「申し込み」と「契約」の違い

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「申し込み」と「契約」の違いに気を付けよう

気に入った物件が見つかったら「申込書」「買い付け証明書」などの書類に「価格」「契約日」「引渡し時期」などについて希望の条件を書いて、記名・押印します。また、このとき、1万円~10万円程度の「申込金」を同時に手渡すのが一般的です。忘れずに覚えておきたいのは、この段階ではまだ「契約は成立していない」ということ。
実際に契約が成立するのは、不動産仲介会社から「重要事項説明書」の説明を受け「不動産売買契約書」に記名・押印し、手付金の授受が済んでからとなります。

契約関係書類はよく読み込んで

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契約関係の書類はよく読み込みましょう

不動産売買契約の際に説明を受けたり、記名・押印をする書類は事前に預かり、よく読みこんでおきましょう。わからないことなどがあれば、事前に聞いておきます。これらの書類には、大事な約束ごと、取り決めごとがたくさん書いてあります。

例えば「引渡しまでに、地震などの天災地変や火事があったら契約はどうなるか」「万が一、ローンが通らない場合はどうなるか」など。契約書の特約の欄には、この契約特有の何らかの条文が記載されているかもしれません。
重要事項説明書や不動産売買契約書は「後ろから読むのがコツ」です。知っておくべき大切なことは後ろのほうに書いてある書式形態になっているからです。

「物件状況報告書」「付帯設備表」があるとより安心

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「物件状況報告書」「付帯設備表」があるとより安心

「物件状況報告書」とは、過去に雨漏りがあったか、現在はどうか給排水設備の状況はどうか、火災や浸水などの被害はといった売主が知っている状況を買主に報告する書面。

「付帯設備表」には、照明器具や空調器具などの設備から、カーテンレールや物置・庭木・庭石まで、設置されているものを引渡し時にどのように扱うかを記載します。これらの書類は、取引上の義務ではないものの、用意されているのが望ましい姿で、国土交通省はこれら書類について制度的位置づけを検討しています。

思い通りのリノベーションが出来るか

構造
(上)ユニットバス下の段差スラブ
(中)二重天井 (下)二重床

物件によっては、思い通りのリノベーションが出来ないことも。
例えばマンションの場合、ユニットバスなどの水まわりを動かす際には、床に段差がつく可能性があります。というのも、マンションのユニットバスの下部は「段差スラブ」といって、一段下がっているのが一般的で、そこにはめ込むようにユニットバスが組み込まれています。これを動かす場合には、段差のないコンクリートスラブの上にユニットバスを載せなければならないため、床自体を一段上げなければならないのです。

またマンションの床や天井は、クロスや床材をコンクリートに直接貼る「直床(じかゆか)、直天井(じかてんじょう)」と、二重になっている「二重床(にじゅうゆか)、二重天井(にじゅうてんじょう)」があります。例えば「直天井(じかてんじょう)」の場合、天井に照明をつけたい場合には、天井を下げなくてはなりませんし、水回りの位置変更で配管の経路を移動する場合には、配管を通すために床の高さを上げなければなりません。
一戸建ての場合にありがちなのは、2つの部屋をつなげて大きな部屋にしようと思ったら、耐震性を確保するために必要な壁で取り払うことが出来ない。あるいはそれを知らずに壁を取り払って地震に弱い建物になってしまったなどがあります。
想定したとおりのリノベーションが出来るのかどうか、リノベーション会社さんに物件を見てもらうことは必須です。

ホームインスペクション(住宅診断)

ホームインスペクション(住宅診断)とは、その時点での建物の劣化度合いなどに関して現状を把握するもの。欧米では住宅購入前にホームインスペクションを行うのは常識ですが、日本でも最近になってやっと根付きはじめ、将来は常識になるでしょう。国もホームインスペクションに対し、取引の中に制度として位置づける事を明確にする方針です。

リノベーション会社さんが契約前にこれを行ってくれるのならそれでかまわないと思いますが、ホームインスペクター(住宅診断士)が、取引に利害のない第三者であることは重要です。「日本ホームインスペクターズ協会」には、公認ホームインスペクター資格試験に合格したホームインスペクターが多数登録されています。物件の地域に近いホームインスペクターを検索してみましょう。
探す際のポイントは大きく2つ。ひとつは「実績」。ホームインスペクションは現場の診断実績がものをいいます。これまでにどの程度の実績があるか確認してください。
次に「ホームインスペクター(住宅診断士)にも得意、不得意がある」ということ。建物には「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」など、構造種別によって専門分野が分かれているためです。診断してほしい物件の構造種別に詳しいホームインスペクターに依頼してください。

意外な「周辺環境」の変化に気をつける

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見落としがちな周辺環境も調べましょう

通勤や買い物の利便性、学校区などについてよく確認することはもちろんですが、ここでは見落としがちなことについて説明します。

現地には、「昼」「夜」「平日」「休日」の4回訪れるのが理想。日中は見通しもよく気持ちの良い駅までの道のりが、夜は街灯も少なく暗くて怖い、などといったことが考えられます。また休日の前面道路は閑静だったのが、平日は自動車の抜け道になって危ない、うるさいなどのケースも。また工場や線路が近くにあれば、臭気や音の環境も変わる可能性があります。

周辺環境について、近隣の方にヒアリングするのも有効です。「このあたりに住みたいと思っているのですが。」と言って思い切って尋ねてみるとよいでしょう。ゴミ置き場が移動になるとか、こんな人が住んでいるとか、その地域に住む人ならではの情報を教えてもらえます。このとき、年代や性別を変えてヒアリングするのがベスト。感じ方や気にすることがそれぞれ異なるためです。

さらに市区町村役場の「都市計画課」「都市計画部」といった窓口に行けば、その地域に今後どのような計画があるのか教えてもらえます。また、「建築審査課」「建築指導課」などの部署では、近隣に建築計画がないか確認できます。

地価はこれから2極化

日本の人口はすでに減少を始めており、世帯数もまもなくピークを迎えます。国立社会保障・人口問題研究所の推計(中位)によれば、2055年の人口は8,993万人と、3,700万人以上も減少するとされています。世帯数が減少すれば、おのずと不動産の資産性にも格差が出てくることになるでしょう。大雑把に言えば今後、日本の住宅地の地価は、価値が落ちない・落ちにくいものと、そうでないものとの2極化が始まります。地価下落が予想される地域では、その下落率もまちまちになることでしょう。人口減少局面では、自然と人は中心部に集まることがわかっています。また、国は従来の都市計画を見直すなか「エココンパクトシティ」の概念を打ち出し「集まって住む」といった方針を打ち出しています。

※将来推計人口・世帯数(国立社会保障・人口問題研究所)
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Mainmenu.asp

リノベーションの見積もりと契約

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「見積もり」は、契約前に確認しておく必要があるでしょう

物件の引渡しを受けるまでに、具体的なリノベーションの中身を決め、契約をしておく必要があります。その前段階としての「見積もり」は、契約前に確認しておく必要があるでしょう。
見積もりの書式は、「○○工事一式」などのあいまいなものではなく、製品の品番・材料の質や量、価格算定の根拠まではっきり書かれていることが重要です。「一式」というあいまいな表記でも大丈夫なのは、例えば「清掃費用」や「産廃処理費用」、「解体費用」「現場管理費用」などの「付帯工事」部分などのみです。

一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会のホームページには、標準契約書書式集があり、見積書や契約書はもちろん、各種の標準書式が揃っています。これらの書式と比較して、もらった見積書がどのくらいのレベルのものであるか確認をするか、リノベーション会社に内容を詳しくたずねてみるとよいでしょう。

複数の会社に見積もりをとる場合に大切なのは「リフォーム内容を正確に、各業者に同じ条件で伝える」ということ。基準がバラバラではきちんと比較できないためです。各業者には見積もりの有料・無料を確認し、他にも見積もりの依頼をしていることを伝えておきましょう。他事業者の見積もりは、見せないようにするのがマナーです。見積もりを出してもらうときは、業者の対応に注目。そこで一定の判断ができます。
またリフォーム工事中は、振動や音、粉塵などでご近所に迷惑がかかる場合も。これらの対策をどう考えているのか、周辺への事前挨拶はどうするのかなどを確認しましょう。業者さんとご自身が一緒に挨拶まわりをしておくのがベストです。

リノベーションにありがちな失敗は「工事の範囲があいまい」というケース。例えば「部屋の改修をした際に、改修した部分の木部はきれいに塗装してくれたものの、古い部分はそのままだった」「壁一面の工事を依頼したつもりが、幅木(はばき:壁と床の境目にある仕切り)は従来のままだった」「両面の扉(トビラ)塗装を依頼したつもりが、片面しか塗装されていなかった」「清掃費とあったので、きれいにクリーニングしてくれるものと思っていたが、かんたんにゴミやホコリを取り除く程度だった」などです。工事の範囲が具体的にどこまでであるのか、現地で詳しく確認してください。

大掛かりなリノベーションであるほど「追加工事」が発生する可能性が高くなります。例えば「床を壊して内部をのぞいてみたら木部土台が腐っていた」「配管をよくよく確認してみると交換が必要だった」など。多くの実績を持つリノベーション会社なら、どのような追加工事の可能性がありそうかおおよそ把握しています。契約書には「追加工事の可能性」について言及されているのが望ましいでしょう。また、工事が進んでいくうちに「やっぱりあそこも」と追加工事を依頼したくなることがありますので、資金計画は余裕を見ておくのが理想です。

リノベーション金額のやり取りは一般的に「着手時(契約時)」「中間時」「完了時(引渡時)」の3段階に分けて行います。その内訳は3:3:4、5:2:3、それぞれ3分の1ずつ、などとまちまちです。

※標準契約書書式集(一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会)
http://www.j-reform.com/shosiki/shosiki.html

マンションは管理組合の状況を確認したい

中古マンションを購入すると、自動的に「管理組合」のメンバー(組合員)になり、活動に必要な管理費や修繕積立金といったお金を支払う必要があります(区分所有法)が、義務はそれだけにとどまりません。

「マンションの管理は、管理会社がやってくれるものだ」というのはよくある一般的な誤解。管理会社はあくまで、区分所有者が構成する管理組合から委託を受けて仕事をしているに過ぎないのです。どの管理会社とつき合うか、どのような内容の管理をお願いするかなどは、あくまで住民が構成する管理組合が決めるのです。

この管理組合の「質」が、居住中の快適性や建物の寿命、ひいては資産性にまで大きく影響していること、また今後さらにその重要性が認識されていくであろうことが、最近はよく知られるようになってきました。

例えば管理組合がしっかり仕事をせず、エントランスやポスト回り、駐車場や駐輪場、ゴミ置き場などが乱雑になっていれば、おのずと快適性は下がり、このことはもちろん資産性(価格)にも大きく影響します。また建物の点検や修繕を計画的に行なっていないと建物の寿命を縮めてしまう他、対処療法的な修繕では無駄な出費をする可能性が高くなります。

管理組合がどのように機能しているか確認するには、組合の「議事録」などを見せていただくのがベスト。そのマンションでどのようなことが話し合われているのか、どのような課題があるのかなどがわかります。実際にはまだ情報開示が十分に進んでおらず、見せてもらえないことも多いのですが、まずは不動産仲介担当者などに依頼してみましょう。

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コンテンツ提供:株式会社さくら事務所

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