初めて部屋探しをする際には、どのように物件を絞り込んでいいかが分からず、なかなか見当がつけられないといった人もいるでしょう。しかし、きちんと手順を追っていけば、不慣れな人でも簡単に理想的な物件を見つけることができるのです。

今回は物件検索の手順を4つのステップに分けて解説していきます。また、失敗しがちな注意点についても見ていきましょう。
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初めての物件探し

 

物件探しにおいては、まず適切な家賃を設定することが基本となります。ここでは、家賃相場の調べ方や賃料設定の方法について見ていきましょう。

 

LIFULL HOME’Sの不動産情報ポータルサイトでは、家賃相場」のページから、物件の最寄り駅や市区町村ごとに家賃の平均相場を簡単に調べることができます。たとえば、東京都の行政区ごとに検索をした場合、一人暮らしに適した物件の平均家賃は、同じ23区内であっても5~6万円程度の開きがあることが分かります。

 

さらに、市部を含めれば、もっとも高い港区ともっとも安い青梅市で約8万円もの差があるのです。このように、家賃は物件のエリアによって大きく左右されるため、まずは地域ごとの相場を確かめておきましょう。

 

また、LIFULL HOME’Sの住まいインデックス」では、地域や駅別に平均の世帯年収データを調べることもできます。賃料や人口の推移といった細かな情報も掲載しているため、エリアをまたいで引越しを検討する場合には、利用してみると便利です。

家賃を設定する目安の一つに、手取り収入との関係性が挙げられます。一般的に、家賃は「手取りの3分の1以下」が目安とされており、この数字を基に設定していくと便利です。

 

たとえば、手取りが15万円であれば家賃は5万円以下、手取りが20万円であれば6万6,000円以下が目安となります。ただ、人によっては毎月の生活費が多めにかかり、手取りの3分の2以上のお金を残しておかなければならない場合もあります。

 

家賃は支払い続けなければならないお金でもあるため、ゆとりのある金額で設定しておくことが重要です。

家賃相場を調べる

物件の基本的な条件を決める

 

家賃の範囲を決めてからは、部屋探しをする前に、物件の基本的な条件を明確にしておきましょう。目安の家賃を決めているつもりでも、条件をすべて満たした物件を探すうちにオーバーしてしまうこともあるため、まず優先する基本条件を決めておくことが重要なのです。

 

ここでは、賃料を左右する基本的なポイントを見ていきましょう。

 

家賃は立地によって大きく変化します。たとえば、駅から近い物件は利便性が高く、一般的に家賃が高額になりやすい傾向があるのです。

 

駅から遠くても設備の充実した物件がいいのか、多少室内の条件を緩めても便利な立地に住みたいのかは、人によって異なるポイントでもあります。そのため、まずは自分がどのような立地を求めているのか、明らかにしておく必要があるのです。

 

立地の利便性については、「○○駅まで徒歩〇分」といったように、「徒歩所要時間」で示されます。1分当たりおよそ80mとして換算することができるので、どのくらいの距離まで許容できるのか検討しておきましょう。

 

間取りや部屋の広さも家賃を左右する要素の一つであり、同じ建物内であっても、広い部屋のほうが家賃は高く設定されるのが一般的です。一人暮らしであれば、まずは1Rや1K、1DKなどの居室が1つの部屋から絞り込んでいきましょう

 

そのうえで、荷物が多いなどの事情がある人は、広めの部屋やさらに部屋数の多い部屋へと視点を移していくとスムーズです。

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オートロック

 

家賃・立地・間取りの条件が決まったら、そこから物件の細かなこだわり条件を設定していきます。あれもこれもと条件を選んでしまうと、該当する物件がどんどん少なくなっていくため、事前に優先順位を定めておきましょう。

水回りは生活の利便性に直結するポイントであり、物件選びでも特に大事にされることが多いようです。LIFULL HOME’Sが調査したこだわり条件ランキング(※)では、「バス・トイレ別」が第1位にランクインしており、室内洗濯機置き場や独立洗面台、追い焚き機能なども高い順位に置かれています。

 

バス・トイレが一緒になっているタイプのものは、設備コストなどの面から、比較的、家賃が安くなる傾向があります。一方で、バスタブが洗い場となるため、使い方に工夫が必要となる点がデメリットです。

 

※参考:【LIFULL HOME’S】:人気の物件検索条件ランキング2017年 賃貸アパート・マンション編

女性を中心に、セキュリティー面に優れている物件も人気が集まりやすい条件となっています。具体的な条件としては「2階以上」「オートロック」「モニター付きインターホン」などが挙げられ、どれもセキュリティー面の安心感が得られる代わりに家賃が高くなってしまうといった側面があります。

 

そのため、これらの条件のなかからどれを優先すべきか、事前に自分なりの順位を設定しておきましょう。

 

こだわり条件のなかには、初期費用を抑えられるようなものもいくつかあります。「礼金なし」「敷金なし」といった条件は、いずれも初期費用を大幅に削減することができるため、先ほどのランキングのなかでも高順位に位置しています。

 

こだわり条件を絞り込むためには、どうしても必要な条件と、あればうれしい条件とに分類することが大切です。LIFULL HOME’Sの検索サービスでは、ほかにも部屋の位置やキッチン設備、周辺環境といったさまざまなオプションをつけられるため、どのようなこだわり条件があるのか確認してみるのもいいでしょう。

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内見

 

気になる物件を見つけることができたら、いよいよ不動産会社に問合せをする段階です。このステップで気をつけておくべきポイントについて見ていきましょう。

 

問合わせの段階においては、万が一ほかの入居者で埋まってしまった可能性に備えて、1件ではなく複数の物件を候補に挙げておくことが大切です。特に新年度前の繁忙期には、同じように物件探しをしている人も多いため、条件に合いそうな物件を数件選んでおくと安心です。

 

賃貸物件を借りるときには、事前に部屋の中を見せてもらえる「内見」が行われます。内見自体は、不動産会社を訪ねてからその場で依頼することもできるものの、ほかのお客さんと重なってしまえば待たされることもあります。

 

また、物件の貸主から鍵を借りる必要があるため、不動産会社に行ったその日には対応してもらえない可能性もあるのです。そのため、あらかじめ見せてもらいたい物件が決まっているのであれば、事前に予約をしておくとスムーズです。

 

物件の条件が明確であれば、担当者から似たような物件を紹介してもらいやすくなります。内見をしてみて、あまり気に入らないと感じた場合には、遠慮をせずにほかの物件を探してもらうようにしましょう。

オンライン内見ができる物件

家の周辺環境

 

部屋探しには明確な答えがあるわけではありません。どれだけ気をつけていても、住んでみてからイメージと違っていたと感じてしまう場合もあるのです。

 

ここでは、納得のいく部屋探しをするために、物件検索で起こりがちな失敗例を見ておきましょう。

部屋の内部にこだわるあまり、周辺環境の利便性を見落としてしまうケースは少なくありません。近隣に便利な商業施設があるかどうか、駅から離れている場合は近くにバス停があるかなど、物件の周りにも目を向けるべきポイントがあるのです。

 

地図で周辺の施設を確認したり、駅からの道のりを確かめたりしておくと、実際に入居をしてからも安心です。

設備にこだわっていたはずが、実際に住んでみると必要がなかったり、使いにくいと感じたりしてしまうケースもあります。たとえば、「追い焚き機能付きにしたのにあまりお湯をためなかった」「ロフト付きにしたのに昇り降りが面倒になった」といった場合もあるため、事前に生活のイメージを持っておくことが大切です。

 

また、内見のタイミングで細かく部屋ごとの広さを確認しておきましょう。間取り自体が希望に沿っていたとしても、実際に家具や家電をおくとイメージどおりに使えないこともあります。キッチンにどのくらいのものを置けるのか、収納スペースに荷物が収まるかなどは、内見時に確かめておきたいポイントの一つです。

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初めての物件探し

 

  • 相場を調べてから手取りとのバランスを考えて家賃を設定する
  • 立地・間取りに関する条件を決める
  • こだわり条件を確認して、優先順位を設定しておく
  • ほかの入居者で埋まってしまったときに備えて、複数の物件を候補に挙げる
  • 部屋探しの失敗例にも目を通しておく
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更新日: / 公開日:2020.12.24