の金額です。

初期費用の項目別に内容と相場を以下の表にまとめました。

 

【初期費用の内容と相場】

項目	内容	相場
敷金	・借主が貸主に支払うお金 ・賃料滞納や原状回復費用の担保の役割 ・借主に過失がなければ返還される	家賃1〜2ヶ月分
礼金	・貸主に支払う謝礼金 ・借主に返還されない ・近年は不要の物件も多い	家賃1ヶ月分
仲介手数料	・仲介した不動産会社に支払う手数料 ・法律で上限は家賃1ヶ月分と規定	家賃の0.5～1ヶ月分＋消費税
前家賃	・翌月分の家賃 ・契約時に前もって支払う	家賃1ヶ月分
保証料	・家賃保証会社に加入するときに支払う保証料 ・退去時に返還されない	家賃＋管理費・共益費の0.5ヶ月分
火災保険料	・損害保険に加入するための保険料 ・多くの物件で加入は必須	1.5万〜2万円
鍵交換費用	・入居時に鍵とシリンダーを交換する際の費用 ・防犯上、新しい鍵に交換しておいた方が安全	1万～2万円

 

近年では、家賃保証会社に加入した際には敷金が不要になる物件も少なくありません。また、賃貸物件の競争が激しくなっていることから、礼金も不要とするケースも多くなりました。

 

仲介手数料の上限は家賃の1ヶ月分と定められていますが、範囲内に収めればよいため、0.5ヶ月分としている不動産会社も存在します。前家賃は必ず発生するわけではなく、物件や入居するタイミングによっては不要な場合もあります。

 

また、近年は連帯保証人ではなく家賃保証会社への加入を条件とする貸主が多い傾向にあります。万が一、家賃滞納が発生しても貸主は保証会社に滞納家賃を立て替えてもらえるため、家賃回収の手間をかけずに済みます。

 

火災保険は大抵の場合、加入が必須条件です。入居者の過失で貸室に損害を与えた場合などは保険金で賠償金をまかなえます。

 

鍵交換は任意の場合もありますが、防犯上、新しい鍵に交換しておくと安心でしょう。

 

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初期費用が安い賃貸物件とは

引越しには高額な費用がかかるため、少しでも初期費用を安く抑えたいものです。初期費用が安い賃貸物件には、以下のようなものがあります。

ここでは、こうした初期費用が安い賃貸物件の特徴と理由について詳しく解説します。

敷金・礼金なしの物件

近年では、賃貸物件の競争が激しくなっていることから、競合との差別化などを理由に“敷金・礼金は不要”とする物件も多く見受けられます。

 

借主にとって敷金や礼金は初期費用のなかでも大きな部分を占めるため、金額の負担を避けられるのがメリットです。初期費用を抑えたい場合は、敷金・礼金なしの物件を選ぶとよいでしょう。

 

ただし、敷金で補填していた部分を家賃に上乗せしている場合があるため、物件選びの際は地域の家賃相場を確認するなど、注意しましょう。

仲介手数料無料または半額の物件

初期費用を抑えたい場合は、仲介手数料が無料または半額の物件を探してみるのもおすすめです。空室対策やキャンペーンとして行われることがあり、意外と多く存在します。

なお、仲介手数料が無料になる理由としては以下が挙げられます。

不動産会社が所有・管理する物件を直接借主に貸す場合は、貸主が自社であるため仲介手数料が発生しません。

 

不動産会社によって異なりますが、仲介手数料は「家賃0.5～1ヶ月分＋消費税」に設定されるケースが一般的です。しかし、空室が長期間埋まらない物件の場合は、貸主が仲介手数料を負担し、仲介手数料を無料とすることも少なくありません。仲介手数料が無料または半額の物件の場合は、何らかの理由があると考えましょう。また、他の費用や条件が不利になっていることもあるため注意が必要です。

訳ありで初期費用を安くしている物件

“立地条件が悪い”“物件が古い”などの理由により入居希望者が少ないため、初期費用が安く設定されているケースもあります。

 

具体的には敷金・礼金をなしにする、フリーレントにして家賃を1〜3ヶ月程度無料にするケースなどが挙げられます。初期費用があまりかからないため、入居しやすい賃貸物件といえるでしょう。

 

ただし、通勤が不便であったり、周辺環境に騒音などの問題があったりすると、日常生活に影響が出る可能性があるため、慎重に検討しましょう。

初期費用を安く抑えるコツ

初期費用を安く抑えるコツとして挙げられるのは以下のとおりです。

それぞれのコツについて解説します。

仲介手数料が安い不動産会社を利用する

仲介手数料を抑えるためには、仲介手数料が安い不動産会社を利用しましょう。

 

不動産ポータルサイトでは各不動産会社が仲介手数料も公表しており、各社の金額設定は同じではありません。同一の賃貸物件を複数の不動産会社が扱っている場合、仲介手数料が安い不動産会社を選ぶことで初期費用を抑えられます。

閑散期に入居する

不動産会社の閑散期に入居すると初期費用を安く抑えられる可能性があります。時期的には6〜8月あたりが狙い目です。

 

賃貸市場が落ち着いている時期は、オーナー側が空室を埋めたい状況になるため、初期費用が安くなる傾向があります。

 

具体的にはフリーレント期間を設けて家賃を1〜3ヶ月無料にする場合や、敷金・礼金をなしにするケースなどです。閑散期は引越し料金も安いため、全体的に入居費用を抑えられるでしょう。

値下げ交渉をする

交渉によって、仲介手数料や礼金を減額できるケースも少なくありません。ただし、繁忙期は入居希望者が多いため、交渉がうまくいかないことが考えられます。値下げ交渉する際は、なるべく閑散期を選んで物件を探すのがおすすめです。

 

また、不動産ポータルサイトを一定期間検索していると、なかなか成約できていない賃貸物件が見つかる場合があります。空室期間が長引いている物件は、家賃の値下げ交渉もしてみましょう。貸主としては早めに空室問題を解消したいため、承諾してもらえる可能性があります。

 

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初期費用が安い物件の探し方

初期費用が安い物件を不動産ポータルサイトで探す際には、以下の条件で検索します。

不動産ポータルサイトには、賃貸物件のこだわり条件として上記のような項目が特集されていることがあります。敷金・礼金がかからない物件では、初期費用を大きく抑えることができるので確認してみましょう。またフリーレント物件の特集では、一定期間の家賃が無料になる物件が掲載されています。入居してから1〜3ヶ月の家賃が無料になるのが主流です。

 

家具付き・家電付きの物件には、日常生活に最低限必要とされる家具や家電が貸室に備わっています。ベッドやテーブル、冷蔵庫やテレビなどを購入せずに済むため、新生活にかかる費用を節約できます。ただし、家賃が高めに設定されているケースが多いので、短期間での賃貸借契約を考えている人におすすめです。

 

目当ての条件に合う物件を逃さないよう、新しい物件情報は定期的にチェックしましょう。

 

家具付き・家電付きの物件

まとめ

賃貸物件に入居する際にかかる費用を少しでも抑えるには、初期費用が安い賃貸物件を見つけることが有効です。敷金・礼金ゼロや、仲介手数料が無料・半額の物件を探してみましょう。時期的には不動産会社の閑散期である6〜8月に物件探しをするのがおすすめです。

 

この時期に不動産ポータルサイトに掲載されている賃貸物件は、交渉によって家賃や敷金・礼金などの初期費用を減額できる可能性があります。貸主としては少しでも早めに空室を解消しておきたいため、値下げ交渉に応じてくれる可能性があるからです。

 

貸主が初期費用を安くしてくれる場合は、空室が埋まらない事情があるかもしれません。不動産会社に物件の内容をよく確認してから契約するようにしましょう。

 

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