契約もサブスク感覚?令和の新しい部屋探し
現在の賃貸市場における部屋探しは、一つの物件に対する契約パターンが非常に限定的だ。例えば「敷金1ヶ月・礼金1ヶ月・2年契約」といったように、ほぼ一択の条件で提示されている物件が多い。しかし、LIFULL HOME'S総研の考察が示すように、入居者のニーズは多様化しており、敷金ゼロや初期費用を抑えた契約形態を求める傾向が顕著になっている。こうした中で、物件ごとに複数の契約オプションを用意する仕組みがあっても良いのではないか。
【今回ピックアップするニュース】
2025年の首都圏『敷金・礼金』動向をLIFULL HOME'Sが調査、暮らしに関わる物価上昇のいま、初期費用を抑えて家を借りるには?(株式会社LIFULL)
たとえば、初期費用分割型もしくは一括払い型や家具・家電付きプラン、契約期間の柔軟性を持たせたプランなどを複数用意し、入居者が自身の生活スタイルや資金状況に応じて選べるようにすることで、入居率の向上にもつながる可能性がある。もちろん、オーナー側にとっては収支予測が難しくなる、契約管理が煩雑になるといったデメリットも考えられるが、需要に応じた選択肢を提示できる柔軟性こそが今後の物件価値を左右する鍵となるだろう。
さらに、物件の魅力を高める観点からも、選べる契約スタイルはマーケティング上の強みとなり得る。これからの賃貸住宅には、「一律」ではなく「選べる」契約スタイルが求められる時代に入っていくかもしれない。
「南智仁の賃貸ニュースピックアップ」とは?
不動産会社向けコンサルティング会社、株式会社南総合研究所の代表 南智仁氏が、賃貸業界に関わる方なら知っておくべきという観点でニュースを厳選し、豊富な経験に基づくコメントとともに伝えるコーナー。業界関係者はもちろん、賃貸住宅を探す人にとっても、重要な動きを理解できるほか、新たな視点を得ることができるはずだ。
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