平均寿命は男性が81.41歳、女性は87.45歳と過去最高を更新

厚生労働省が2020年7月31日に発表した「令和元年簡易生命表」によれば、平均寿命は男性が81.41歳、女性は87.45歳で、昨年と比較して男性は0.16年、女性は0.13年上昇し過去最高を更新した。平均寿命の男女差は6.03歳で2010年以降、この差異は減少傾向が継続している。世界で最も男女ともに長寿なのは香港で、平均寿命は2019年時点で男性が82.34歳、女性が88.13歳。日本男性の平均寿命は香港、スイスの81.7歳に次いで世界で3位、女性は香港に次いで世界で2位の長寿国ということになる。

2008年に人口のピークに達し、人口減少局面に入った日本。全国的に急速な人口減少・少子高齢化が進行するなか、2020年以降は首都圏も人口減少局面に転じると予想されており、それに併せて高齢化が急速に進行すると予想されている。首都圏整備に関する年次報告によれば、2040年の高齢化率は33%、2045年には34.5%とされており、3人に1人が高齢者となる見込みだ。

2020年6月16日に発表された令和2(2020)年版「首都圏白書」から、第1章「首都圏をめぐる最近の動向~活力ある健康長寿社会に向けた首都圏における取組み~」を見ていきたい。
首都圏:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県

首都圏における将来推計人口の推移 国土交通省 令和2(2020)年版「首都圏白書」より首都圏における将来推計人口の推移 国土交通省 令和2(2020)年版「首都圏白書」より

他者との交流の有無が生きがいに影響?

内閣府の「高齢者の住宅と生活環境に関する調査 平成30(2018)年」によれば、「あなたは、現在、どの程度生きがい(喜びや楽しみ)を感じていますか?」の質問に対し、現在、生きがいを「十分感じている」と回答したのは41.6%で、「多少感じている」が(41.1%)、合算すると8割以上の人が生きがいを感じているようだ。(対象は全国の60歳以上)

一方、生きがいを「まったく感じていない」と回答したのは2.6%、「あまり感じていない」が13.6%で、計16.2%が生きがいを感じていないという結果となった。

近所の人とのつきあいの程度や、親しくしている友人・仲間をもっている程度など、行動の傾向別に「生きがい(喜びや楽しみ)を感じているのか」をみてみよう。近所づきあいの程度別で「近所づきあいがほとんどない人」は48.0%、友人および仲間の有無別において「友人・仲間をもっていない人」は48.1%、会話の頻度別において「殆ど会話をしない人」は、51.4%が「生きがい(喜びや楽しみ)を感じていない」と回答。他者との交流が少ない高齢者は、半分程度の人が生きがいを感じていないという結果となっているが、これはほかの近所づきあいの程度別で「親しくつきあっている」8.4%などと比較して割合が大きくなっている。

生きがいを感じていない高齢者の割合 国土交通省 令和2(2020)年版「首都圏白書」より生きがいを感じていない高齢者の割合 国土交通省 令和2(2020)年版「首都圏白書」より

多世代間の交流や高齢者の社会活動への参画の促進が期待される

内閣府による「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査 平成25(2013)年度」 では、「あなたは、個人または友人と、あるいはグループや団体で自主的に行われている次のような活動を行いたい、または参加したいと思いますか。」の問いに対し、72.5%の人が活動・参加したいと回答しており、他者との交流や社会的活動への参加に意欲的な高齢者が多くいることがうかがえる。

参加したい活動は、「健康・スポーツ」が44.7%と最も多く、「趣味」26.3%、「地域行事」19.1%と多岐にわたることから、国土交通省は、「高齢者の心の豊かさや生きがいにつながる、多世代間の交流や高齢者による社会参画の機会創出を促進する取組みが重要である。」としている。

首都圏白書では、地域住民の交流促進がされているとして、墨田区の住宅街にある家事室付きの喫茶店「喫茶ランドリー」や、中小規模公園の再生を通して、高齢者から子どもに至るまでさまざまな住民の社会参画がされた東京都豊島区の「小さな公園活用プロジェクト」などを事例として挙げている。

喫茶ランドリー、多様な人が自由に楽しむ空間の作り方
https://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_00777/

豊島区で小規模公園活用プロジェクトが進行中。公民連携のリニューアルで長く暮らしやすいまちを目指す
https://www.homes.co.jp/cont/press/rent/rent_00769/

コロナ禍で交流の場や通いの場をどう持続するか?

高齢者は新型コロナウイルスの感染リスクが高いとされており、できるだけ外出を控えて自宅で過ごす時間が増えている人も多くいることだろう。とはいえ、新型コロナウイルスの影響が長期化するなか、外出の機会が減り、フレイルの進行を早めてしまう懸念がある。

また、高齢者の通いの場や交流の場も外出自粛の際に全国的に活動が中止となり、今後「新しい生活様式の実践」をしていくなかで、どのように再開していくのかが課題となっている。

厚生労働省は、「感染拡大防止に配慮して通いの場を開催するための留意点」を公開している。 「3つの密(密閉、密集、密接)」を避ける、「人と人との距離の確保」、「マスクの着用」、「手洗い」を基本とし、複数の人が触れる手すりやドアノブ、テーブル、椅子などを適宜消毒、1時間に2回以上の換気、飲食を伴う場合は料理は個別に配膳することや、茶菓は個別包装されたものを用意する、食器やコップ、箸などは、使い捨てのものを利用するなど呼びかけている。

また、厚生労働省は、「感染防止に配慮したつながり支援等の事例集」を公開している。佐賀県嬉野市では、3月、4月と中止していた地域ケア個別会議を5月からLINEを活用した地域ケア個別WEB会議として開催。写真機能などが活用できて、情報提供が容易になったという。兵庫県たつの市では、自粛中は中止していた、いきいき百歳体操を参加人数を減らし再開。お弁当の共同購入を週1回から週2回に増やして継続し、出かける機会をつくり接点を維持することに役立っている。

厚生労働省 感染拡大防止に配慮して通いの場を開催するための留意点厚生労働省 感染拡大防止に配慮して通いの場を開催するための留意点
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2020年 08月26日 11時05分