賃貸物件を探す時には、最寄駅までの距離・間取り・家賃など自分にあった条件の物件を探すことが大切です。そしてもう一つ、賃貸物件を借りる際に重要なのが「築年数」です。では、築年数は具体的にどこに着目して見極めれば良いのでしょうか。今回はそのポイントや考え方について解説します。
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築年数と家賃との関係性
賃貸物件を借りる際に、なぜ築年数が重要なのでしょうか。それは、築年数と家賃相場が密接に関係しているからです。
例えば、隣同士にXとYの2つのワンルームマンションが建っているとします。Xマンションの家賃が5万円、Yマンションの家賃が6万円の場合、Xマンションの方が、割安感があって良さそうです。しかし、Xマンションが築20年でYマンションが築5年だったらどうでしょうか。今度は、Yマンションの方が新しくて良さそうな気がします。
築年数は原則として古くなればなるほど家賃相場が安くなるという特長があります。そのため、物件の家賃が高いか安いかを見極めるためには、必ず築年数と照らし合わせて他と比較する必要があります。

築年数と家賃の関係は?
築年数が経過すると、ここが劣化する
築年数と共に家賃が値下がりする理由は、時間の経過により建物自体やその設備が劣化していくからです。築年数と共に劣化しやすい部分について、内覧時のチェックポイントを解説します。
チェックポイント1:建物の外観
築10年ほどが経過してくると、外気にさらされている外観部分が劣化していきます。内覧時には、外壁タイルの剥がれがないかなどよく確認しておくと良いでしょう。
チェックポイント2:エントランス
エントランスは、物件の「顔」とも言えます。エントランスが劣化していると、どうしても印象が悪くなります。ここでのポイントは、劣化しているのか、それとも掃除が行き届いていないだけなのかを見極めましょう。多少古くなっていても、築年数相応で家賃さえ相場通りならそこまで気にする必要はありません。しかし、チラシが散乱していたり、集合ポストが錆び付いているような場合は、大家さんや管理会社の管理がずさんである可能性がありますので注意しましょう。
チェックポイント3:床のきしみ具合
室内に入ったら、まず部屋を一通り歩いてみて、きしむ部分がないかを確認しましょう。築10年以上が経過していると、床が沈み込む部分がある可能性もあります。床のきしみは階下への振動による騒音問題を引き起こす可能性があるため、必ずチェックしましょう。
チェックポイント4:水回りの清潔感
古い物件で最も注意しなければならないのが水回りです。水回りは一番劣化が激しく、入退室の際にハウスクリーニングを入れても劣化していきます。
ここでのポイントは、次の2点です。
1:蛇口
実際にキッチンや風呂場の蛇口から水を出してみましょう。古い物件の場合、最初に赤茶けた水が出ることがあります。これは、水道管内部が錆び付いているために起きる現象ですので、あまりお勧めできません。
2:ゴムパッキンのカビ
キッチンやお風呂場には、隙間や溝を埋めるように白いゴムパッキンがついていますが、掃除が行き届いていないとパッキンにカビが生えていることがあります。根が深いカビは掃除では落とせないため、入居後に気がついてもどうにもなりません。気になる人は必ず事前に確認しておきましょう。

水回りの清潔感は必ずチェックを!
築年数が古くてもお勧めできる物件の見極め方
このように築年数による劣化は、部屋探しをする上で重要なポイントです。また、その一方で古くなっていても、しっかりとメンテナンスされている物件であれば、家賃が値下がりしている分、むしろ割安でお勧めということになります。
一般の人が物件を内覧してメンテナンスが行き届いているかどうかを確認することは容易ではありませんが、唯一簡単にそれを知る方法があります。
それは、建物の「清掃状態」をチェックすることです。主なチェック項目は以下の通りです。
古くてもおすすめできる清掃が行き届いた物件のチェック項目
- 現地物件の敷地内やエントランス・通路等にゴミや落ち葉は落ちていないか
- マンションの掲示板に古くなった掲示物がそのまま掲示されていないか
- 集合郵便受けからチラシが溢れていないか
- 玄関扉は綺麗に塗装されているか
- 駐輪場の自転車はきちんと整理して置かれているか
これらのチェック項目がいずれもクリアできている物件は、大家さんのメンテナンス管理に対する意識が高いため、物件の保存状態が築年数以上に良好である可能性があります。反対に、これらの項目がすべて汚いようだと大家さんのメンテナンスに対する意識が低い可能性があり、入居後も故障などにスムーズに対応してもらえない可能性があるため、注意しなければなりません。

駐輪場が整頓されているかどうか確認を
「築浅=お勧め」とは限らない
築年数については、大家さんがどれだけメンテナンスにお金をかけているかによって、その中身は大きく異なってきます。そのため、見るべきポイントは図面上の形式的な築年数ではなく、実際に実物を内覧した際に感じる実態年数です。
また、1981年以降の物件は新耐震基準のもと建てられていますが、それ以前のものに関しては、耐震性能に注意が必要です。ただし、1981年以前の建物でも、耐震補強工事を実施しているケースもあるため、一概に築年数のみで判断すべきではありません。耐震措置をとっているかどうかは、賃貸借契約前に行う重要事項説明で不動産会社が説明してくれます。この点については必ず確認するようにしましょう。そして、家賃とのバランスを考えて、メンテナンスの行き届いている物件を選ぶことが重要です。

古くても良い建物はたくさんあります
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更新日: / 公開日:2017.01.06










