賃貸物件を契約する際には、不動産管理会社または大家さんによる入居審査が実施されます。入居審査とは「物件を貸しても問題のない人物か」を判断するために、入居希望者の状況についてチェックするものです。

入居審査を通過しないと賃貸借契約を締結することはできないため、申し込みの順番が早かったとしても、別の人に入居が決まってしまう可能性もあります。

そこで、この記事では気に入った賃貸物件に速やかに入居するために、賃貸借契約における入居審査の概要や必要な書類、審査を通過するためのコツ・ポイントについて解説します。

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気に入った賃貸物件が見つかり、不動産会社に入居を申し込んだ後に行われるのが「入居審査」です。入居を申し込めば必ず契約できるわけではなく、審査に通ってはじめて賃貸借契約を締結できます。

 

入居審査の目的は、入居希望者が物件を貸しても問題ない人物かどうかを判断することです。この審査は、賃貸借契約締結前に行われます。

 

入居審査では、「入居希望者に家賃の支払い能力があるか」「所定のルールをしっかりと守りトラブルを起こさない人物か」といった観点でチェックします。貸主である大家さんが自ら審査を行うこともありますが、多くは大家さんから委託を受けて物件を管理する不動産管理会社が入居審査を実施します。

 

また、近年では入居者に対し、連帯保証人をつける代わりに指定の家賃保証会社を利用することを定めている物件も多く存在します。こうした物件では、家賃保証会社が入居審査を行うケースもあるでしょう。

 

場合によっては、大家さん・不動産管理会社・家賃保証会社のうち2者以上が立ち会って審査することもあります。

 

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入居審査では、入居申込書とともに不動産会社へ必要書類を提出します。入居申込書で記入する事項は、主に次のとおりです。

  • 氏名
  • 生年月日、年齢
  • 現住所
  • 連絡先
  • 勤務先の名称、住所、電話番号
  • 勤務先の勤続年数、年収  
  • ※連帯保証人がいる場合も同様

なお、本人以外に入居者がいる場合には、以下項目の記入が必要です。

  • ほかの入居者の氏名
  • 生年月日、年齢
  • 連絡先
  • 勤務先の名称、住所、電話番号など

入居申込書とともに確認・提出が求められる書類としては、次のようなものが挙げられます。

  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 住民票の写し(3ヶ月以内に発行のもの)
  • 収入を証明する書類のコピー(源泉徴収票、課税証明書など)
  • ※連帯保証人をつける場合は「連帯保証人の承諾書」が必要。「連帯保証人の収入を証明する書類」を必要とすることもある

不動産管理会社や大家さんによっては、入居申込者に関する書類の確認・提出だけでよいとするケースもあれば、連帯保証人の収入証明書類まで細かくチェックするケースもあります。そのため、どのような書類を必要とするかを事前に確認したうえで、スムーズに契約を締結できるように準備しましょう。

入居審査は必ず通過できるわけではありません。ここでは、入居審査に落ちる理由について見ていきましょう。

入居審査が通らない理由としてまず挙げられるのは、家賃の「支払い能力」の問題です。

 

一般的には、家賃が収入の3割以内に収まっていることが「支払い能力あり」と判断される目安といわれています。また、毎月安定した収入を得られているかも重視されるポイントです。そのため、雇用形態が不安定な場合は審査に影響する可能性があります。

 

なお、求職中や失業中の場合も審査に影響しますが、家賃の1~2年分に相応する貯金があれば、審査を通過できる可能性が高まります。

過去にクレジットカードの利用代金やローンの支払いの滞納があると、信用情報機関にブラックリストとして記録されるため、入居審査を通過するのが難しくなります。

 

信用情報は、信用機関のWebサイトを使えば自身で確認できるので、心配な人は事前にチェックしておくといいでしょう。なお、信用情報機関に記録されるネガティブな情報は5~10年間残ります。

 

そうなれば入居審査は通りづらくなるため、こういった事態を発生させないように、毎月どのくらいの支払いが発生するのか把握しておくことが大切です。

入居申込時や審査時の態度や服装も、入居審査に影響する要因の一つです。

 

たとえば、対面で話す際に大声を出す人や高圧的な態度をとる人、不衛生な身なりの人などは、不動産会社が「大家さんへ安心して紹介できない人物」と判断し、入居審査に通過しにくくなってしまいます。

 

第一印象から心証をよくするためにも、初対面時には清潔感のある服装や丁寧な対応を心がけるようにしましょう。

ほかの入居者とトラブルになる可能性がある人も、入居審査で敬遠されがちです。

 

たとえば、夜勤のある仕事をしている人は、日中に勤務する人との生活時間帯の違いによるトラブルが懸念されるため、入居審査を通過しにくいことがあります。

 

また、単身者が中心の物件に、小さな子どもがいる人が入居を希望するような場合も、騒音トラブルの可能性があると判断され、入居審査に通過しにくくなるケースがあります。

近年は、家賃保証会社との契約を求める物件が主流になっていますが、なかには連帯保証人をつけることを条件にしている物件もあります。

 

こうした物件に入居を申し込む場合、保証人や頼れる親族がいないと、本人が家賃を滞納したときやトラブルを起こしたときに責任を取れないと判断され、入居審査に通過するのが難しくなります。

 

また、連帯保証人から承諾を受けられたとしても、その保証人に一定以上の収入がない場合には、収入不足で審査に落ちてしまうことも考えられます。

 

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これまで見てきたとおり、気に入った賃貸物件が見つかっても、入居審査に通過できないケースもあります。 ここからは、入居審査に無事通過するために、今すぐ実行できることを解説します。

賃貸借契約を締結するにあたり、貸す側(大家さんや不動産管理会社)は、入居希望者に十分な家賃の支払い能力があるかを重視しています。これは、貸す側の最大の目的が家賃収入を得ることであり、家賃滞納が大きなリスクになるためです。

 

もし、自身の収入に不安があるのであれば、経済力のある連帯保証人を立てることで、入居審査を通過する可能性を高められるでしょう。なお、連帯保証人は、まとまった収入を安定的に得られている親族に依頼するのをおすすめします。

 

しかし、どうしても連帯保証人を立てるのが難しいケースもあります。その場合、家賃保証会社を利用している物件から選ぶようにすれば、入居審査に通過できる可能性があります。

家賃の支払い能力とともに、賃貸人が重視するのが「入居後にトラブルを起こすような人物ではないか」という点です。実際にトラブルを起こすかは入居しないと分からないものの、入居審査の時点で言動や身だしなみに問題があると判断されれば、入居審査を通過するのは難しいでしょう。

 

賃貸人が安心して物件を貸し出せるように、不動産会社の担当者や大家さんに会う際は最低限のマナーを守ることが大切です。具体的には、話す際には敬語を使ったり、清潔感のある服装で臨んだりなど、相手に不安を与えないように気を配ることが重要です。

 

賃貸人によい印象を与えられれば、実際に入居してからも良好な関係を築ける可能性が高まります。

気に入った賃貸物件が見つかっても、契約前の入居審査に落ちれば契約することはできません。入居審査で賃貸人が特に重視するのは「入居希望者に家賃の支払い能力があるか」「トラブルを起こすような人物ではないか」という2点です。

 

賃貸物件は大家さんや不動産管理会社にとって大切な財産です。「この人であれば安心して貸せる」と思ってもらえるような対応をとることで、入居審査に通過できる可能性が高まります。

 

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