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玉石混交の住宅市場で、
どうやって「お宝中古住宅」を見つけるのか

実は、中古住宅を査定する場面では、建物についてあくまでも表面的なところしか見ていません。最も重要なのは築年数で、あとは大きさや間取りや設備をかんたんに見る程度と、業界外の人から見れば非常に大雑把に感じられることでしょう。

価格査定の根拠には(財)不動産流通近代化センターが作成した「中古住宅査定マニュアル」があり、表向きはこのマニュアルに従って査定を行うことになっていますが、実際、現場ではこのマニュアルどおりの査定はほとんど行われていません。築約10~15年で半値、築25~30年程度でほぼゼロになるという感覚で、中古住宅の価格査定が行われているのが実情です。

私がこの業界に初めて足を踏み入れたときの衝撃は今でも忘れられません。不動産という、数千万、時には億単位の買い物なのに、売主も買主も、不動産仲介の担当者でさえも、取引に関わる誰もが建物のことをきちんと把握しないまま取引が行われているのです。結果、「何をつかむかわからない」というロシアンルーレットのような市場が出来上がっていました。

では、このような玉石混交の住宅市場で、どうやって「お宝ヴィンテージ住宅」を見つけるのか。実は欧米では、中古住宅を購入する際に建物の専門家である「ホームインスペクター(住宅診断士)」が、その知識や経験に基づいて一通りのチェックを行っています。このチェックを「ホームインスペクション(住宅診断)」といいます。
「ホームインスペクション」とは、住宅に精通したホームインスペクターが、第三者的な立場、また専門家の見地から住宅診断を行うことを言います。ホームインスペクションを行うことで、住宅の劣化具合や欠陥の有無、購入後にかかるメンテナンスやリフォームのコストなどについて把握しやすくなります。

先進国では、住宅取引を行う際に、第三者の建物専門家であるホームインスペクターが建物をチェックするのは常識です。例えばアメリカでは、州によってばらつきはあるものの、おおよそ70~90%の割合で、不動産購入前にホームインスペクションが行なわれているのです。日本ではつい最近になってやっと根付き始め、これから常識になろうとしています。

ホームインスペクションは欠陥探しやアラ探しのために行うのではなく、その住宅を永く大切に使うための判断材料を得るためのもの。「ホームインスペクションを行った結果、購入を取りやめた」というケースは、実はあまり多くありません。さくら事務所が以前に行った調査では、ホームインスペクション利用者が何らかの理由で住宅購入を取りやめたケースは10%程度でした。この中には、住宅ローンが通らなかったなど、建物とは別の理由も含まれており、実際はほとんどの方が契約をしています。ホームインスペクションの依頼者はみな物件を気に入っており、大きな問題がなければ購入したいと考えているからです。

市場にある中古住宅の品質は「バラバラ」です。住宅について一定の勉強をし、選球眼を持って必要なところは専門家を上手く活用する。といったことができる方には「お宝物件」を見つける余地は十分にあるでしょう。

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コンテンツ提供:株式会社さくら事務所