これから同棲を始めるカップルは「あの街に住んでみたい」「こんな間取りの部屋で暮らしてみたい」など期待に胸を膨らませているでしょう。その一方で、何から始めればよいのか分からないと不安を感じている人もいるかもしれません。
二人暮らしの部屋選びで後悔しないためには「希望条件」「通勤時間」「周辺環境」などを考慮して話し合うことが大切です。
そこでこの記事では、二人暮らしの部屋選びで重要視すべきポイントについて詳しく解説します。
新婚・同棲にぴったりな物件
二人暮らしに適した間取りとは?

一口に二人暮らしといっても、それぞれの「生活スタイル」によって適した間取りは異なります。まずは、間取り別に向いている人について見ていきましょう。
1DK・1LDKはパートナーとなるべく一緒にいたい人向き

左/1DK、右/1LDK
1DKは、居室1部屋とDK(ダイニング・キッチン)のある間取り、1LDKは居室1部屋とLDK(リビング・ダイニング・キッチン)のある間取りです。
部屋数が少ないため、二人それぞれの部屋を確保することはできませんが、パートナーと一緒にいる時間は増えるでしょう。
また、2LDKなどの部屋数が多い物件に比べると、家賃は低めに設定されています。そのため、「家賃を抑えつつ、リビングとは別に1部屋欲しい」という人におすすめです。
新婚夫婦やカップルなど、長い時間一緒にいてもストレスを感じにくいのであれば、1DKや1LDKで快適に生活できます。
1DKの物件 1LDKの物件
2DK・2LDKは一人の時間が欲しい人におすすめ

左/2DK、右/2LDK
2DKや2LDKは、DKやLDKのほかに居室が2つある間取りです。二人暮らしでも、それぞれの部屋を確保できるため、一人の時間も大切にできます。そのため「友人や兄弟でルームシェアする」場合でも快適に生活できるでしょう。
また、部屋数が多いことで、ライフスタイルの変更に柔軟に対応できます。たとえば、将来結婚して子どもが増えた際にも、子ども部屋として活用できるでしょう。
そのため、長く住める部屋を探しているカップルや新婚夫婦にもおすすめの間取りです。
2DKの物件 2LDKの物件
二人暮らしの部屋選び、確認しておきたい項目

続いて、部屋を借りるうえで確認しておきたい項目について解説します。住んでから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、これから紹介するポイントを確認しておきましょう。
家賃
家賃は、部屋を借りている限り払い続けるものなので、毎月無理なく払える金額であることが重要です。
家賃の目安については後述しますが、妊娠や出産、ケガ、転職などによって、収入が減少することも考えられます。万が一のケースを想定したうえで、お互いにゆとりのある予算計画を立てましょう。
築年数
築年数が古い物件は、新築や築浅物件に比べると家賃が安い傾向にあります。しかし、築年数を重ねている物件は設備の老朽化が進み、古さや不便さを感じることがあります。
特に水回りは経年劣化が目立ちやすく、生活の快適さを大きく左右してしまうことも。入居前の内見時に設備の状態や性能を必ず確認しましょう。
なお、築年数が古くてもリフォームやリノベーション(設備や機能面などの向上を目的とした改修)されている物件も数多く存在します。そのため、築年数だけにとらわれずに、自身の目で確認して判断することが大切です。
建物の構造
建物の構造は、以下の4種類に分けられます。
- 木造
- 鉄骨造
- 鉄筋コンクリート造
- 鉄筋鉄骨コンクリート造
構造によって生活音や振動の伝わり方、耐震性などが異なります。日々の生活に大きく影響する要素であるため、確認しておきましょう。
たとえば、木造と鉄筋コンクリート造を比較すると、鉄筋コンクリート造の方が耐震性・耐熱性・防音性に優れています。その分、鉄筋コンクリート造の建物は家賃が高くなるため、予算や希望条件に合わせて選びましょう。
設備
物件を選ぶ際は生活の利便性を考慮して、以下の設備を確認するようにしましょう。
- コンロの数
- 収納スペースの数・広さ
- コンセントの数・位置
- キッチンの広さ
- 独立洗面台の有無
- 追いだき機能の有無
- オートロックの有無
特に、二人暮らしの場合は「収納スペース」をしっかりと確認しておきましょう。収納スペースが足りなければ、リビングなどの部屋に荷物を置くことになり、生活スペースが狭くなってしまいます。
周辺環境
長く住むことを考えると、周辺環境は必ず確認しておくべき項目です。どのような環境で生活したいか、何を優先するかを二人でしっかりと話し合っておきましょう。
なお、新婚夫婦であれば、将来の子育てを考慮して、治安のよい住宅街や近くに公園がある物件を選ぶことをおすすめします。
一方、お互いが仕事などで帰宅が遅い同棲カップルであれば、近くに遅くまで営業しているスーパーマーケットや飲食店などがあると便利でしょう。
このように、住む人によって物件に求める条件はさまざまです。そのため、それぞれのライフスタイルに合わせて周辺環境を確認するようにしましょう。
交通アクセス
通勤・通学のしやすさも重要です。移動時間を短縮できれば、二人で過ごす時間が増え、仕事や学業にも集中しやすくなります。また、休日も外出しやすく、暮らしがより豊かになるでしょう。
まずは、住みたい物件から目的地までのルートを把握しましょう。電車の乗り換えや駅までの行き方なども考慮して、どちらか一方だけに負担がかからないように配慮することが大切です。
なお、車を所有している人は、周辺の道路や駐車場なども確認しておくとよいでしょう。
二人暮らしの部屋選びのポイント

一人暮らしの部屋選びでは自分の判断だけで決められますが、二人暮らしになるとそうはいきません。
どちらかに負担が偏れば、けんかの原因になりかねないため、「二人で協力」して取り組むことが重要です。
入居後に後悔しないためにも、これから紹介する部屋選びのポイントを考慮し、二人で話し合って決めましょう。
二人で内見を行う
内見は、可能な限り二人で行いましょう。二人で確認することで、お互いが抱く懸念点をその場で話し合えます。その結果、二人に適した物件を見つけやすくなります。
また、それぞれの視点で部屋の隅々まで確認できるため、一人では気づけなかった部分もチェックできるようになります。
ゆとりのある予算計画を立てる
新生活を楽しいものにするためには、無理のない予算計画を立てることが重要です。ひとつの目安として、家賃は手取り収入の「3割程度」に抑えるようにしましょう。
たとえば、合計の手取り収入が30万円の新婚夫婦であれば9万円まで、手取り収入が40万円のカップルであれば12万円までといったイメージです。
家賃は契約時の「初期費用」にも大きく影響します。初期費用の多くは、家賃の何ヶ月分と設定されているため、家賃を抑えれば初期費用も節約することが可能です。
また、住み始めてから2~3年後には「更新料」の支払いが必要となる物件もあります。更新料は一般的に家賃の1ヶ月分です。 そのため、更新料のある月は家賃2ヶ月分の支払いが必要になると覚えておきましょう。
このように、賃貸物件を契約するにはまとまった費用が発生します。滞りなく賃料を支払い続けるためにも、二人の収入に見合った家賃の物件を選び、日頃から貯蓄を心がけておくことが大切です。
なお、二人暮らしの生活費や家賃の目安については、以下の記事で詳しく解説しています。気になる人はぜひ確認してみてください。

家賃が発生するタイミングを確認する
引越し先が決まったものの、今住んでいる部屋をまだ解約していないという人もいるでしょう。できる限り家賃の二重払いは避けたいところですが、支払いが発生するタイミングは物件ごとに異なるため、正しく理解しておくことが大切です。
一般的に、不動産会社がいう「入居日」とは住み始める日ではなく、「家賃が発生する日」を指します。
そのため、入居日=住み始める日にしたい場合は、事前に不動産会社に入居希望日を伝えておくことが大切です。
適切な不動産会社を選ぶ
物件探しを成功させるには、適切な不動産会社を選ぶことも重要です。不動産会社によって、得意としているエリアや客層、サポート内容は異なります。
親身になってくれる不動産会社であれば、入居後に万が一トラブルが起きた際も安心して相談できるでしょう。そのため、事前に口コミや評判などを確認しておくことをおすすめします。
また、不動産会社の「免許更新回数」も併せて確認しておくとよいでしょう。宅地建物取引業法では「5年に1回」の免許更新が必要と記載されています。 これらは、各不動産会社のホームページや名刺などで確認できます。
たとえば、「国土交通大臣(1)」の場合、括弧内の数字が1であれば免許を取得してから5年未満となります。一方で「国土交通大臣(2)」の場合、括弧内の数字が2であれば5~10年未満となり、ひとつの判断材料として捉えられるでしょう。
また、営業担当者によっても知識や経験、提案力に差が生まれます。言葉遣いや接客態度、レスポンスの早さなどに注目して、信頼できる相手かを見極めましょう。
なお、不動産会社選びのポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。気になる人はぜひご一読ください。

まとめ

二人暮らしにおける部屋選びのポイントは、希望条件や優先順位を二人で共有することです。
また、1DKや1LDKの物件のなかには「二人暮らし不可」という物件もあるため、あらかじめ不動産会社に確認しましょう。
間取りや周辺環境、設備、家賃など、二人で話し合う項目は多いですが、しっかり話し合ったうえで物件を選べば、お互いに快適に過ごせます。二人で協力しながら、生活スタイルに合ったすてきな物件を見つけてください。
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