賃貸物件を探していると「敷金・礼金なし」と書かれた物件を見かけることがあります。引越しでかかる初期費用は金額も大きいため、敷金・礼金がかからないのは魅力的です。しかし敷金・礼金が無料の物件には、それなりの理由があります。物件選びで失敗しないために、敷金・礼金無料物件のメリットとデメリットを解説します。
敷金礼金0(ゼロ・なし)物件引越し料金の見積もりをする

不動産サイトや不動産会社の張り紙などで賃貸物件を探すときに、家賃と敷金・礼金はまず気になるところです。この金額次第で、引越し時にかかる初期費用が大きく変わってきます。

例えば、家賃を1ヶ月6万円とした場合の初期費用を計算してみます。敷金・礼金・不動産仲介手数料は、それぞれ1ヶ月ずつとします。家賃が月末払いの場合、契約時に翌月分と合わせて家賃2ヶ月分となることが多いです。すべて合計すると6万円×5(敷金・礼金・不動産仲介手数料・家賃2ヶ月分)で、初期費用は最低でも30万円程度が必要です。他にも引越し会社の費用などをプラスすると大きな負担です。

 

引越しの初期費用はいくら?

引越しの初期費用はいくら?

敷金は賃料・補修費用を担保する目的の金銭で、基本的には退去時に戻ってくる費用です。ただし賃貸では部屋を退去するときに原状回復させることが決められています。そのためのハウスクリーニング代や入居者が故意、過失で壊した箇所の修繕費用として敷金が当てられます。礼金は言葉の通り、お礼として払う費用です。日本以外ではあまり見られない文化で、アメリカやヨーロッパでは敷金に近いものはあっても、礼金のように用途があいまいな費用はないようです。日本特有の文化といえるでしょう。

 

以前は敷金も礼金も2ヶ月分やそれ以上かかる物件もありましたが、昨今は減少傾向にあります。空き家が増えている今の時代、敷金・礼金が高いと入居者が決まらない可能性があるからです。そのため、初期費用がかからないことをメリットとして提示する物件が増えてきています。

 

用途があいまいな「礼金」は、日本特有の文化

用途があいまいな「礼金」は、日本特有の文化

敷金・礼金無料だと初期費用が大幅に減るため、一見、魅力的に感じます。しかし、実際は金銭的に損をするような問題物件もあります。問題物件の主な例を3つ説明します。

 

1つ目は何か問題のある物件ということ。空き部屋はなくしたいのが貸主の本音です。しかし、問題がある物件は、そのままでは入居者が決まらないため、敷金・礼金を無料にしてでも入居してもらいたいのです。敷金・礼金無料の物件は築年数が古かったり、耐震基準に問題があったり、立地が不便だったり、日当たりが悪かったりなどのマイナス要因がある可能性が高いようです。

 

敷金・礼金ゼロ物件は、どこか難ありかも…?

敷金・礼金ゼロ物件は、どこか難ありかも…?

2つ目は”その他の費用”が発生することです。敷金はかからなくてもメンテナンス費用として徴収されたり、鍵交換費用が高額だったり、敷金・礼金以外のところで初期費用が必要となるケースもあります。どんな費用がかかるのか、募集内容を確認しましょう。

 

3つ目は家賃に上乗せされているケースです。貸主は他の物件よりも魅力的に見せるために敷金・礼金無料として興味を引きます。しかし、初期費用の分はしっかりと家賃に上乗せしているケースもあります。マンスリーマンションのように短期で退去するのが前提の物件の場合、多少家賃が高くても初期費用が安い方がメリットとなりますが、長く住むとなると金銭的損失となってしまいます。

 

実は家賃に上乗せされているケースも…

実は家賃に上乗せされているケースも…

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敷金・礼金無料物件のデメリットを説明しましたが、それでも初期費用がかからないというメリットはあります。入居時に十分な予算がない人で、多少不人気の物件でも気にしないのであれば、選択する価値はあるでしょう。敷金が初期費用でかからなくても、退去時にハウスクリーニング代や修繕費は請求されるケースが多いため、最初に払うか最後に払うかの違いです。

 

住んでから問題に気が付くという事態を避けるためにも、事前の内見で入念にチェックし、周辺住人についても確認しておくといいでしょう。それから家賃上乗せがあるかをチェックするには、家賃相場を確認できるサイトで事前に調べておき、近隣の物件と比べて不自然に高い場合は注意が必要です。

 

気になることは事前に自分で調べることも大切

気になることは事前に自分で調べることも大切

 

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更新日: / 公開日:2017.01.15