「駅徒歩1分」はどのくらいの距離？

 

物件情報には、駅から物件までの距離は「徒歩何分」と表記されています。この時間は何を基準にして計算されたものなのでしょうか。

「徒歩何分」は「徒歩1分＝80m」で計算されている

 

「不動産の表示に関する公正競争規約」では「徒歩1分が80mに相当するものとして計算する」と定められています。

 

不動産広告で徒歩分数を記載する場合、不動産会社はこの基準を使わなければなりません。規約によれば駅徒歩1分の物件は、80m以内となります。

 

なおこれは物件と駅を結ぶ直線距離ではなく、道路距離で考えます。「徒歩何分」表記のルールとして「端数は切り上げ」となるので、たとえば道路距離が81mの場合は徒歩2分になり、駅直結のマンションであっても徒歩1分になるのです。

 

ちなみに、「徒歩1分＝80m」を速度に換算すると時速4.8kmです。地図アプリではほぼ時速5kmが採用されているので、地図アプリで移動時間を調べると物件情報の表記よりも少し早い時間で到着するように表示されます。

実際にはもっと時間がかかる？

 

この基準は健康な女性が「ハイヒールを履いて歩いたとき」の歩行速度を基に採用されたものといわれています。しかし、この表記には注意点があり、以下の条件は「駅徒歩○分」の時間に含まれていません。

 

階段やエレベーター

 

物件によっては階段やエレベーターを利用する時間も考慮に入れましょう。

 

特にマンションなどの高層階に住んでいる場合は、エレベーターを呼ぶ時間・降りる時間だけでなく、朝の通勤・通学時間にエレベーター渋滞が発生して、呼ぶのに5分、降りるのに5分くらいかかる可能性もあります。

 

踏切や信号待ち、坂道

 

「徒歩何分」表記には、踏切・信号待ち・坂道などの時間は含まれていません。長く待つ踏切や道中に信号が何個あるのか、急な坂道はないかなどをチェックしましょう。

 

朝の通勤ラッシュなどの人混み

 

朝の通勤ラッシュなどでは、人混みにより駅のホームにたどり着くのに時間がかかる、電車に乗るのが遅れるなどの影響があるかもしれません。

 

時間帯や天候などによってかかる時間は変わってきます。意外なところに落とし穴が潜んでいたりもするので、実際の通勤・通学時間などに合わせて物件と駅の間を歩いて、周辺環境をしっかりチェックしておきましょう。

 

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「駅徒歩1分」物件のメリットは？

 

「駅徒歩1分」物件を選べば、生活利便性、交通利便性の高い環境で暮らすことができます。そのため、さまざまなメリットが得られるのが魅力です。

通勤・通学が大幅に楽になる

 

家から駅まですぐに着くので通勤・通学が便利になるというのが一番のメリットです。

 

徒歩で移動する時間がとても短いので、雨の日にずぶぬれになったり、真夏に汗だくになったりと、不快な思いをすることが少ないのもうれしいところです。帰宅時に暗い夜道を歩く心配も少ないので、治安面でも安心できます。

駅周辺は店などが多く生活が便利

 

駅の近くにはコンビニやスーパー、総菜店、ドラッグストアなどがたくさんあるので買い物がしやすいところも魅力的です。

 

飲食店も多いので外食にも気軽に行くことができます。また、駅近くには病院が開業していることも多いので、万が一のときにも心強いです。

売却や賃貸物件として貸し出すときに有利

 

マイホームとして購入した場合は、将来的に転勤などで物件を売却、もしくは賃貸に出すことになったときに、駅近物件だと有利な条件を設定できる可能性があります。

 

駅周辺の都市開発で大型商業施設がオープンしたり、駅に特急が停車するようになったりと、周辺環境の変化によって当初よりも資産価値が上がることもあるかもしれません。

 

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「駅徒歩1分」物件のデメリットは？

 

いいことずくめだと思われがちな「駅徒歩1分」物件にもデメリットはあります。事前にデメリットとなる部分が生活に影響を与えないか、確認しておくことが大切です。

電車や車などの騒音や街の騒がしさが気になる

 

駅が近いので電車の走行音が聞こえてきます。駅は交通ターミナルになるので、バスやタクシーが頻繁に行き交うだけでなく、救急車やパトカーのサイレンの音もしばしば聞こえます。

 

また、繁華街が近いと騒ぐ声が耳に入ってくることも。騒音は防音設備が備わった部屋ならある程度は防げますが、電車やバスなどが通るときの振動までは防げません。

 

暮らしているうちに慣れてしまう人もいますが、音や振動に敏感な方は避けたほうがいいかもしれません。

家賃は高めになりやすい

 

駅から近いほど家賃や土地の価格は高めになります。例として、「LIFULL HOME’S」の家賃相場から、池袋駅の徒歩分数別に比較した表をご覧ください。

 

見ていただくと、いずれの間取りの場合も、駅徒歩分数が短いほど、家賃が高くなることがご覧いただけるかと思います。同じ間取りであっても、1万円以上の開きもあります。

 

池袋駅からの徒歩分数別に家賃相場を比較

	1分～5分	5分～10分	10分～15分	15分～20分
1K	9.62万円	9.32万円	9.04万円	8.77万円
1DK	13.13万円	12.80万円	12.48万円	12.17万円
1LDK	18.21万円	17.81万円	17.43万円	17.06万円

出典：LIFULL HOME’S家賃相場（2020年5月8日時点）

 

家賃が高い分、部屋が広かったり、設備が良かったりするとは言い切れず、駅近ではあるものの部屋が狭い、築年数が古いという物件もあります。

そもそも物件の選択肢が少ない

 

たとえば、LIFULL HOME’Sのサイトで池袋駅の駅徒歩1分以内の賃貸物件を探してみましょう。池袋駅の物件数が5,289件。そのうち徒歩1分以内に絞ると、該当件数は6件となります（2020年5月8日現在）。

 

駅前に商業施設が多いことも影響しているためか、選択肢は多くありません。条件を重ねていくと、さらに選択肢は減っていきます。

 

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利便性は魅力だがデメリットもある

 

「駅徒歩1分」の物件は利便性の高さが大きな魅力です。

 

一方で、家賃などは高く、周囲の環境はやや騒がしいことが多いデメリットもあります。自分や同居する家族のライフスタイルをよく考えて物件を決めるようにしましょう。

 

LIFULL HOME’Sでは1分以内、5分以内、7分以内、10分以内などと細かい区切りで検索が可能です。

 

許容できる駅徒歩分数を基準に、家賃や専有面積だけでなく、バス・トイレ別、エアコンあり、2階以上など、さまざまな条件を加えて、気になる物件を見つけてください。

 

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