建物価値の目減り

一戸建て・マンションともに、買って住んだ瞬間に建物の資産価値が落ち続けるということはご存知の方も多いかと思います。建物はおおよそこのようなイメージでその価値(評価)を目減りさせます。

建物価値の目減り
建物価値の目減り

中古戸住宅の築年帯別平均価格

もう少し具体的に、中古住宅市場がどのようになっているか見てみましょう。土地もあわせた中古一戸建ての場合、建物のそれと同様、やはりなだらかに下がり続けています。

中古戸住宅の築年帯別平均価格
中古戸住宅の築年帯別平均価格

中古マンションの築年帯別平均価格

一方、マンションの場合はどうでしょうか。

ある程度の築年数まではやはり下落しているのですが、築16~20年くらいから下落のカーブが非常に緩やかになっています。これは何故でしょうか。個別具体的に精密な検証をしたわけではありませんが、理由にはおそらく2つあると考えられます。

中古マンションの築年帯別平均価格
中古マンションの築年帯別平均価格

価格下落の理由

ひとつには「“木造”と“RC(鉄筋コンクリート)造”の、構造の違い」です。一戸建ては木造が主流ですが、木造住宅には漠然とした不安、特に耐震性についての不安をもたれる傾向があるといえます。一方でマンションはRC(鉄筋コンクリート)造だから、相対的になんとなく安心感をもたれる傾向があるようです。本当は、構造による耐震性の差というものがあるわけではないのですが、工事品質などによって木造住宅にはばらつきが大きいということはいえます。

建物の寿命について「木造はあまり長持ちしない、RC造のほうが長寿命だ」といったイメージがありますが、実際にはその差はあまりないようです。早稲田大学の推計によれば、木造・RC造共に平均寿命は45~55年程度とのこと。もちろんこれはあくまで平均であり、現実にはもっと長持ちするものもありますし、もっと早くダメになってしまうものもあります。

もうひとつ「“一戸建て”と“マンション”の立地の違い」。一戸建ては都心部より郊外、駅近というより徒歩圏内。一方でマンションは都心部、駅近に立地する傾向です。このところ、郊外住宅地の地価はなだらかに下落し続けています。都心部や駅近立地はおおむね地価が反転したり、持ち直したことが何度かありました。

郊外住宅地の地価は全体としてまだ下がるでしょう。都心・駅近の地価についてはもちろん立地によるものの、価値が落ちない、ないしは落ちづらいといったケースが増えるでしょう。人口や世帯数が減少する局面では、人は特定の場所に集まる傾向にあることが研究で分かっています。また国は「集まって住む」事を推進するため「エココンパクトシティ」の概念を打ち出すといった方向性を示しています。

今後は両者のコントラストがますます強まります。こうしたコンテクストの中でどこに、どんな中古住宅を買うのがいいのか、よく考えておく必要がありそうです。

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コンテンツ提供:株式会社さくら事務所

(2012/05/08)