賃貸物件を探していると、時折「キャッシュバック」という言葉を目にする機会があります。キャッシュバックとは文字どおり、一定の現金が手元に戻ってくる仕組みですが、賃貸物件の契約においては、どのような意味を持っているのでしょうか。

今回はキャッシュバックの具体的な仕組みと、利用時の注意点について解説します。
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賃貸のキャッシュバック

 

賃貸物件においてのキャッシュバックとは、主に不動産ポータルサイトや不動産会社がキャンペーンで行っているサービスを指します。

 

具体的には、特定のサイトや不動産会社を経由して物件を借りると、「家賃1ヶ月分」や「数千円~数万円」の現金をバックしてもらえるシステムです。

 

キャッシュバック自体は、どの物件でも同じように利用できるわけではありません。不動産会社が力を入れている物件を売り込みたいときなどに用いられることが多いほか、契約者の獲得を目指したいときなどに行われるのが一般的です。

賃貸のキャッシュバック

 

キャッシュバックは最大で「家賃1ヶ月分」と金額設定されていることもあり、場合によっては高額なお金が戻ってくる可能性があります。そのため、「何か怪しいからくりが隠されているのではないか」と不安を感じてしまう人もいるかもしれません。

 

ここでは、キャッシュバックの具体的な仕組みを見ていきましょう。

 

不動産情報ポータルサイトがキャッシュバックを行う場合、利用者がそのサイトを通じて賃貸借契約を結ぶと、不動産会社やオーナーから対価が支払われます。そして、そのうちの一部が契約者に還元されるというのが、キャッシュバックの一般的な仕組みです。

 

一方、不動産会社が主体となって行う場合には、広告費用の一環として捻出されるケースが多いです。たとえば、入居者数を増やしたいという場合には、キャッシュバックを行う以外にも家賃を安くするといった選択肢はあります。

 

しかし、家賃を下げれば、ほかの入居者が不公平に感じてしまうため、貸主としては簡単に認めることはできません。そこで、より実践しやすい方法として、期間限定などでキャッシュバックキャンペーンが行われるケースが多いのです。

 

キャッシュバックと検索すると、「違法」というワードがセットで出てくることもあるため、不安に感じてしまう人もいるでしょう。しかし、キャッシュバックを行うこと自体は決して違法ではありません

 

ただし、「広告の掲載方法が誤解を与えるような内容である」などで違法になることはあるので、そちらと情報が混同されている可能性もあるといえるでしょう。

 

たとえば、「物件を契約するとキャッシュバック○万円」と広告を打っておきながら、実際には「特定のインターネット取扱い会社との契約が必須」であった場合などは、不動産広告のルールに違反しています。

 

また、不動産の「売買」において、契約に必要な手付金を不動産会社が負担したり、貸し出したりすることは宅地建物取引業法(宅建業法)で違法とされています。

 

こちらも不動産会社がお金を負担するという性質は似ているため、キャッシュバックと混同されてしまうケースが考えられます。

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キャッシュバックキャンペーンを比較する

 

前述のように、キャッシュバックそのものは違法ではありません。ただ、利用する際には、いくつか注意すべきポイントがあるのであらかじめ確認しておきましょう。

 

キャッシュバックの広告は「最大○万円」のように、最大金額が記載されるケースも多いです。しかし、物件によってバックされる金額は異なるので、必ず細かな条件にも目を向けておきましょう。

 

キャッシュバックは、なかなか入居者が見つからない場合に利用されることもあります。そのため、周辺の相場と比べて少し家賃が割高であったり、同じような賃料であっても条件が見劣りしてしまったりする物件でないかを確認しましょう。

 

キャッシュバックを受けられるのは、基本的にそのキャンペーンが設定されている物件の契約のみです。そのため、問合せをした物件以外の部屋を借りた場合には、キャッシュバックが適用されない可能性が高いです。

 

キャッシュバックの条件は、サイト内にも記載されているので、問合せを行う前にチェックしておきましょう。

 

キャッシュバックキャンペーンは、複数の不動産会社で同時に取り扱われることもあります。

 

基本的に賃貸物件の情報は、ネットワークを通じて多くの不動産会社が共有しているので、同じ物件を複数の不動産会社が取り扱っているケースは決してめずらしくありません。

 

会社によっては、キャッシュバックを行う代わりに仲介手数料を半額以下に設定していることもあり、そちらのほうがお得になる場合もあります。

 

そのため、気になる物件が見つかったときには、ほかにもキャンペーンが行われている会社がないかチェックしてみるといいでしょう。

賃貸物件をお得に借りる方法

 

キャッシュバックは利用できれば、お得なキャンペーンではあるものの、どの物件でも広く使える方法ではありません。そこで、それ以外にもお得に物件を借りるためのポイントを押さえておきましょう。

 

賃貸物件をお得に借りるのであれば、家賃の安い物件を探すのが近道です。家賃が安い物件の特徴のうち、自分なりに妥協できそうなポイントを見つけておくといいでしょう。

家賃が安い物件の特徴

  • 急行や快速列車が止まらない駅
  • 駅から徒歩10分以上
  • 築古物件
  • 木造アパート
  • 部屋数が少ない、専有面積が狭い

たとえば、立地に関するポイントは「テレワーク中心であまり通勤がない」「自家用車を使うので駅から遠くても問題ない」といった場合に、緩めやすい条件といえます。

 

また、築年数が経過していても、リノベーションなどによって内装はきれいに整備されている物件もあるので、築浅や新築のみにこだわらないのもコツです。

 

賃貸物件を借りる際には、敷金・礼金などの初期費用がかかります。しかし、なかには敷金・礼金がかからない「ゼロゼロ物件」もあります。

 

敷金や礼金はどちらも家賃を基に計算されるので、たとえば礼金1ヶ月分がかからないだけでも、実質的には家賃1ヶ月分のキャッシュバックと同じ効果があるのです。

 

また、入居後の一定期間にわたって家賃が無料になる「フリーレント物件」を探してみるのもひとつの手です。フリーレント期間は物件によっては3ヶ月以上設けられているケースもあるので、とにかく費用を抑えたい場合には注目してみるといいでしょう。

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物件を探す

 

LIFULL HOME’Sでは、お得に借りられる物件が効率良く探せます。たとえば、「家賃・賃料○○万円以下の物件」という特集ページでは、一定の家賃上限以下に当てはまる物件だけを簡単に絞り込むことができます。

 

また、初期費用を抑えられる「敷金礼金0(ゼロ・なし)の物件」や「フリーレント物件」などもそれぞれ特集から探せます。スムーズに理想の部屋を見つけるためにも、ぜひ活用してみてください。

  • キャッシュバックは不動産情報ポータルサイトや不動産会社が主体となって行うキャンペーン
  • キャッシュバックの金額は、数万円あるいは家賃1ヶ月分などさまざま
  • 違法性はなく、あくまでも宣伝・広告の一環として行われるサービス
  • キャッシュバック以外にもお得に借りられる仕組みを把握しておこう
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