賃貸物件に住んでいる人にとって、違約金はあまり普段から意識するポイントではないといえるでしょう。しかし、すぐに引越さなければならない理由ができたり、契約をキャンセルする必要があったりするときに備えて、事前に正しい知識を押さえておくと安心です。今回は、賃貸物件での違約金の意味や注意点について詳しく解説していきます。
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賃貸借契約における違約金の意味

賃貸物件を借りる際には、不動産会社などの貸主との間で賃貸借契約を結ぶ必要があります。契約で定められた事項に違反してしまった場合に、相手へ支払うお金として設定されるのが違約金です。
ここでは違約金の意味や仕組みについて見ていきましょう。
賃貸借契約における違約金のルールと相場
賃貸物件の場合、ほとんどのケースでは契約期間が定められており、借主と貸主が合意したうえで契約を結ぶことになります。そのため、借り手側の事情で途中解約を行ってしまうと、契約違反に当たります。
貸主からすれば、すぐに新たな借り手を見つけることが難しい場合もあり、そこから先の賃料が得られなくなってしまいます。そこで、契約期間中の途中解約では、本来予定されていた利益の損失を補う目的で、違約金が発生する場合もあるのです。
違約金の相場は家賃の1~3ヶ月分が一般的であるものの、敷金が返還されない場合もあるため、実質的にはそれ以上のお金が必要となるケースもあります。物件ごとに違約金のルールは異なるため、賃貸借契約書や重要事項説明書の内容をきちんと確認しておくことが大切です。
契約期間満了と途中解約の違い
一般的に、賃貸物件の契約が終了するケースには契約期間満了と途中解約の2つのパターンがあります。ここでは、それぞれの違いについて見ていきましょう。
契約期間の満了によって退去する場合
賃貸物件は2年ごとの契約期間を設けているところが多く、引き続き入居をする場合には更新料などを支払って、更新の手続きを行う必要があります。契約期間満了というのは、引越しや新居の購入などによって、契約期間が終わるタイミングで契約を更新せずに退去することです。
このケースでは、本来の契約どおりにお互いが手続きを進めたことになるため、違約金は発生しません。ただ、物件によって、特に申し出がない場合は自動更新されることもあります。
その場合には、定められた期限までに、契約更新をしない旨の意思表示が必要です。そのため、事前に賃貸借契約書で更新に関するルールを確かめておきましょう。
ただし、入居後数ヶ月間は家賃を無料とする「フリーレント」の物件に住んでいる場合は注意が必要です。事前に申し出たとしても、一定期間内の解約に対しては違約金がかかったり、フリーレント期間相当分の賃料支払いなどを求められたりする場合もあります。
途中解約によって退去する場合
途中解約は、契約期間内に借り手側の都合によって退去をすることを指します。ほとんどの物件では解約予告期間が決められており、事前の通知なしに契約を解除することはできません。
解約予告期間については、退去の1ヶ月前までとされているのが一般的であるものの、人気の物件などでは2ヶ月前となっていることもあります。途中解約の予告時期によっては、家賃1ヶ月分程度の違約金を支払う場合もあるので注意が必要です。
期限を守っていれば、違約金が発生するケースは少ないといえます。ただ、契約内容によっては、決まりどおりに解約の通知を行っていても違約金が生まれることがあるため、いずれにしても賃貸借契約書に記載された情報はチェックしておきましょう。
また、無用なトラブルを避けるためにも、きちんと解約通知の記録を残すことが大切です。口頭だけではなく、メールや書面でも伝えるように心がけ、控えを手元に残しておきましょう。
賃貸物件を探す 一人暮らしにぴったりな物件 ペット可(相談)物件 引越し料金の見積もりをする賃貸借契約の違約金が発生してしまうケース

違約金は契約内容に違反した際に発生するお金を指します。そのため、契約期間に関する事柄以外にも、違約金が生まれてしまう場合があるのです。
ここでは、違約金が発生する主なケースを説明していきます。
違約金が発生する4つのパターン
違約金につながるリスクとして最も代表的なのは、家賃の滞納です。1度や2度であれば手違いなどの可能性もあるため、あまり大きな問題につながらないこともあるものの、滞納が頻繁になると重大な契約違反と見なされてしまいます。
ペット不可の物件にもかかわらずペットを飼育している場合にも、違約金が発生することがあります。部屋の内装に傷やにおいがついてしまうだけでなく、ほかの入居者に迷惑がかかる恐れもあるため、問題視されるケースが多いのです。
状況によっては、違約金だけではなく、原状回復のための損害賠償が請求されることもあります。無用なトラブルを避けるためにも、きちんと決まりを守ることが大切です。
また、騒音トラブルについても、あまりにもひどい場合には違約金が発生することがあります。貸主側からすれば、近隣への迷惑を防止しなければならないと考えるため、何度も苦情を受ければ何らかの対策を行わざるを得ないのです。
さらに、契約違反という観点からすると、単身者用の物件に2人以上で居住したり、許可なく転貸や改築を行ったりした場合も違約金につながる可能性があります。
賃貸借契約の違約金は払わないといけない?
賃貸物件を借りることは契約行為なので、基本的にはどのような事情があっても違約金を支払う必要があります。ここでは、違約金が発生してしまったときの対処法について見ていきましょう。
誠実な対応と相談が肝心
違約金に関する事項が契約書に盛り込まれていなかったとしても、物件の所有者に迷惑をかけてしまったときには違約金を求められる可能性があります。ただ、事情によっては理解してもらえることもあるので、不動産会社や大家さんに早めに連絡することが大切です。
たとえば、転勤などのやむを得ない事情により契約期間の途中で解約する必要がある場合には、貸主との交渉によって免除してもらえるケースもないわけではありません。また、相談内容によっては金額を減らしてもらえたり、支払期限を調整してもらえたりする場合もあります。
いずれにしても、迷惑をかけてしまった事実はきちんと認めて、誠実に対応していくことが大切です。
賃貸物件を探す 一人暮らしにぴったりな物件 ペット可(相談)物件 引越し料金の見積もりをする事前に契約書をよくチェックしておこう
物件を借りてからのトラブルを避けるためにも、契約時にきちんと契約書の内容についてチェックしておくことが重要です。ここでは、契約書で目を通しておくべきポイントを紹介していきます。
賃貸借契約書で確認しておくべきポイント
途中解約などで違約金が発生する物件では、重要事項説明書と賃貸借契約書の両方に違約金に関する事項を記載することが法律で義務付けられています。そのため、事前に目を通しておくことが大切です。
また、物件ごとの禁止事項もあらかじめチェックしておく必要があります。楽器や石油ストーブの使用禁止、ベランダの使い方などが細かく定められていることもあり、知らず知らずのうちに契約違反をしてしまう可能性があるのです。
そのため、禁止事項などについて不安があるときにはそのままにせずに、早めに質問しておきましょう。また、設備に関する質問があれば、遠慮をせずに契約のタイミングで聞いておくことが大切です。
さらに、原状回復費用などについても把握しておく必要があります。通常の生活で生まれる程度の傷や汚れは、基本的には貸主が負担するのが原則となっているものの、なかには借主が負担するという特約が設けられているケースもあるのです。
実際に入居してから金銭的なトラブルに見舞われないためにも、契約のタイミングで疑問点を明らかにしておきましょう。
賃貸借契約における違約金のルールを理解して無用なトラブルを回避しよう
- 違約金は契約内容に違反したときに発生するお金のこと
- 途中解約は場合によって違約金発生のリスクがある
- 家賃滞納やペット不可物件でのペット飼育、騒音トラブルなども違約金発生の原因となりうる
- 交渉次第で違約金を免除してもらえたり、減額してもらえたりすることもある
- 契約書の禁止事項や原状回復に関する決まりなどをチェックしておくことが重要
更新日: / 公開日:2020.09.30









