賃貸住宅を退去する際は、室内を入居時と同じ状態に戻す“原状回復”が原則のため、壁や柱に釘を打ったり、壁を塗装したりすることはできません。
そのため、インテリアに不満があっても我慢している、という人も多いのではないでしょうか。
しかし、近年では賃貸住宅でも楽しめる“原状回復できるDIYリフォーム”が人気を集めています。
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DIYで部屋の雰囲気を思い通りに変えよう
DIYとは、“Do It Yourself”の略で、直訳すると“自分でやる”という意味です。
かつては、素人が趣味で行う木工のことを“日曜大工”と呼んでいましたが、より広い意味で使える“DIY”という言葉が一般的になってきました。
のこぎりや金槌などの工具を使わずに、木材を接着剤で貼り合わせて小さな棚を作るのも、立派なDIYです。

“DIY”は“日曜大工”よりも広い意味で使われるんですね。
DIYが人気を集める理由としてまず挙げられるのが、プロに依頼するよりもお金を節約できるということです。
それ以外にも、自分の思い通りにインテリアを変えられる、家族や友達と一緒に作業することで思い出が作れるなど、お金の面だけではない魅力があります。
原状回復できる、壁のDIYリフォーム
原状回復できるDIYリフォームで、よく活用されるのが“マスキングテープ”です。マスキングテープとは、本来は塗装などを行う際、塗料や汚れを付けたくない部分に貼って保護するための資材です。
そのため粘着力が弱く、不要になったらきれいにはがすことができます。好みの色のマスキングテープを等間隔に壁に貼るだけでも、手軽にストライプ模様を作ることが可能です。

マスキングテープは豊富に種類があるので、お好みの柄を見つけてみてもいいかもしれません。
マスキングテープやはがせるのりで壁紙を張る
通常、壁紙のリフォームは、既存の壁紙をはがしてから、新しい壁紙を水性ののりで貼っていきます。
賃貸住宅の場合は、既存の壁紙をはがすことはできないので、上から重ね貼りをしていくことになるのですが、この際に役立つのがマスキングテープです。
既存の壁紙に等間隔にマスキングテープを貼り、その上に両面テープを重ね貼りしたうえで、のりが塗られていない壁紙を貼っていきます。この方法は、壁紙に“たわみ”ができやすいので、2人以上での作業がおすすめです。
原状回復に適した、はがせるタイプの壁紙のりも市販されています。
粘着力が弱いため不要になったらはがすことができ、残ってしまった場合も水拭きすれば落とすことが可能です。貼り直ししながら作業できるため、マスキングテープと両面テープを使用する方法よりもきれいに仕上げやすいのです。
また、裏面にドット状にのりが付いた、賃貸住宅向けの壁紙もあります。シールのような感覚で既存の壁紙の上に貼っていくだけなので、より手軽です。
いずれの場合も、定期的に目立たない部分をはがしてみて、壁の状態を確認すると安心です。

大事な人と一緒に作業をすると思い出作りにもなります。
ツーバイフォー材を突っ張らせて棚をDIY
クローゼットの整理などに“突っ張り棒”を活用している人は多いのではないでしょうか。
ホームセンターなどで購入できるツーバイフォー規格の木材を、大きな突っ張り棒に変えるパーツが市販されています。
このパーツを材木の両端に取り付けると、床と天井の間に突っ張らせて柱を立てることが可能です。壁に釘を打たなくても、棚や収納を作れるようになります。
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原状回復できる、床のDIYリフォーム
賃貸住宅の床リフォームでおすすめの資材が、“クッションフロア”です。
柔らかいビニール系素材で、タイル風・フローリング風・コンクリート風など、柄の種類がたいへん豊富で、価格も手頃です。通常のリフォームでは、既存の床材をはがした後に、強力な接着剤で新しい床材を貼ります。
クッションフロアは接着剤を使用せずに敷くだけでも、手軽に部屋の雰囲気を一変させることができます。
床よりも大きめにカットしておき、敷きながら微調整するのがおすすめです。端のずれが気になる場合は、壁紙と同様に、マスキングテープと両面テープの重ね張りで固定すると良いでしょう。
また、床のDIYには“タイルカーペット”もおすすめです。裏面が吸着する素材なので、フローリングの上に端から並べていくだけで手軽に設置できます。
一辺40~50cmの正方形なので、汚れたらその部分だけを交換することが可能です。洗えるタイプのものを選べば、子供やペットがいる家でも安心して使用できます。

クッションフロア
原状回復のいらないDIY可物件も登場している
近年はDIY人気の高まりから、100円ショップでも工具や資材が手に入るようになりました。また、賃貸住宅でも使用できる原状回復専用のインテリア資材も続々と発売されています。
工具などを使用した経験がなく不安を感じる人は、いきなり大物に挑戦するよりも、まずは小物の塗装などから始めてみるのがおすすめです。
また、“DIYリフォームを楽しめる”ことを売りにした賃貸物件も登場しています。
指定の壁であれば自由に貼り替え・塗装できる物件から、室内のどこをリフォームしても原状回復しなくて良いという物件まで、DIYできる範囲はさまざまです。
ただしどのケースでも、どこにどんなリフォームを行なうつもりなのかを事前に提示し、承諾を得ることが条件となっています。
リフォームの内容によっては、住宅の性能を損ねる可能性もあるので、不明な点は必ず管理会社や大家さんに確認しましょう。
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更新日: / 公開日:2017.08.28









