快適に住む広さとは？ 最低面積・誘導面積の基準

 

間取り選びにおいては、快適な生活を送るために必要な広さを把握しておくことが大切です。

 

ここでは、国土交通省が定めている「住生活基本計画における居住面積水準」を基に、生活に必要な広さがどのくらいなのかを解説していきます。

最低居住面積水準とは

 

最低居住面積水準とは、文化的で健やかな生活を送るために欠かせない住宅の面積を示したものです。

 

住生活基本計画のデータでは、「単身世帯で25平米」「2人世帯で30平米」「3人世帯で40平米」「4人世帯で50平米」といった基準が定められています。

 

なお、小さな子どもは大人よりも必要面積が狭いため、3歳未満は0.25人分、6歳未満は0.5人分、10歳未満は0.75人分として計算します。

 

まずは世帯人数から見た最低居住面積水準を割り出したうえで、それよりも広い物件を探すように心がけましょう。

誘導居住面積水準とは

 

誘導居住面積水準とは、多様なライフスタイルに合わせて豊かな住生活を実現させるために必要な住宅の面積を示したものです。

「都市居住型」と「一般型」に分かれる

 

都心での生活を想定した「都市居住型」と、郊外や都市部外での生活を想定した「一般型」に分かれており、一般型のほうがより広い居住面積を必要とするのが特徴だといえます。

 

具体的な数字としては、都市居住型は「単身世帯で40平米」「2人世帯で55平米」「3人世帯で75平米」「4人世帯で95平米」となっており、一般型は「単身世帯で55平米」「2人世帯で75平米」「3人世帯で100平米」「4人世帯で125平米」です。

世帯人数別の面積（平米）

世帯人数		単身	2人	3人	4人
最低居住面積水準		25	30 【30】	40 【35】	50 【45】
誘導居住面積水準	都市居住型	40	55 【55】	75 【65】	95 【85】
	一般型	55	75 【75】	100 【87.5】	125 【112.5】

【　】は3～5歳児が1人いる場合

 

住まいのエリアや世帯人数、ライフスタイルに応じて必要な面積を計算しておくと、物件選びの際に迷う場面が少なくなります。

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住みやすさは満たしている？ 3LDKの間取りの特徴

 

物件の面積と間取りには一定の関連性があり、面積が広いほど部屋数が増えていくのが一般的です。しかし、一口に3LDKといっても、物件によって実際の広さには違いが生まれることも少なくありません。

 

ここでは、間取りに関する理解を深めるためにも、3LDKの主な特徴について見ていきましょう。

3LDKの定義

 

3LDKとは、3部屋の居室とLDK（リビング・ダイニング・キッチン）がある間取りのことを指します。同じ3LDKであっても、各部屋や共用スペースの広さによって専有面積は大きく異なり、使い勝手もさまざまです。

 

ただ、LDKの広さについては、「不動産公正取引協議会連合会」によって以下の表のように目安が設けられています。

 

部屋数	DK	LDK
1部屋	4.5畳以上	8畳以上
2部屋以上	6畳以上	10畳以上

 

そのため、3LDKの間取りであれば、少なくともLDKは10畳以上の広さがあると想定できるのです。

3LDKに適した人数と捉え方

 

同じ3LDKの間取りであっても、つくりによって専有面積には大きな違いがあり、一概にどの人数が適しているとは判断できません。

 

実際にLIFULL HOME’Sのポータルサイトで、東京23区内の3LDKの物件を検索すると、2020年12月時点、専有面積は50平米程度のものから200平米を超えるものまでさまざまです。

 

割合としては60～70平米の物件が半数近くを占めます。次に、70～80平米が多く、90平米以上は1割以下と少なくなっています。

 

たとえば、3人家族の場合、最低居住面積水準は40平米とされているものの、荷物の収納などを考えるとやや手狭だと感じられることもあります。

 

一方で、誘導居住面積水準は3人で75～100平米とされているため、3LDKの間取りで対応できるケースも多いでしょう。また3人家族であるならば、それぞれが個室を持つこともできるため、プライベートの確保も可能です。

 

ただ、広い3LDKであれば、使い方によっては4人家族であっても快適に過ごせる物件はあります。特に都心部では、あまり専有面積の広い物件が見つからないこともあり、4人家族で3LDKに住んでいるケースも決して少なくはありません。

3LDKの間取り選びのポイント

 

間取りは、あくまでも部屋数を示す情報であり、実際の使い勝手は部屋の細かなつくりによって大きく変化します。

 

ここでは、3LDKの物件を選ぶ際に、押さえておきたいポイントをいくつか見ていきましょう。

部屋の配置タイプから考える

 

3LDKは部屋の配置によって、利便性が大きく変化する間取りでもあります。そのため、まずは部屋の配置タイプから考えておくことが大切です。

田の字型

 

「田の字型」の基本的なタイプは、玄関から廊下を挟んで左右に居室や水回りの設備があり、突き当たりにリビングが配置されているつくりを指します。

 

多くのファミリー向けマンションが田の字型のつくりを採用しており、居室同士の独立性が高いのが大きな特徴だといえるでしょう。

センターイン型

 

また、同じような構造として「センターイン型」が挙げられます。

 

玄関を中心として左右に居室とリビングが分かれているつくりであり、多くの場合はそれぞれにバルコニーが設けられ、通風・採光性に優れているのが利点です。

南面3室型

 

一方、「南面3室型」は日当たりの良い南向きの方角にリビングや居室をまとめたつくりであり、居室の独立性はそれほど高くありません。

 

各部屋にはリビングを通って移動することになるため、家族が顔を合わせる機会を多くつくれる点がメリットです。

優先順位を決めておく

 

物件選びについて考えるときには、どの居住空間を優先させるのかを決めておくことも大切です。たとえば、広々としたリビングを優先させるのであれば、居室や収納スペースはやや狭くなってしまう可能性もあるのです。

 

特に、都心部などであまり専有面積の広くない3LDKを選ぶ際には、優先すべきスペースをあらかじめ明確にしておく必要があります。リビングや居室、収納、水回りなどに細かく目を向けて、家族と共通の認識を持つようにしておきましょう。

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ライフステージに合わせた物件選びをしよう

 

どのような間取りの物件を選ぶのかは、家族構成や同居する人数から考えていく必要があります。特に、子育て世帯においては、子どもの成長による変化を想定しておくことも大切です。

世帯人数と適した間取りの例

 

夫婦と子ども1人の世帯の場合は、2LDKであれば居室の使い方が重要なポイントとなります。子どもが大きくなるにつれて、子ども部屋が必要となるため、夫婦で1つの部屋を使うといった想定をしておくことが大切なのです。

 

夫婦と子ども2人の世帯であれば、収納スペースの多い3LDKやそれぞれに居室を持てる4LDKなどが候補として挙げられます。

 

同じ専有面積であれば、リビングの広い3LDKとリビングを縮小させた4LDKのどちらが適しているのか、家族の性格やライフスタイルに合わせて検討しておきましょう。

書斎や仕事部屋を設けるうえで押さえておきたいポイント

 

テレワークの普及によって自宅で仕事をする機会が増え、書斎や仕事部屋の需要も高まっています。小さなお子さんのいる世帯などでは、できるだけ静かで独立した仕事環境が欲しいと考えている人もいるでしょう。

 

独立した仕事部屋を持つうえでは、3LDKであれば「南面3室型」が適しているといえます。2つの居室が南に面しており、リビングのほかに北向きに独立した1部屋を確保できるため、静かな環境が手に入りやすいのです。

 

北向きの部屋は日当たりには恵まれないものの、昼間も涼しく快適であり、パソコンなどの熱に弱い機械や日焼けしやすい書籍などの保管にも適しています。

まとめ：3LDKは3～4人家族に適した間取り

 

• 世帯人数に合わせて最低居住面積水準と誘導居住面積水準を把握することが重要
• 3LDKは3つの居室と10畳以上のリビング・ダイニング・キッチンがある間取りを指す
• 3LDKは3人家族に適した間取りであるが、広いタイプであれば4人でも快適に住める
• 物件選びには部屋の配置タイプや優先順位を意識することが大切
• 独立した仕事部屋を設けるなら、南面3室型がおすすめ

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