止まらない都心ファミリー賃料の高騰

LIFULL HOME'Sのマーケットレポートによれば、東京23区のファミリー向き物件の掲載賃料は25万円台に到達し、18ヶ月連続で上昇、過去最高水準を更新している。一方で実際にユーザーから反響(問合せ)が入っている物件の賃料水準は18万円台にとどまり、掲載賃料との乖離は6万円超まで拡大している状況だ。

【今回ピックアップするニュース】
【賃料動向】東京23区のファミリー向き物件の賃料は「過去最高」を更新、掲載賃料は18か月連続で上昇(LIFULL HOME'Sマーケットレポート2026年1月)(株式会社LIFULL)

東京23区ファミリー物件賃料はどこまで上がるのか(画像:株式会社LIFULL)東京23区ファミリー物件賃料はどこまで上がるのか(画像:株式会社LIFULL)

この背景には、都心回帰の継続と共働き世帯の増加による広さへの需要の高まり、加えて分譲価格の高騰による「買えない層」の賃貸マーケットへの流入がある。ファミリータイプは供給に時間がかかり、着工減の影響も受けやすいため、需給逼迫が賃料を押し上げやすい構造だ。さらにオーナー側も建築費や金利、管理コストの上昇を受け、募集賃料を強気に設定する傾向が強まっている。

しかし反響賃料が追いつかないのは、ポータルサイト上の掲載賃料が“期待値”を含んだ価格であるのに対し、実需は家計制約の中で現実的な水準に収斂するためだ。結果として高値での掲載で様子を見る募集と、実際に借り手が付く価格との二層構造が生まれ、乖離が拡大しているのである。

今後の展開としても、この上昇基調はしばらく続く公算が大きい。分譲マンション価格の高止まり、建築費高騰による新規供給の抑制、都心部への人口流入といった構造要因が短期で解消する可能性は低く、ファミリー向け賃貸は需給がタイトな状態が継続する見通しだ。当面は掲載賃料が上昇を主導し、その後に成約賃料が時間差で追随する流れが続いていく局面にあるといえる。

「南智仁の賃貸ニュースピックアップ」とは?

不動産会社向けコンサルティング会社、株式会社南総合研究所の代表 南智仁氏が、賃貸業界に関わる方なら知っておくべきという観点でニュースを厳選し、豊富な経験に基づくコメントとともに伝えるコーナー。業界関係者はもちろん、賃貸住宅を探す人にとっても、重要な動きを理解できるほか、新たな視点を得ることができるはずだ。

【関連リンク】仲介・管理会社向けお役立ち情報〈LIFULL HOME'S Business〉

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