同棲生活を快適に送るためには、お互いの価値観やライフスタイルなど、さまざまな点を考慮したうえで部屋割りを決める必要があります。

今回は二人暮らしに適した広さや間取りタイプを紹介したうえで、それぞれの間取りタイプについて特徴や家賃相場、部屋割りの事例を解説します。

新婚・同棲にぴったりな物件

同棲に適した広さと間取りタイプ

 

まずは、二人暮らしに適した広さと間取りタイプについて詳しく見ていきましょう。

 

国土交通省の「住生活基本計画における居住面積水準」では、住まいに適した面積の基準が世帯人数別に示されています。

 

それによると、二人暮らしに最低限必要な広さ(最低居住面積水準)は30平米ゆったりスペースを確保できる広さ(誘導居住面積水準・都市型)は55平米となっています。

 

30~55平米の物件には、大きく分けて1DK、1LDK、2K、2DK、2LDKの間取りタイプがあります。

 

間取りは、あくまでも居室数などを示す情報なので、実際の広さを正確に把握できるわけではありませんが、おおむね「居室は1~2つ」「キッチンの広さが物件ごとに異なる」といった特徴が挙げられます。

 

ただ、1DKは二人暮らしにはやや狭く感じられ、「家賃を抑えたい場合」「とにかく立地にこだわりたい場合」でなければ、別の間取りを選ぶ方が住みやすいと感じられるでしょう。

 

ここからは、1DK以外の4つの間取りタイプについて、主な特徴や部屋割りの例を紹介していきます。

間取り図

1LDKは「居室1つ+8畳以上のLDK(リビングダイニングキッチン)」がセットになった間取りです。

 

同棲するうえでのメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット

デメリット

・比較的築浅の物件が多い

・一緒にいられる時間が増える

・広々としたリビングを確保できる

・プライベートスペースを確保しにくい

・収納スペースが不足しがち

居室が1つしかない分、リビングを広くとれるので、「常に一緒にいたい」と感じるカップルに向いている間取りといえます。

 

また、LDKと居室が隣接しているタイプなら、扉を開放することで広々とした空間を確保することも可能です。

 

一方、それぞれのプライベート空間は確保しにくいので、生活サイクルや衛生面での価値観が異なる場合には、ケンカの原因となってしまうこともあります。

 

また、居室が1つしかないので、収納スペースが不足してしまいやすい点にも注意が必要です。

 

LIFULL HOME’Sの「家賃相場」サービスでは、市区町村や間取りごとに家賃相場を調べることができます。

 

東京都のいくつかのエリアの1LDKの家賃相場を簡単にまとめてみました。

市区

家賃相場

渋谷区

21.46万円

新宿区

17.96万円

豊島区

14.49万円

中野区

14.99万円

杉並区

14.00万円

足立区

10.34万円

葛飾区

10.16万円

立川市

11.55万円

八王子市

11.10万円

町田市

9.90万円

※2022年9月時点、駅徒歩10分以内にある物件の平均賃料を軸に算出(以下同)

 

都心部エリアでは10万円台後半~20万円台23区の山の手エリアでは15万円前後下町エリアでは10万円程度が相場といえます。

 

また、町田市といった一部の市部では、10万円以下でも十分に1LDKの部屋を探せる範囲であることが分かります。

 

1LDKでは、基本的には二人共同で寝室を使うことになります。6畳程度の広さがあれば、ダブルベッドと収納ダンスを設置することができます。

 

8畳以上あるなら、シングルベッドを2つ設定してもまだ余裕があるので、レイアウトのバリエーションは一気に広がるでしょう。

 

また、リビングには2人掛けのソファとローテーブル、2~4人用のダイニングテーブルなどを設置できます。

 

1LDKの物件

2K、2DKの特徴

 

2Kは「居室2つ+6畳未満のキッチン」、2DKは「居室2つ+6~10畳未満のダイニングキッチン」を組み合わせた間取りです。

 

どちらも2つ居室がある点は同じですが、キッチンスペースの広さで使い勝手は大きく変わってきます。

 

2Kは居室が2つあるものの、キッチンスペースはそれほど広くなく、2畳程度の廊下兼キッチンのようなつくりになっているところが多いです。

 

また、以下の間取り例のように、直列型に部屋が配置されている物件も多いです。

間取り図

この場合は、キッチン寄りの部屋を実質的なリビングとして使うことになるので、部屋割りは1DKや1LDKに近いといえます。

 

ただ、専有面積は1LDKよりも狭いものが多いので、使い方には工夫が求められる面もあります。

 

一方、1DKは1LDKよりも前に流行した間取りタイプなので、築年数が経過している物件が多い代わりに、家賃が安い物件を見つけやすいのも特徴です。

 

また、キッチンを明確に仕切れるので、居住スペースに料理のニオイが移らないといった点もメリットです。

 

LIFULL HOME’Sの「家賃相場」で調べた結果は以下のとおりです。

市区町村

家賃相場

渋谷区

14.62万円

新宿区

12.86万円

豊島区

11.47万円

中野区

10.14万円

杉並区

10.83万円

足立区

7.70万円

葛飾区

8.36万円

立川市

8.10万円

八王子市

6.60万円

町田市

6.73万円

このように1LDKと相場を比べると、軒並み家賃相場が3万円以上安いことが分かります。

 

2DKには以下のような特徴があります。

メリット

デメリット

・それぞれ自分専用の部屋が持てる

・使い方のバリエーションが豊富

・専有面積の割に家賃相場が安い

・築年数が経過した物件も多い

・一緒にくつろぐスペースは確保しにくい

2DKの大きな特徴はやはり「居室を2つ持てる」という点にあります。2Kとは違ってダイニング部分で食事がとれるので、それぞれの居室を個人の部屋として使っても問題はありません。

 

また、居室の1つを開放しておいて、リビングとして使うといった方法も選べます。DK部分と合わせればかなりの広さになるので、1LDKのように使うことも可能です。

 

一方、2DKも1LDKより前に流行した間取りなので、築年数が経過した物件が多いという特徴があります。居室の一方が和室であることも多いので、このあたりは好みが分かれるポイントでもあります。

 

2DKの家賃相場は以下のとおりです。

市区町村

家賃相場

渋谷区

18.46万円

新宿区

14.11万円

豊島区

12.72万円

中野区

12.19万円

杉並区

11.69万円

足立区

9.54万円

葛飾区

8.58万円

立川市

7.92万円

八王子市

6.95万円

町田市

8.06万円

2Kほどではありませんが、1LDKよりも全体的に家賃相場は安い傾向にあることが分かります。

間取り図

2DKの部屋割りは間取りのつくりによっても異なりますが、大きく2つのパターンに分かれます。

 

1つ目は「DK部分のみを共用にして居室はそれぞれで使う」といったケースです。

 

この場合は、お互いのプライバシーを確保しやすいのがメリットであり、「プライベートを大事にしたいカップル」に適した使い方といえます。ただ、共用するのはDK部分のみなので、ある程度の広さが欲しいです。

 

また、収納スペースが居室の一方にしかない場合は不公平感が生まれてしまうので、部屋割りと家賃分担のバランスを考慮しましょう。

 

2つ目のパターンは「DKと居室の1つを合わせてLDKのように使う」といった方法です。どちらがいいかは二人の関係性によっても異なるので、事前に話し合って決めましょう。

 

2Kの物件 2DKの物件

間取り図

2LDKは「居室2つ+10畳以上のLDK」がセットになった間取りです。

 

2LDKには以下のような特徴があります。

メリット

デメリット

・ゆとりのある使い方ができる

・将来家族が増えても対応できる

・テレワークスペースなども確保しやすい

・家賃が高い

2LDKは十分な広さを持つ物件なので、住み心地や使い勝手のよさなどについてメリットが多いです。

 

唯一といってもいいデメリットは賃料であり、負担が増えてしまうので、無理のない予算の範囲内に収まるか十分に検討する必要があります。

 

2LDKの家賃相場は以下のとおりです。

市区町村

家賃相場

渋谷区

33.56万円

新宿区

26.52万円

豊島区

21.94万円

中野区

18.88万円

杉並区

17.82万円

足立区

11.67万円

葛飾区

14.97万円

立川市

11.92万円

八王子市

10.94万円

町田市

13.33万円

東京都心部では20万円台後半から30万円台前半23区内では10万円台後半から20万円台前半が目安の相場となります。

 

家賃を抑えるためには、駅からの距離や設備といった条件を緩めて探す方法も検討する必要があります。

 

2LDKの部屋割りには以下のようなパターンがあります。

  • LDKを共用にして、それぞれの居室を持つ
  • 居室の1つを寝室にして、もう1部屋を趣味の部屋、テレワークスペースにする
  • 将来的には居室の1つを夫婦の寝室にして、もう1部屋を子ども部屋にする

2DKと比べて広いリビングを確保できるので、居室を1つずつ用意したとしても、十分に二人でくつろげる空間はつくれます。

 

また、将来的に子どもが生まれたとしても、専用の部屋を持たせてあげられるのは大きなメリットです。

 

2LDKの物件

失敗しない同棲の部屋選びのコツ

 

最後に、同棲の部屋選びで失敗しないために押さえておくべきポイントを4つに分けて解説します。

 

どの間取りが適しているかは、それぞれが思い描くライフスタイルによって大きく異なります。

 

プライベート空間を大事にするのか、二人で過ごせる時間を増やしたいのかなど、お互いの考え方をきちんと共有しておくことが大切です。

 

立地選びはお互いの勤務先や学校など、頻繁にアクセスする場所を中心に、お互いにとって利便性の高いエリアを探すのが基本です。

 

また、近隣の生活利便性については、優先度の高い施設をお互いに共有しておくといいでしょう。

 

必要な収納スペースの量も人によって異なるので、事前に荷物量を確認しておくことが大切です。特に趣味などの持ち物が多い人は、あらかじめ相手に伝えておきましょう。

 

部屋探しを行ううえでは、お互いが必要な設備の条件を明確にしておくことが大切です。そのうえで、スムーズに情報共有するためには「譲れない条件」と「妥協できる条件」に分けておきましょう。

 

お互いの譲れない条件が一致しているものから、優先的に物件の条件を決めていくといいでしょう。

同棲イメージ

 

  • 国土交通省の示す水準では、二人暮らしには30~55平米の広さが必要
  • 間取りとしては1DK、1LDK、2K、2DK、2LDKが候補に挙げられる
  • 部屋割りについては「お互いに独立した居室が必要か」が重要なテーマになる
  • 独立した居室が欲しい場合には2DKか2LDKが基本的な選択肢
  • 家賃とのバランスを考慮して適した間取りタイプを選ぼう

 

新婚・同棲にぴったりな物件

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