一人暮らしの賃貸物件には多くの場合、暖房器具としてエアコンがついていますが、部屋の広さや地域によっては、エアコンだけでは寒かったり、電気代がかさんでしまったりすることもあるでしょう。

そこで今回は、一人暮らしの暖房器具はどのように選べばいいのかを解説したうえで、一人暮らしにおすすめの暖房器具とその特徴を紹介していきます。光熱費を抑えるコツも併せて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

 

自分のライフスタイルにぴったりの一人暮らし用暖房器具を選ぶためには、以下の4つのポイントに注目してみましょう。

 

  1. 部屋全体を暖めるか、一部分を暖めるか
  2. 光熱費がどのくらいかかるか
  3. 賃貸借契約上の問題はないか
  4. 今の契約アンペア数で足りるか

 

一つ一つ詳しく見ていきましょう。

 

暖房器具は大きく分けると、エアコンや石油ファンヒーターのように部屋全体を暖めるものと、電気ストーブやこたつのように部屋の一部分だけを暖めるものがあります。

 

部屋全体を暖める暖房器具は、部屋のどこにいても快適に過ごすことができます。しかし一方で、室内が十分に暖まるまでには時間がかかるため、部屋にいる時間が短くなりがちな一人暮らしでは、コスパが悪くなってしまう場合もあるでしょう。また、別の部屋やトイレなどとの温度差が大きくなることもデメリットとして挙げられます。

 

一部分を暖める暖房器具は、すぐに暖かさを感じられるものが多いため、朝目覚めたときや帰宅したときなどに、すぐ暖を取ることができます。しかし、暖かさを感じられる範囲は限定されるため、寒さが苦手な方や寒い地域にお住まいの方はもの足りなさを感じるかもしれません。

 

暖房器具は電気代が高くつきやすいので、光熱費のコスパを考えることは重要です。

 

基本的には、部屋全体を暖められるものや短時間で強い出力を発揮するものなど、パワフルなほど光熱費が高くなりやすい傾向にあります。

 

また、暖房器具のコスパを考える際には、暖房器具ごとの消費電力だけでなく、一人暮らしのライフスタイルも考慮するといいでしょう。

 

たとえば、家にいる時間が少なかったり、部屋がそこまで広くなかったりする場合には、部分暖房を短時間使うだけで十分な場合もあります。

 

各暖房機器の光熱費を知ったうえで、自分のライフスタイルの場合にはどれを選べば最も光熱費を抑えられるかという軸で選ぶといいでしょう。

 

賃貸物件では火災などのトラブルを防止するために、石油やガスを使う暖房器具の使用を禁止している場合があります。暖房器具を購入する前には必ず、賃貸借契約の内容を確認するようにしましょう。

 

アンペア数とは、同時に使用できる電力の上限容量のことで、10A~60Aの契約プランがあります。一人暮らしの場合は20~30Aの契約となっていることが一般的です。

 

しかし、暖房器具は消費電力が大きいので、暖房器具の種類やほかの家電との併用次第ではアンペア数が足りなくなり、ブレーカーが落ちて使うことができません。そうした場合には上限容量を上げる必要があります。

 

契約アンペア数は、電力会社に連絡することで変更することができますが、アンペア数を上げるほど電気の基本料金も上がるため気をつけてください。現在契約中のアンペア数は、毎月届く検針票で確認できます。

 

ここからは上記のポイントを踏まえ、一人暮らしで使える暖房器具とその特徴を紹介していきます。

 

皆さんご存じのエアコンは賃貸物件の場合、部屋に標準装備されていることが多く、冷房や暖房、送風、ドライなどの豊富な機能で、一年を通して部屋全体の温度調節を行うことができます。

 

ただし、エアコンは部屋の温度を十分上げるまでに多くの電力を使うため、短時間だけ使うことの多い一人暮らしでは、コスパが悪くなる場合も。また、古いエアコンはそもそもの消費電力が大きいので、電気代が高くなりがちです。

 

エアコンは電気代が高いイメージがあるかもしれませんが、最近では省エネ機能が進化したコスパのいいタイプも多く登場しています。

 

石油ファンヒーターは、灯油を使って熱風を放出することで部屋を暖める暖房器具です。数ある暖房器具の中でもパワフルで、短時間で部屋全体を暖めることができます。

 

ただし、電気に加えて灯油代も必要になるためコスパはあまりよくありません。また、部屋が乾燥したり、空気の汚れや一酸化炭素対策として定期的な換気が必要だったりするというデメリットも。

 

寒さが厳しい地域や、一人暮らしでも10畳以上の広い部屋にお住まいの方以外は持て余してしまうかもしれません。

 

石油ファンヒーターが灯油を使うのに対し、ガスを燃焼させて得た熱で部屋を暖めるのがガスファンヒーターです。こちらもかなりの暖房能力があるため、広い部屋でもすぐに暖めることができます。

 

しかし、ガス栓からガスを引くためにガス管を設置する工事が必要になります。また、部屋の空気が汚れる点や、一人暮らしには暖房能力が過剰な場合が多い点、ガス代がかかるのでコスパが悪い点などは石油ファンヒーターと同様です。

 

セラミックファンヒーターは内部のセラミックを電気の力で加熱し、温風を放出する暖房器具です。火やガスを使わないので空気が汚れず、すぐに温風を出せるというメリットがあります。

 

一方で、パワーは控えめなので、寒冷地域以外の狭い部屋でなければ、メイン暖房としては頼りないかもしれません。また、電力消費量は大きめなため、トイレや脱衣所など、すぐに暖めたい場所でのスポット利用におすすめです。

 

オイルヒーターは内部のオイルを温めて循環させることで放熱し、部屋全体を暖める暖房器具です。

 

空気が汚れない、部屋が乾燥しない、運転音が静かなどのメリットがありますが、部屋が暖まるまでに時間がかかり、電気代が高いというデメリットも。

 

ただし、気密性が高い部屋の場合は暖房効率が高くなるので、環境によっては弱運転や一定温度で電源が切れる機能などを活用することで、メイン暖房としてコスパ良く使えるケースもあります。

 

パネルヒーターは電気でパネルを温めて輻射熱を放つタイプの暖房器具です。オイルヒーターと仕組みは似ていますが、オイルではなく電気を利用するのですぐに放熱することができます。

 

空気を汚さない点や、部屋が乾燥しない点などはオイルヒーターと同様です。また、パネル1枚のスリムな形状なので場所を取らないというメリットも。

 

ただし、こちらは部屋全体を暖めるのには不向きであり、消費電力が大きいのでコスパもそこまでよくありません。

 

電気で発熱体を温め、部分的に放熱するタイプの暖房器具です。空気を汚さず、すぐに立ち上がり、コンパクトな製品が多いのでさまざまな場所で使いやすいといったメリットがあります。

 

また、発熱体にもいくつかの種類があり、「ハロゲン < カーボン < ニクロム(シーズヒーター)」の順に遠赤外線放射量が多く、より暖かくなります。

 

基本的には部分的にしか暖められませんが、遠赤外線放射量の多いカーボンヒーターやシーズヒーターは、部屋の広さやヒーターの大きさによっては部屋全体をある程度暖めることも可能です。

 

また、短時間の利用にも適しているため、あまり暖房を多く使わないという方は、電気代を節約できるでしょう。

 

一人暮らしでは部屋の中で落ち着く場所が限られるため、使用している間は他の暖房器具が必要ないくらい暖かく、テーブル代わりにもなるこたつは、消費電力も少ないためコスパも抜群です。

 

デメリットとしては、こたつを置くスペースがある程度必要なことと、冬以外の季節はこたつ布団が収納を圧迫すること、部屋の中は暖かくならないのでこたつから出られなくなってしまいがちなことなどが挙げられます。

 

冷気は下に溜まる性質があるため、エアコンなどの暖房器具を使っていてもフローリングが冷えるといった場合におすすめしたいのがホットカーペットです。カーペット自体が発熱するので、足元を暖めてくれます。

 

ただし、ホットカーペットは部屋全体を暖める効果は期待できないので、他のメイン暖房の補助として使うのがいいでしょう。一人暮らしなら1畳用などのコンパクトなタイプを活用すると電気代も安く済みます。

 

ホットカーペット同様、直接発熱する電気毛布は就寝時だけでなく、作業中の腰回りや足元を暖める際にも活躍します。こちらも部屋を暖める機能はないため、メイン暖房としては使えませんが、最大のメリットはとにかく消費電力が少なく、電気代が安いことです。

 

たとえば、帰宅後にソファでくつろぐ間や、デスクで作業をする間など、暖房をつけずに電気毛布で済ませれば電気代を大幅に節約することができます。自分だけ暖を取れればいい一人暮らしには、使い勝手のいい暖房器具です。

 

最後に、暖房にかかる電気代やガス代などの光熱費を抑える省エネテクニックを紹介します。

 

当然ですが、暖房器具は出力を上げれば上げるほど光熱費が高くなります。

 

ここでは仮に、電気ストーブを弱(400W)で使った場合と、強(900W)で使った場合、1ヶ月でどれくらい電気代に差が出るのかを見てみましょう。

 

電気代は電力会社やプランによって異なりますが、今回は1kWhあたり27円(※1)で計算しています。

 

(※1 平成26年4月公益社団法人・全国家庭電気製品公正取引協議会による新電力料金目安単価)

 

 

弱運転(400W)

強運転(900W)

1時間の電気代

10.8円

24.3円

1ヶ月間の電気代(※2

972円

2,187円

(※2 1日3時間×30日で計算)

 

今回のケースでは、月間の電気代に1,000円以上の差が出ました。もちろん暖房機器の種類やモデルによっても変わりますが、なるべく暖房器具の設定温度や出力は低くしたほうが光熱費の節約になるでしょう。

 

例外として、エアコンは弱運転ではなく、自動運転がおすすめです。なぜなら、エアコンは室温を設定温度まで上げる際に最も電力を消費するためです。設定温度は低くしつつ、なるべく短時間で部屋を暖めるために自動運転にするようにしてください。

 

暖房に頼らずに、防寒グッズを活用して済ませるというのも、シンプルですが光熱費節約のために有効な方法です。

 

ボアフリースなどの暖かいルームウェアや保温性の高いルームシューズなどでしっかり防寒すれば、暖房の設定温度を低くしても十分過ごせるという場合もあるでしょう。

 

また、エアコンやストーブなど、温風を送り出すタイプの対流式の暖房器具の場合には、扇風機やサーキュレーターを使うのもおすすめです。暖かい空気は高いところに溜まる性質があるので、扇風機やサーキュレーターで上向きに風を送り、室内の空気を循環させてあげることで、効率よく部屋を暖めることができます。

 

また、部屋の気密性を上げるために、断熱シートを使うのも有効です。断熱シートとは熱を伝えにくい素材でできたフィルム状のシートで、ホームセンターや100円ショップ、ネット通販などで購入することができます。部屋の温度が逃げやすい窓に断熱シートを貼ることで、暖房で暖めた室温をキープしやすくなるでしょう。

 

一口に「一人暮らし用の暖房器具」といっても、部屋の広さや地域による寒暖差、ライフスタイルなどによって最適な暖房器具は変わってきます。

 

ぜひこの記事で紹介した暖房器具の選び方と各器具の特徴を参考に、自分にぴったりな暖房器具を見つけてみてください。

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