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自分に合ったホームインスペクションの会社を選ぼう

中古住宅を買う前に建物の劣化状態を、またリフォーム・リノベーションの途中段階や完成時に、利害関係のない第三者の専門家に住宅を診断してもらう「ホームインスペクション(住宅診断)」を利用する方がこのところ増加しています。もともとこのような慣行は欧米では常識です。日本でも最近になって脚光を浴び始めているので、やがて常識になっていくでしょう。

とはいえ、まだ根付き始めたばかりのホームインスペクション(住宅診断)。誰に、どんなふうに頼めばいいのか、わからないといった声もよく聞きます。インターネットで「ホームインスペクション」「ホームインスペクター(住宅診断士)」といったキーワードで検索すれば、たくさんの会社がズラリと並んでいます。そこで今回は、ホームインスペクション会社の見分け方について、確認すべきポイントをお知らせします。

まずは「ホームインスペクションの実績」を確認してください。

一口に中古住宅といっても、実際にはその構造や時間の経過によって建物の状態は千差万別。これらを判断するのは、やはりたくさんの知識や経験、実績が必要です。日本ホームインスペクターズ協会が行う「公認ホームインスペクター資格試験」では、建築士の資格をお持ちの方でも30%が不合格。これは、図面のみならず現場に詳しい必要があるほか、建物の劣化状態について判断力が求められるためです。

候補をいくつか選んだら、まずは率直にこれまでの診断実績を聞いてみてください。また、どの構造に詳しいのかも必ず確認を。建物の工法には様々な種別がありますが、木造に詳しいホームインスペクターが、RC(鉄筋コンクリート)造に詳しいとは限らないのです。自分がホームインスペクションを依頼する建物の構造に詳しいかどうか訊ねてみましょう。

その際に「専門用語を多用せず、わかりやすく説明してくれるか」に留意してみましょう。

建築の専門用語を使って説明を受けても、一般の方にはなんだかよくわからず判断のしようがないと思います。なるべく平易な言葉で、わかりやすく判断材料を提供してくれるかどうかというのは、かなり重要なポイントです。

そして最も重要なのは「客観的・第三者的なホームインスペクションなのか」ということ。

例えば「リフォーム会社が自ら行うホームインスペクション」。そもそもリフォームやリノベーションを行う前には、事前に建物について下調べをするものです。これはリフォーム前の「事前調査」であり、正確には「ホームインスペクション」とは呼べず、ユーザーを誤認させる恐れがあります。

「不動産会社自ら行うホームインスペクション」の場合には、建物に何か課題が見つかったとき、取引に問題が出る可能性を考慮してその事実を報告しないなど、その中身がお手盛りになっていないか注意してください。

万が一、リフォーム会社・不動産会社とホームインスペクターが癒着していたら大変。きちんとした報告がなされる可能性は低いでしょう。ホームインスペクションの依頼者を紹介されたら不動産会社に紹介料を支払うなどしているケースも報告されています。

また、無料で行うホームインスペクションの場合、同時に耐震補強工事を強く勧められるといったケースもあるようです。大切なのは「取引に利害関係のないホームインスペクターを、自分で選ぶこと」です。

「格安ホームインスペクション」にも留意してください。あまりに安すぎるホームインスペクションは、やはりリフォームなどの仕事が目的か、能力に自信がないかのどちらかという可能性があります。ホームインスペクション単体で営業できるだけの妥当な料金設定であることが、その健全さを判断する指標になると言っていいでしょう。相場としては、目視による診断で5万円~7万円程度。床下や天井裏にまで進入する場合は11~12万円程度です。

最後に「“瑕疵(かし)保険”と“ホームインスペクション”は別物」ということを知っておいてください。建物の保証をしてくれる「瑕疵(かし)保険」は、ホームインスペクションではありません。これは文字通り、念の為の建物保証をするもので、建物の劣化具合について判断材料を提供したり、直し方などについてアドバイスをくれるものではありません。

とはいえ、現段階でホームインスペクション(住宅診断)に取り組み、「ホームインスペクター(住宅診断士)」となっている方は、業界でも志の高い方が多い傾向にあります。日本ホームインスペクターズ協会のホームページから、お近くのホームインスペクターを検索できますので、上述したポイントに気を付けながら、ご自身に合ったホームインスペクターを見つけてくださいね。

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