ロフトとは部屋の一部を二層式にし、ハシゴを使用して出入りする空間です。ロフトのもともとの意味は「屋根裏部屋」のことを言います。

アメリカなどの海外では、天井の高い倉庫や工場を住居用に改装した空間のことをロフトスタイルと呼んでいます。

ロフト付きの物件

 

日本の賃貸住宅に、ロフト形式の空間を備えた部屋が登場したのは1980年代後半頃です。限られたスペースを有効活用できる、海外インテリアのようなおしゃれな空間が演出できるとして人気を集めました。

 

ロフト付き物件が登場し始めた頃は物珍しさもあり、家賃が高めに設定されていることが多かったのですが、近年では手頃な賃料で借りられるようになっています。

 

ロフトは法律上「小屋裏収納」と呼ばれており、居住スペースの床面積にはカウントされません。ロフトの天井が低い理由は、建築基準法により「小屋裏収納の高さは1.4mまで」と定められているからです。

 

それでは、ロフト付き物件のメリットとデメリットを確認してみましょう。

 

ロフトは法律上「小屋裏収納」と呼ばれます

ロフトは法律上「小屋裏収納」と呼ばれます

 

ロフトの高さを確保するぶん居室全体の天井が高いので、空間に開放感があります。同じ広さの部屋でも、天井が高いほうがより広いように感じる効果があるからです。

 

海外の建物と日本の建物の大きな違いのひとつが天井の高さ。インテリアにこだわる人にはロフト物件がおすすめです。

 

ロフトはクローゼット収納に比べて、大容量であることが魅力です。衣装持ちの人、本をたくさん持っている人、サーフボードなどの大きな荷物がある人などにおすすめです。

 

また、ワンルームの物件では、玄関から部屋全体が丸見えになってしまうということもありがちです。来客にはあまり見られたくない物や生活感のある物をロフトに収納すれば、居住スペースをスッキリと片付けられます。

 

見られたくないものをロフトに収納するのも一案

見られたくないものをロフトに収納するのも一案

 

ロフトを収納だけでなく、居住スペースとして活用する人もいます。布団を敷いて寝室として利用するほか、書斎やシアターコーナーなど趣味のスペースとしてプライベートな空間として活用することも可能です。

 

また、部屋をひとつ増やす感覚でロフトを利用するなら、家賃が節約できるかもしれません。例えばロフトなしの2DK物件よりも、ロフト付きの1DK物件のほうが家賃が安いことが多いからです。

 

ただし建物の構造によっては、天井が斜めになっていたりロフトの高さが1.4mよりも低いこともあります。物件を見学する際にはメジャーを持参して、空間の広さを確認しましょう。

 

ロフト付きの物件

 

ロフト付き物件に住みたいと考えるなら、ロフトをどう活用したいかを具体的に確認してみましょう。デメリットも紹介しましたが、ロフトのメリットを大きく活かせるはずです。

 

ロフト物件に住んだ人の不満として最もよく聞かれるのが「ロフトは暑い」というもの。

 

暖かい空気は上に昇り、冷たい空気は下に降りる性質があるため、夏場のロフトはサウナ状態になってしまうこともあります。

 

そのためロフトを寝室として使用している場合、夏場は下の居住スペースへ布団を移動するという人も多いようです。

 

ロフトは、とにかく暑い

ロフトは、とにかく暑い

 

ロフト物件のメリットでもある空間の広さは、冷暖房の効率が悪くなる原因でもあります。

 

特に夏場は熱中症対策としてもクーラーは欠かせませんが、エアコンをフル稼働させてもなかなか気温が下がらないことも多いようです。

 

このような事態を避けるため、ロフトスペースに換気用の窓が付いている物件がおすすめです。エアコンを使用する前に、部屋にこもった熱を排出することができます。

 

物件の見学の際には、居室の窓をすべて開けてみて部屋全体に風が通り抜けるかどうかを確認しましょう。

 

一般的にロフトへの昇り降りには、固定されていないハシゴを使用します。ふだんは問題なく昇り降りができても、体調を崩し高熱がある時などにはハシゴの使用は怖くてできないという声が多いようです。

 

寝ぼけやすい人や、お酒を飲んで酔っ払って帰宅することが多い人も、ロフトを寝室として使用するのは要注意かもしれません。

 

※ロフトへの昇り降りに使用するハシゴの形態については自治体によって指導が異なるため、一部の地域では固定式のハシゴや階段が取り付けられていることもあります。

 

内覧時にはハシゴを実際に使用して何度か昇り降りしてみましょう。また、ハシゴに転倒を防止する装置が付いているか、安全性についても確認しておきましょう。

 

はしごから落ちないように注意を!

はしごから落ちないように注意を!

 

ロフトは天井に近いため、建物の工法や防音設備によっては上の階の生活音が聞こえやすいことがあります。

 

物件の見学の際に確認できれば良いのですが、上の階に住んでいる人が常に在宅しているとは限らないので難しいところです。

 

収納として使用する場合には問題ありませんが、寝付きの悪い人はロフトを寝室として使用するのは不向きかもしれません。

 

ロフトへの出入りは原則的にハシゴのため、大きな物や重たい物を下ろすのは、運び入れる時以上に大変です。収納力が高いからといって何でも放り込んでしまうと、運びだすのが面倒な物は死蔵化してしまいます。

 

ロフトに収納した物の死蔵化を防ぎスペースを有効活用するためには、物を運びこむ際に下ろすことが容易かどうかも考えましょう。

 

ロフトを寝室にする場合は、上げ下ろしのしやすい軽量マットレスの使用がおすすめです。

 

ロフトをどのように利用するのか、考えて決めましょう

ロフトをどのように利用するのか、考えて決めましょう

ロフト付き物件に住みたいと考えるなら、ロフトをどう活用したいかを具体的に確認してみましょう。デメリットも紹介しましたが、ロフトのメリットを大きく活かせるはずです。

 

ロフト付きの物件

更新日: / 公開日:2016.08.23