賃貸物件で契約者の変更はできる?

賃貸物件で契約者の変更はできる?
賃貸物件で契約者の変更はできる?

まずはご自身で結んだ賃貸借契約書の内容を確認してみましょう。賃貸借契約は、大家さん(貸主)と借りたい方(借主)が結ぶ契約です。基本的に契約者の変更はできません。ただし、賃貸の名義変更をする場合というのはさまざまなケースがあり、「名義変更」というやり方ではなく契約者の変更を行うことがあります。

賃貸物件で契約者の変更を行う必要がでてくるケースとは

どのような場合に契約者の変更が必要なのか例を挙げてみます。

1.結婚して苗字が変わった、改名を行った契約者本人であることは変わりありませんが、氏名のみ変更したいというケースです。個人だけでなく、法人においても中身は変わらず会社名のみが変わったというケースもこちらに当てはまります。

2.離婚、死亡離婚して契約者と他人になったが住み続けたい、契約者が亡くなってしまったなど、現在の契約者が居住しなくなったケースです。

3.法人契約⇔個人契約に切り替えたい・現在は社宅として法人が借り上げており、入居者(社員)が会社を辞めてしまったけれどもそのまま住み続ける
・転職先に社宅規定があり、個人契約から法人契約へ切り替えたい
・社宅代行業者を変更したため、法人名義から社宅代行業者名義へ変更したい
・法人契約をして社宅として使用しており、入居者(社員)を転勤させたので入れ替えたいが、変更後の入居者は社内規定を満たしていないので個人契約をさせたい
などのケースがあります。

4.名義を契約者以外の家族に変更したい・妻の会社の家賃補助を受けたい
・契約当時は学生だったので親名義で借りていたが、就職したので子ども名義に変更したい
このケースでよくあるのは、上記の家賃補助関係です。家賃補助を受けるためには契約者でないといけないという社内規定があるために、変更を希望するケースです。

5.まったくの他人に名義変更したい・退去する予定だったが、友人がそのまま借りたいと言っている
・3人でルームシェアをしているが、契約者のみ退去することになったので他の2人のどちらかを契約者に変更したいなど
契約者本人は退去したいけれど、そのまま住み続けたいと言っている友人などがいるケースです。

契約者を変更する場合には、「名義変更」と「再契約・新規契約」がある

変更する方法には、「名義変更」と「再契約」があります。

◎名義変更結婚して苗字が変わった、改名したなどのケースです。名前のみの変更で人物は変わっていませんから、賃貸人と賃借人の契約といった根本は変わりません。そのため「名義変更」といった形を取ります。

◎再契約・新規契約上記1のケース以外は契約者そのものが変更となっているため、現在結んでいる賃貸借契約の根底となる部分がなくなってしまいます。みなさんが部屋を借りる際、保証会社や大家さんの審査が通ってから契約しているはずです。新しい契約者に変更したい場合、改めて、家賃の支払い能力があるかなどといった審査が必要となります。契約は最初からやり直す「再契約・新規契約」といった扱いになります。ただし、通常の契約とは異なる部分もあります。

また他にも敷金や仲介手数料などで調整する場合があります。参考として紹介します。

〇敷金について
・敷金をそのままスライド今の契約者が大家さんに預けている敷金を返却せず、次の契約者の敷金とする方法です。この場合、預けている敷金はあくまで「次の契約者の敷金」という扱いになりますので、退去時も次の契約者に返却されます。敷金をそのまま次の契約者にあげるという形になりますので、他人同士よりは親から子に変えたい場合などに多くみられます。

・敷金を改めて大家さんへ預ける
今の契約者が大家さんに預けている敷金はそのまま返却し、次の契約者は改めて敷金を預ける方法です。

〇原状回復
通常、賃借人は原状回復義務を負っています。退去する際は、元通りにして明け渡さなければならない義務です。再契約・新規契約となる場合は、現契約者のいた期間の原状回復義務がどうなるかが問題となってきます。現契約が解約となった時点で室内を点検し、修補請求をする方法も考えられますが、家具などもそのままで住み続ける場合はなかなかそういったことも難しいと思います。修繕費用や方法については大家さんや管理会社によってやり方が違いますので、確認してみましょう。

〇仲介手数料
大家さんと直接契約するのではない限り、部屋を借りる際に仲介手数料を支払っています。再契約・新規契約の際も、管理会社が間に入るケースが多いでしょう。不動産会社によっては再契約・新規契約の際に仲介手数料などの手数料が発生する場合があります。今結んでいる賃貸借契約書に明記されている場合もありますが、そうでない場合は事前に管理会社へ確認してみましょう。

これらはあくまで一例です。大家さんや管理会社、現契約内容によって対応が変わってきますので、まずは大家さんや管理会社へ相談してみましょう。

契約者の変更の手順と必要なもの

「名義変更」と「再契約」のそれぞれで必要な手続きは異なります。

・名義変更の場合
変更契約書もしくは覚書といった名目の書類を取り交わします。名前が変わったことがわかるもの、住民票や運転免許証などの身分証のコピーが必要となります。その他については大家さんや管理会社によって異なりますので、事前に確認しておくと良いでしょう。

・再契約の場合
1.今の契約者の解約
2.次の契約者の申込
この2つはほぼ同時に行います。解約をする前に申込を行ってしまうと、二重契約とみなされ保証会社の審査が通らなくなってしまう可能性があるためです。
3.管理会社、保証会社、大家さんの審査
4.審査が通ったら重要事項説明を受け、契約
5.家賃などの入金

ここは通常の流れと同じです。

大まかな流れとしてはこのようになります。ただし、大家さんや管理会社によって多少方法が異なりますので、あくまで一例としてご参照ください。

名義変更が必要な場面で行わなかったらどうなるの?

上述したケースにおいて、もし名義変更を行わなかった場合どうなるかを考えてみましょう。

1.結婚して苗字が変わった、改名を行ったなど家賃の引き落としができなくなって滞納扱いされたり、書類上、本人確認ができないため転貸借していると誤解されたりする恐れがあります。

2.離婚、死亡など離婚後、例えば家賃は契約者が夫名義のまま夫が出て行ってしまった場合を考えてみましょう。家賃を滞納してしまった場合、大家さん(貸主)と夫(借主)の契約ですので、契約者である夫や夫の連帯保証人に請求されます。
また、賃借人が死亡した場合の賃貸借契約は、相続対象となっています。相続人が複数いれば賃借人としての地位も複数人に分散されます。

3.法人契約⇔個人契約に切り替えたい法人契約から個人契約にする場合、大抵の法人は個人の事情より先に解約日をしっかり決めて解約しますので、それまでに個人契約手続きをしなければ部屋を明け渡すことになります。
また、個人契約から法人契約へ切り替える場合は、家賃補助の兼ね合いがあるでしょう。手続きをしなければ会社からもらえるはずだった補助が受け取れない可能性があります。

4.名義を契約者以外の家族に変更したい上述したように、家賃補助の兼ね合いの場合は会社から補助が受け取れない可能性があります。
就職を機に親から子へ名義変更をしたいといったケースでは、名義を変更しなければ、家賃を滞納すると親とその連帯保証人に請求されてしまいます。

名義変更の手続きや考え方については大家さん、管理会社によってさまざまです。名義変更が必要となった時点で、早めに相談しましょう。

まとめ
・氏名の変更のみは「名義変更」として対応することが多い
・契約者そのものが変更になるということは、現契約の根本が変わってしまう
・契約者が変更になる場合は「再契約・新規契約」という形をとることが多い
・敷金、原状回復、手数料などの考え方が通常の契約と異なる

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