気になる物件が「駅徒歩20分」だとしたら、どのように感じますか。ちょっと駅から遠すぎる…と感じる人もいると思いますが、いまひとつイメージが湧かないことはありませんか?

そこで今回は「駅徒歩20分」の具体的な距離や、実際に「駅徒歩20分」の物件に住むときのメリット・デメリットを紹介します。

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徒歩20分はどのくらいの距離?

 

物件情報には、駅から物件までの所要時間は「徒歩何分」と表記されています。実際にはどのくらいの距離で、この時間は何を基準にして計算されたものなのでしょうか。

 

「不動産の表示に関する公正競争規約」では「徒歩1分が80mに相当するものとして計算する」と定められています。不動産広告で徒歩分数を記載する場合、不動産会社はこの基準を使わなければなりません。

 

そこから「駅徒歩20分」を計算すると、実際の距離は約1.6kmとなります。また、表記のルールとして「端数は切り上げ」となるので、1.61kmなら21分と表記されます。

 

ちなみに、この「徒歩1分が80m」を時速に換算すると時速4.8kmになります。

 

地図アプリではほぼ時速5kmが採用されているため、地図アプリで移動時間を調べた場合は物件情報の表記よりも少し早い時間で到着するように表示されます。

 

「不動産の表示に関する公正競争規約」における「徒歩1分=80m」という数値は、健康な女性が「ハイヒールを履いて歩いたとき」の歩行速度を基に採用されたといわれています。歩くスピードには個人差があるので、あくまで参考として考えましょう。

 

この表記には注意点があり、以下の条件は「駅徒歩○分」の時間に含まれていません。

 

階段やエレベーター

 

物件によっては階段やエレベーターを利用する時間も考慮に入れましょう。

 

特にマンションなどの高層階に住んでいる場合は、エレベーターを呼ぶ時間・降りる時間だけでなく、朝の通勤・通学時間にエレベーター渋滞が発生して、呼ぶのに5分、降りるのに5分くらいかかる可能性もあります。

 

踏切や信号待ち、坂道

 

「徒歩何分」表記には、踏切・信号待ち・坂道などの時間は含まれていません。長く待つ踏切や道中に信号が何個あるか、急な坂道はないかなどをチェックしましょう。

 

朝の通勤ラッシュなどの人混み

 

朝の通勤ラッシュなどでは、人混みにより駅のホームにたどり着くのに時間がかかる、電車に乗るのが遅れるなどの影響があるかもしれません。

 

時間帯や天候などによってかかる時間は変わってきます。意外なところに落とし穴が潜んでいたりもするので、実際の通勤・通学時間などに合わせて物件と駅の間を歩いて、周辺環境をしっかりチェックしておきましょう。

 

「駅徒歩20分」の物件に実際に住んだ場合、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。まずは、メリットから紹介します。

一番のメリットは価格・家賃

 

一番のメリットは駅から近い物件に比べて、土地代や家賃が安くなることです。駅徒歩20分の物件は、駅近物件に比べて割安であることが多くあります。

 

例として、「LIFULL HOME’S」の家賃相場から、池袋駅の徒歩分数別に比較してみましょう。

 

1分~5分

5分~10分

10分~15分

15分~20分

1K

9.62万円

9.32万円

9.04万円

8.77万円

1DK

13.13万円

12.80万円

12.48万円

12.17万円

1LDK

18.21万円

17.81万円

17.43万円

17.06万円

出典:LIFULL HOME’S家賃相場(2020年5月8日時点)

 

見ていただくと、いずれの間取りの場合も、駅徒歩分数が伸びるほど、価格帯が安くなることがご覧いただけるかと思います。同じ間取りであっても、1万円以上の開きもあります。

 

そのため、当初の予算よりも少なく抑えられ、新生活に伴って必要となるほかのことにお金を回すことができます。

 

物件数が一定数あり、探しやすい傾向にあります。たとえば、LIFULL HOME’Sのサイトで池袋駅の駅徒歩20分以内の賃貸物件を探してみましょう。

 

池袋駅の物件数が5,289件。ここから20分以内の物件は、1,417件(26.8%)となります。ここからさらに絞ってみましょう。

 

徒歩15分以内の物件は、1,224件(23.1%)、徒歩10分以内は767件で14.5%と減り、さらに5分以内に絞ると238件(4.5%)となります(2020年5月8日現在)。

 

条件を重ねていくと、選択肢は減っていきます。駅からの距離以外に部屋の広さや設備など、重視したいものはほかにもある人がほとんどでしょう。

 

駅徒歩20分以内で探せば、選択肢の多さから希望に合う物件が見つけやすいかもしれません。

 

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駅から徒歩で20分かかる物件なので、もちろんデメリットはあります。

 

駅から自宅まで20分という距離を毎日徒歩で移動するのは、想像以上の負担になります。

 

雨や雪など天候の悪い日には特に難しくなるでしょう。自転車を使っても、雨の日や風の強い日は近くにバス停がない場合は歩くことになります。

 

「駅徒歩20分」という距離感をしっかりシミュレートしておかないと、実際に住んでから後悔する可能性が高くなるでしょう。

バス通勤が思わぬ負担に

 

自転車を利用するのであれば、駐輪場代なども必要となります。

 

残業や飲み会などで帰りが遅くなった場合、駅からの最終バスに間に合わないこともあります。ついタクシーを使ってしまうことも。

 

職場からバス代や駐輪場代が支給されるかどうかも確認しておきましょう。

 

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自転車などで快適な通勤を

 

「駅徒歩20分」の物件は駅近物件より土地代も家賃も安いことが最大の魅力です。

 

ですが、駅まで遠いため、費用だけで選ぶと後悔することもあります。内見の際には、実際に歩いてみてその距離感を体感しておくことをおすすめします。

 

またバスや自転車を使うことを検討しましょう。バス停に近い物件を選んで駅までバスを使うようにすれば、歩く時間は格段に短くなります。バスは真夏や真冬などでもストレスなく移動できるところも魅力です。

 

LIFULL HOME’Sでは5分以内、7分以内、10分以内、15分以内、20分以内と細かい区切りで検索が可能です。

 

許容できる駅徒歩分数を基準に、家賃や専有面積だけでなく、バス・トイレ別、エアコンあり、2階以上など、さまざまな条件を加えて、気になる物件を見つけてください。

 

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更新日: / 公開日:2020.05.18