「新生活はきれいな部屋で始めたい!」という人は、物件を探すうえで“新築であること”に重きを置いている場合もあるでしょう。しかし、そもそも新築とは具体的にどのような状態を指すのでしょうか。

今回は新築という言葉の定義を解説したうえで、メリット・デメリットの両面から特徴を紹介します。

新築・築浅物件

新築とは?

 

不動産の広告表示における“新築”とは、「まだ誰も入居していない、かつ、誰も使用していない」「建築工事完了の日から1年以内」という2つの条件を満たした状態の物件を指します。

 

仮にまだ誰も入居していなくても、建築完了後1年以上の期間が経過してしまうと新築としては扱われず、「未入居物件」と表示されるようになります。

 

反対に、築後1年以内であっても、誰かが住んでいた履歴があれば、新築ではなく「築浅物件」として扱われます。なお、少し細かなポイントにはなりますが、物件の完成日は、検査済み証に記載されている日付に基づいて決められます。

 

いずれにしても、上記のように新築として扱える期間は限られているため、新たに建物を建てる際には、完成前から入居者の募集が行われるケースが多いです。

新築の賃貸物件のメリット

 

新築には、通常の物件にはないメリットがあります。ここでは、大きく3つのポイントに分けて見ていきましょう。

 

もっとも大きなメリットは、誰も使用したことがない物件に、一番乗りで入居できる点にあります。建物の完成後にすぐ入居するケースが多いので、新築特有の香りや雰囲気を味わえるのが魅力です。

 

賃貸物件のほとんどは築後何年か経過しており、その間に何人も入居者が入れ替わっています。入れ替えのたびに修繕や清掃は行われていますが、どうしてもキズや使用感などは残ってしまうものです。

 

新築の場合は、当然ながら外装・内装ともにきれいな状態であり、設備も未使用のまま入居できます。

 

また、築年数が経過した物件と比べると、新しく性能の高い設備が導入されているケースも多いので、使い勝手が良いのも魅力のひとつです。

 

新築物件は優れたセキュリティ設備を整えているところも多いです。モニター付きインターホンやオートロック、防犯カメラなどの防犯設備が整っていると、一人暮らしでも安心感があります。

 

新築・築浅物件

新築の賃貸物件のデメリット

 

続いて、新築物件のデメリットも見ていきましょう。

 

新築はそもそも物件数が少ないため、希望するエリアで見つけるのが難しい面もあります。

 

LIFULL HOME’Sで東京23区の賃貸物件を検索したところ、2022年8月時点において全22万4,816件のうち、新築は1割程度の2万6,701件でした。

 

新築にこだわるのであれば、場合によっては引越し時期や立地などの条件を緩和せざるを得ないケースもあるでしょう。

 

新築は人気が集まりやすいため、立地や広さなどの条件に対して家賃が割高に設定されることが多いです。そのため、周辺相場と比べると、家賃設定にはゆとりを持たせておく必要があります。

 

ただし、はじめの入居率を上げるために礼金なしなどのお得な条件が設定される場合もあるので、家賃以外の条件にも目を向けてみましょう。

 

新築特有の問題として、シックハウス症候群が挙げられます。これは、住宅建材に含まれるホルムアルデヒドなどの化学物質によって、頭痛や吐き気、めまいなどが引き起こされる現象です。

 

新築の場合は建材が新しいため、体質によっては強く反応が出てしまうケースもあります。

 

室内の換気をしていれば、時間の経過とともに症状は治まっていきますが、気になる場合は新築以外の選択肢にも目を向けてみる必要があります。

 

前述のように、新築は建物が完成していない段階で借りるかどうか決断しなければならない場合も多いです。未完成の場合は内見ができないため、図面をとおして確認することとなります。

 

実際に室内を見てから判断したい場合、家主によっては完成まで仮契約の状態にしておき、内見後に改めて本契約を結べるケースもあります。しかし、その間にほかの人が契約を決めてしまう可能性もないとはいえません。

 

どうしても借りたい物件であれば、建築中に現地へ足を運び、外から部屋の場所や日当たりを確認するなどの工夫も必要です。

新築物件の効率的な探し方

 

新築物件を探す方法は、シンプルです。LIFULL HOME’Sなどの不動産ポータルサイトの検索機能で築年数を「新築」に限定すれば、簡単に新築物件だけを絞り込むことができます。

 

新築・築浅物件

新築以外の物件

 

これまで解説したように、新築物件はどうしても数が限られ、立地や間取りなどの条件を設定すると、希望の部屋が見つからないケースも少なくありません。

 

単に内装や設備の新しさを求めるだけなら、新築以外でも条件に見合った物件が見つかることもあるので、少し視野を広げて探してみましょう。ここでは、新築以外の2つの選択肢を紹介します。

 

築浅物件とは、新築以外の物件のなかでも特に築年数が浅いものを指します。具体的に何年以内を築浅と呼ぶかについては明確な定義がないものの、築後3~5年以内のものを指す場合が多いです。

 

築浅の物件には、新築に近い状態のものもあり、清潔で設備の状態も良好な物件が見つかりやすいです。

 

新築と比べると物件の候補数はグンと広がるため、なかなか理想的な物件が見つからないときには、築浅にも目を向けてみるのがおすすめです。

 

リノベーションとは、古くなった住まいを大規模に改修し、グレードアップする方法のことです。老朽化したものを修繕するリフォームとは違い、リノベーションには新たな付加価値を生み出すという意味合いがあります。

 

築年数が経過した賃貸物件には、リノベーションによって内装や設備を入れ替え、新築に近い状態に生まれ変わらせているところもあります。

 

水回りの設備なども新しく取り換えるため、見た目だけでなく清潔さも向上するのがリノベーション物件の魅力です。

 

築古であれば家賃自体はそれほど高くないため、新築よりも安い賃料できれいな物件を借りられるという点で、有力な選択肢になるでしょう。

 

ただ、建物全体や外観などを入れ替えるわけではないため、外からの見た目の古さが気になってしまう可能性はあります。

 

また、あまりにも築年数が経過している場合、耐震基準が現行のものより古いケースもあるので、不安な点があれば不動産会社に相談しましょう。

 

いずれにしても、築浅物件やリノベーション物件も選択肢に入れて探せば、人気エリアや好立地でも物件を見つけやすくなるのでおすすめです。

新築物件イメージ

 

  • 新築とは、物件の完成後1年以内かつ誰も入居していない状態のことを指す
  • 建物の完成前から入居者募集がスタートすることが多い
  • 一番乗りの特別感ときれいな外観、内装、設備が新築物件の魅力
  • 物件数が少なく家賃が割高な点がデメリット
  • 新築の代替案として、それ以外の選択肢にも目を向けてみよう

 

新築・築浅物件

更新日: / 公開日:2018.02.06