日本の人口総計に見られる外国人の増加

総務省は平成29年7月5日、「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(平成29年1月1日現在)」を公表した。これによれば、国内の人口は昨年同時期から15万9,125人減(-0.12%)の1億2,790万7,086人となった。このうち、日本人住民は30万8,084人減(-0.24%)と昭和43年の現行調査開始以降、最大の減少数となった一方で、国内の外国人住民は14万8,959人増(+6.85%)と伸びている。
また、日本人世帯数については、晩婚化などに伴う単身世帯の増加を背景に、昨年から約40万世帯(+0.7%)増えている。それに対し日本人住民と外国人住民の混合世帯である「複数国籍世帯」は、6,500世帯増(+1.5%)、外国人世帯数については、約11万7,000人増(+10.2%)と、日本人のみの世帯数と比べて高い増加率を示している。

日本人と外国人の人口増減数の推移<BR />
参照:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(平成29年1月1日現在)日本人と外国人の人口増減数の推移
参照:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(平成29年1月1日現在)

都道府県別に見た外国人人口の傾向は?

都道府県別に見た場合、外国人人口が全ての都道府県で増加したにも関わらず、昨年から総人口が増加した都道府県は、東京都、愛知県、埼玉県、神奈川県、千葉県、沖縄県、福岡県、滋賀県の8都県に留まっている。中でも福岡県と滋賀県については、外国人人口の増加数が日本人人口の減少数を上回ったことで、県内総人口の増加する結果となった。
都道府県別に外国人の地域分布を見てみると、最も多いのが東京都の約48.6万人で国内の全外国人住人約232万人のうちの20.9%を占めている。次いで、愛知県が約21.7万人(9.4%)、大阪府が21.5万人(9.3%)、神奈川県が18.5万人(8.0%)、埼玉県15.0万人(6.5%)の順となっており、外国人住民が多い上位5都県で国内の全外国人人口の半分以上(約54%)を占めている。

外国人人口は全都道府県で増加しているが、その増加率には差が見られる。昨年からの増加率を見てみると、大きい順から、佐賀県(+13.2%)、北海道(+12.8%)、香川県(+10.4%)、沖縄県(+10.2%)、宮崎県(+10.1%)。反対に低いのが、秋田県(+1.6%)、福井県(+2.0%)、京都府(+2.7%)、和歌山県、長野県(+2.8%)となっている。
また、エリアの傾向としては、京都府(+2.7%)、滋賀県(+5.1%)、大阪府(+3.7%)、兵庫県(+3.1%)、奈良県(+4.0%)、和歌山県(+2.8%)と、近畿圏がいずれも増加率の全国平均である+6.9%を下回る結果となっている

都道府県別の外国人人口と外国人人口比率<BR />
参照:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(平成29年1月1日現在)都道府県別の外国人人口と外国人人口比率
参照:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(平成29年1月1日現在)

出身国籍と在留資格別の外国人人口

では、これらの増加する外国人住民の国籍の内訳はどのようになっているのか。
法務省が平成29年10月に公表した在留外国人統計(平成28年末現在)によると、日本に居住、滞在する外国人(総在留外国人数)は、中国が構成比の29.2%で最も多く、次いで韓国19.0%、フィリピン10.2%、ベトナム8.4%、ブラジル7.6%、ネパール2.8%、米国2.3%、台湾が2.2%と続いている。特に前年末からの増加率が顕著だったのが、ベトナム(+36.1%)とネパール(+23.2%)で、20%を上回る増加率となっている。

また、外国人の増加を年代別に見てみると、若年層の増加が目立っている。特に平成28年に20歳代の外国人人口が7万人増加しており、増加率は前年と比べて11.9%増となっている。一方、日本人の20歳代は同-16万6,000人(-1.3%)の減少となっており、国内における20歳代人口増加の状況は、対極的な状況になっている。

出身国籍・地域別の総在留外国人数と構成比(2016年末)<BR />
参照:法務省「在留外国人統計」出身国籍・地域別の総在留外国人数と構成比(2016年末)
参照:法務省「在留外国人統計」

20代前半が人口の3分の1の区も。東京都区部の外国人人口

最後に、国内で最も外国人居住者が多い(486,346人)東京都について詳しく見てみる。区別にみてみると、新宿区では2016年の総人口増加数のうち61.7%、豊島区で68.7%、足立区では70.6%が外国人で占められている。
また、全国で最も外国人人口の多い市区町村である新宿区の外国人比率は12.2%で、次いで豊島区は9.5%、荒川区は8.4%となっている。
このうち、外国人の総人口に占める比率を20~24歳の年齢層でみると、新宿区では37.4%、豊島区で33.3%、荒川区で23.8%、台東区で23.1%に達している。※新宿区は、15~19歳が24.6%、25~29歳も24.3%を占めている。

人口の減少によって、不動産価格や住宅価格の低下など、国内の不動産市場への様々な影響が考えられる。若年層を中心に増加する外国人住民は、将来的に国内の不動産市場を考える上で、需要拡大をもたらす重要な存在になるのかもしれない。

東京都区部別の年齢別外国人人口比率(2017年1月1日時点)<BR />
住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数東京都区部別の年齢別外国人人口比率(2017年1月1日時点)
住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数
配信元ページを見る

2017年 12月11日 11時05分