恋人や婚約者との二人暮らしを考えたとき、最初に気になるのは費用に関する問題なのではないでしょうか。

今回は「手取り20万円」のケースについて、生活費の目安や家賃の上限金額を詳しくシミュレーションします。そのうえで、家賃の上限で住める物件の特徴も具体的に見ていきましょう。

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手取り20万円程度の平均的な生活費の目安

 

まずは、手取り20万円程度の世帯における、平均的な生活費の目安を確認します。

 

総務省統計局の「家計調査/家計収支編 二人以上の世帯」(2020年)では、世帯年収250万~300万円、世帯人員2.37人の生活費データが以下のように示されています。

費用項目

金額

食費

6万898円

住居費

1万2,900円

水道・光熱費

1万9,546円

家具・家事用品費

8,793円

被服費

3,845円

保健医療費

1万1,935円

交通・通信費

2万2,825円

教育費

1,763円

教養・娯楽費

1万4,584円

その他

3万2,205円

合計

18万9,293円

平均生活費を見ると、手取りの20万円以内にギリギリ収まっていることが分かります。しかし、このデータには持ち家の世帯など、家賃がかからないケースが多く含まれています。

 

そのため、賃貸物件を借りる場合には、住居費がこのデータよりも大きく膨らんでしまうことを想定しなければなりません。ここからは、手取り20万円の世帯の適正家賃について詳しく見ていきましょう。

二人暮らし物件

手取り20万円の場合の家賃目安

 

家賃は毎月発生する固定費なので、無理のない範囲を決めたら、上限を超えないように注意して部屋探しを進める必要があります。ここでは、手取り20万円の場合の適正な家賃上限について解説します。

 

一般的に、無理なく支払っていける家賃の目安は「手取りの3分の1以内」とされています。つまり、手取り20万円なら家賃の上限は「6万7,000円以内」が目安です。

 

しかし、無理のない家賃はライフスタイルによっても異なるため、固定費から逆算して検討することが大切です。たとえば、手取り30万円で家賃が3分の1なら手元に20万円が残りますが、手取り20万円で3分の1なら13万円あまりしか残りません。

 

どれだけ切り詰めたとしても、最低限の費用は確保する必要があるので、場合によっては家賃の上限を4分の1以下に設定するなどの柔軟性が大切となります。

 

先ほど紹介した家計調査の生活費では、住居費として約1万3,000円しか使えない計算となるため、賃貸物件を借りる場合には現実的ではありません。そこで、以下のように調整をしてみました。

費用項目

金額

食費

4万5,000円

住居費

6万5,000円

水道・光熱費

1万円

家具・家事用品費

5,000円

被服費

5,000円

保健医療費

1万円

交通・通信費

1万5,000円

教育費

5,000円

教養・娯楽費

1万円

その他

1万円

合計

18万円

手取り20万円で二人暮らしをするなら、さまざまな費用を細かく切り詰めなければなりません。しかし、きちんと調整すれば、毎月2万円ずつ貯金をしながら6万5,000円までの家賃を捻出することもできます。

二人暮らし

 

では、家賃6万5,000円に設定した場合、どのような物件を借りることができるのでしょうか。ここでは特に家賃の高い東京都で実際に物件検索をしながら、借りられる物件の特徴を見ていきましょう。

 

家賃6万5,000円は、二人暮らしとしては低い予算水準となるので、エリアによっては希望どおりの広さの部屋を見つけられない可能性があります。そのため、まずは二人暮らしに最低限必要な広さを把握しておくことが大切です。

 

国土交通省の「住生活基本計画における居住面積水準」によれば、二人暮らしに最低限必要な広さは「30平米」とされています。

 

そこで、今回は不動産情報ポータルサイトであるLIFULL HOME’Sを使い、以下の条件で東京都内のエリアをいくつかに分けて検索してみます。

条件

  • 家賃6万5,000円以下(共益費・管理費を含む)
  • 専有面積30平米以上
  • 二人入居可
  • 2021年11月30日時点の情報

 

千代田区や港区、新宿区、渋谷区といった東京都心部は特に地価が高く、家賃6万5,000円以下で専有面積30平米以上の物件は7件のみとなりました。

 

また、そのうちすべてが単身者用であり、二人以上で住める物件は見つかりませんでした。

 

東京23区で検索したところ、上記の条件では872件見つかりました。このうち、間取りタイプごとの物件数は以下のとおりです。

間取りタイプ

件数

ワンルーム

16件

1K

15件

1DK

62件

1LDK

50件

2K

406件

2DK

311件

2LDK

0件

3K以上

12件

このように、多くは2Kや2DKといった居室が2部屋あるタイプなので、二人暮らしに適した物件を十分に探せることが分かります。なお、この条件で検索をすると、872件のうち714件(約82%)は下町エリアにあたる23区の東部でした。

 

そのため、幅広い物件の候補から部屋探しをするのであれば、23区東部エリアを中心に立地を検討してみるのもひとつの手です。

 

東京23区外で検索をすると、上記の条件では3,238件見つかりました。23区と比べて当てはまる物件数が格段に増えるので、二人暮らしに適した物件を見つけるのもそう難しくはありません。

 

なお、間取りタイプごとの内訳は以下のとおりです。

間取りタイプ

件数

ワンルーム

29件

1K

58件

1DK

80件

1LDK

217件

2K

441件

2DK

1,895件

2LDK

161件

3K以上

357件

23区と比べて、2DKや2LDK、3K以上といった部屋数の多い物件が見つかるのが特徴です。また「駅徒歩10分以内」の条件を加えても1,147件が該当したので、交通アクセスに優れた物件を見つけられる可能性もあります。

 

ただ、市部のなかでも人気のエリアでは、なかなか物件が見つからないのも事実です。たとえば、23区に近い三鷹市では45件、吉祥寺を含む武蔵野市では7件と、物件数が極端に少なくなります。

 

そのため、家賃の上限を設定したら、エリアごとの家賃相場を参考にしながら立地を決めることが大切です。

二人暮らし物件

二人暮らしの生活費を節約するコツ

 

これまで見てきたように、家賃の上限をきちんと決めれば、手取り20万円でも二人暮らしをすることは可能です。しかし、安定した生活を続けるためには、貯金も考慮しながら、細かく費用を節約する必要があります。

 

最後に、具体的な節約のコツを見ていきましょう。

 

生活費のなかでもっとも大きな支出となるのが食費です。食費については無理のない範囲で、外食を控えるなどの基本的なポイントをまず意識しておきましょう。

 

ほかには、以下のような方法がありますが、このなかから自分に合ったものをセレクトして、上手に組み合わせてみるといいでしょう。

コツ

  • お昼はお弁当や水筒を持参する
  • 常備菜をストックしておく
  • お菓子やお酒は、量や金額の上限を決める
  • コンビニでの買い物は控える

何よりも持続することが大切なので、無理なく取り組める項目から始めてみましょう。

 

光熱費を抑えるには、以下のような方法があります。

コツ

  • 節水グッズを使って水道代を節約する
  • エアコンは自動モードを活用する
  • 電気やガスの契約プランを見直す

光熱費は日々の小さな積み重ねによって左右されるので、その都度節約を意識しなければならないものよりも、知らず知らずのうちに効果が出るような仕組みづくりをするのがおすすめです。

 

固定費を抑えるためには、スマホなどの通信費を見直すのが基本です。また、動画配信サービスなどのサブスクリプションサービスに加入している場合は、二人で話し合いながら必要なもの以外を解約するのもひとつの方法です。

 

固定費については毎月決まってかかるお金なので、ちょっとした削減でも大きな節約につながります。二人暮らしをスタートする前に見直せる項目があるなら、早いうちに手を打っておくといいでしょう。

二人暮らし

 

  • 手取り20万で二人暮らしをすることは可能だが、細かな調整と工夫が必要
  • 家賃6万5,000円なら、東京都内でも二人暮らし用の物件を探すことは可能
  • ただし、あまり細かな条件にこだわることはできないので、条件設定には工夫が必要
  • 生活費の節約が前提なので、無理なく続けられる方法を見つけよう
二人暮らし物件

更新日: / 公開日:2022.01.17