アパートの2階以上に住むときは、階段を利用して移動するのが一般的です。しかし、買い物をした後や引越しのとき、または高齢者が住む場合には、階段の上り下りが大変なこともあります。

そこで気になるのはエレベーター付きのアパートがあるのかどうかです。この記事では、エレベーター付きアパートの実情や探し方、注意点について詳しく解説します。

エレベーター付き物件バリアフリー賃貸物件

 

アパートはマンションに比べて、エレベーターの設置率が低いのが一般的です。しかし、近年では特定の条件を満たすアパートにエレベーターが設置されるケースも増えています。

 

アパートにエレベーターが設置されていない理由としては、以下の3つの点が考えられます。

  • 構造上の問題
  • スペースの問題
  • コストの問題

木造や軽量鉄骨造で建てられるアパートでは、構造上エレベーターを設置するために建物の補強が必要です。

 

この補強作業には多額の費用がかかるだけでなく、エレベーターを設置するためのスペースも確保しなければなりません。

 

その結果、建設費用が大幅に増加してしまうため、コストパフォーマンスを重視するアパートではエレベーターが設置されないケースが一般的です。

 

たとえば、2階建てや3階建ての木造アパートは、建物自体が軽量であるため、大規模な補強を行わない限りエレベーターの設置が難しいとされています。

 

また、エレベーター設置のためのスペースを確保することで、居住スペースが狭くなる点も課題のひとつです。

 

このような理由から、多くのアパートでは居住者の生活スタイルに応じ、階段のみを利用する設計が多く見受けられます。

 

主に高齢者や身体に障がいを持つ人を対象としたバリアフリー仕様のアパートには、エレベーターが設置されるケースもあります。

 

こうしたアパートでは、生活のしやすさを優先し、エレベーターを設置することが一般的です。

 

さらに高齢者専用のバリアフリーアパートでは、車いすや歩行補助具を利用する人でも安心して暮らせるよう、エレベーターのほかに玄関や廊下の幅を広く設計するなどの工夫が施されています。

 

また、各階への移動がスムーズに行えることで、買い物や通院など、日常生活において外出が必要な場面でも負担を軽減できる点がメリットです。

 

なお、3階建て以上の高齢者向けアパートについては、建築基準法などに基づき、エレベーターの設置が義務付けられています。

(加齢対応構造等である構造及び設備の基準)

第三十四条 法第五十四条第一号ロの国土交通省令で定める基準は、次に掲げるものとする。(八のみ抜粋)

八 階数が三以上である共同住宅の用途に供する建築物には、原則として当該建築物の出入口のある階に停止するエレベーターを設置すること。

参考資料:e-gov法令検索|高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則|加齢対応構造等である構造及び設備の基準

 

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エレベーター付きのアパートを探すには、以下の方法があります。

  • 不動産情報ポータルサイトから探す
  • 地域の不動産会社で直接確認する

不動産情報ポータルサイトで「エレベーター付き物件」を選択すれば、条件に合ったアパートを絞り込むことが可能です。所在地、家賃、間取りなどの詳細条件を入力するだけで、候補をすぐに確認できます。

 

また、ポータルサイトでは情報が頻繁に更新されるため、新着物件を見逃すことなく検索できるのも魅力のひとつです。

 

ほかにも地域の不動産会社を訪問して直接確認する方法も有効です。不動産会社では、サイトに掲載されていない物件情報や詳細な周辺環境について教えてもらえる場合があります。

 

ポータルサイトで候補を探しつつ、不動産会社で詳細を確認するという二段構えの方法を取ることで、希望条件に合うエレベーター付きアパートを効率よく見つけられるでしょう。

 

エレベーター付き物件 バリアフリー賃貸物件

 

ここでは、エレベーターのないアパートに住むメリットとデメリットを具体的に解説します。

家賃が比較的安い

 

エレベーターがないアパートは、家賃が比較的安い傾向にあります。エレベーターの維持管理費や電気代が不要であるため、物件全体のコストが抑えられるからです。

 

特に予算を重視して住まいを選ぶ人にとっては、大きな魅力といえるでしょう。たとえば、エレベーター付きの物件と同じエリア・間取りで比較すると、数千円程度の差が出るケースもあり、年間で考えると大きな節約になります。

運動の機会が増えて健康維持につながる

 

エレベーターがないことで、毎日の階段の上り下りが必要になり、自然と運動の機会が増えます。特に、忙しい日常のなかで運動する時間を確保しにくい人には、効率的な健康維持の方法となるでしょう。

 

たとえば、3階に住む場合、1日に数回階段を利用するだけでも適度な運動になります。

 

こうした小さな積み重ねが、長期的には体力向上や健康維持に役立つ可能性があります。特にデスクワーク中心の生活を送る人には効果的といえるでしょう。

エレベーター待ちのストレスがない

 

エレベーターがないため、待ち時間を心配する必要がありません。特に忙しい朝の通勤時やエレベーターが混み合う時間帯には、そのメリットを感じることが多いでしょう。

 

階段だけの建物では、時間を無駄にせずに移動できるため、効率を重視する方にとって大きな利点となります。

 

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引越しや大きな買い物の際が大変

 

エレベーターのないアパートの場合、引越しや大型家具・家電の搬入が大変になります。階段を利用しての搬入作業は労力がかかるため、引越し会社に依頼する場合、追加料金が発生することがあります。

 

特に冷蔵庫やソファのような大きくて重い物は、搬入の難易度が上がるため、引越し時に「高層階オプション」として別料金を請求されるケースも珍しくありません。

 

そのため、搬入費用の増加や作業の負担を考慮し、事前に引越し会社と詳細を確認しておくことが重要です。

雨天や雪の日など滑りやすい日は危ない

 

雨や雪の日には階段が滑りやすくなり、転倒のリスクが高まります。特に荷物を持っている場合、バランスを崩しやすくなるため十分な注意が必要です。

 

たとえば、大きな買い物袋や傘を持ちながら階段を下りる際などは足を滑らせて怪我をするリスクが高くなります。夜間や照明が不十分な場合には、さらに危険性が増します。

 

雨や雪の日には、滑りにくい靴を選ぶなどの安全対策を心がけることが大切です。

毎日の上り下りで身体に負担がかかる

 

エレベーターがない場合、階段の上り下りが毎日の負担となることがあります。特に体力に自信がない人やリモートワークが多く運動不足になりがちな人は、つらく感じることがあるでしょう。

 

3階や4階に住む場合、買い物帰りに重い荷物を持ちながら階段を上るのは一苦労です。また年齢や健康状態によっては、この負担が体調に悪影響を及ぼす可能性もあります。

 

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エレベーター付きのアパートは、特定の条件を満たす物件であれば見つけることが可能です。

 

エレベーターのないアパートにはコスト面や健康面でメリットがありますが、日常生活で不便さを感じるデメリットも存在します。

 

住まい選びでは、ご自身の生活スタイルや優先事項をしっかりと見極めたうえで、慎重に検討することが大切です。

 

エレベーター付きのアパートを探す際には、不動産情報ポータルサイトを活用しましょう。

 

LIFULL HOME’Sでは、「エレベーター付き物件」に絞って簡単に検索できます。ぜひ、これらの情報を参考にしながら、理想の住まいを見つけてください。

 

エレベーター付き物件 バリアフリー賃貸物件

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