新築でもリフォームでも取り入れやすいカーポート商品

外構計画の中で、駐車スペースをどのようにプランニングするかは重要なポイントだ。つくりとしては、「駐車するスペースだけを確保する」「屋根と柱(カーポート)を設置する」「ガレージ(車庫)を設ける」「建物本体に組み込む(ビルトインガレージ)」などといったプランが考えられる。

カーポートやガレージといった屋根のある駐車スペースとするメリットは、雨や風、雪から車を守れること、汚れや錆などを防げるので洗車回数を減らすことができること、紫外線による色あせや日焼けを防げること、直射日光による車内温度の上昇を抑えられることなど。また、雨の日の乗り降りがしやすいことも挙げられるだろう。

屋根のある駐車スペースの中で、新築でもリフォームでも取り入れやすいのがエクステリアメーカーのカーポート商品を設置するプラン。メーカー商品は、スタイルやデザインなどのバリエーションも豊富に揃う。最近では性能もデザイン性も高まり、より選びやすくなってきている。

柱・梁・四方枠と屋根材はアルミ色と木調色の計10パターンの豊富な組み合わせから選択可能。[ルシアス カーポート] YKK AP柱・梁・四方枠と屋根材はアルミ色と木調色の計10パターンの豊富な組み合わせから選択可能。[ルシアス カーポート] YKK AP

本体(柱・梁)と屋根で構成。スタイルにも種類がある

エクステリア建材としてのカーポート商品は、本体(柱・梁)と屋根材などで構成されている。

柱や梁の主な素材は、門扉やフェンスなどと同様に、アルミ形材が多く用いられている。
屋根の素材は、ポリカーボネートやFRP、スチール折板などの種類があるが、多くみられるのがポリカーボネート。ポリカーボネートは、プラスチックの中でも衝撃に強く、防火性、温度変化による狂いが少ないのも特徴。紫外線もカットするので、塗装の色褪せなども防ぐことが可能だ。熱線遮断(吸収)機能を持つポリカーボネートもある。

カーポートの主なスタイルには、屋根の支持の方法よって、片側支持(片流れ)と両側支持。片側支持は、左右どちらか片側に柱(2本もしくは3本)を設けたスタイル。柱が片側のため邪魔になりにくく、狭小敷地でもプランニングしやすい。両側支持は、両側に設けた柱で屋根を支えるもの。デザイン、性能ともに安定感のあるスタイルだ。

その他、1台用だけでなく2~3台用、自転車などのスペースを確保したタイプもある。高さも、一般的な2メートル程度のタイプ、2メートル30~50センチ程度のハイルーフ用、それ以上の高さを持つタイプも揃う。

折板屋根と同程度の強度を実現したカーポート。 [ソルディーポート] LIXIL折板屋根と同程度の強度を実現したカーポート。 [ソルディーポート] LIXIL

大雪や強風など、厳しい環境に適した商品が充実

カーポート商品には、一般的な地域で用いられる商品に加え、雪の多い地域、風の強い地域での使用に適する、耐積雪や耐風圧タイプの商品が揃っている。特に、異常気象が続く最近では、各社さまざまな提案がみられ、ラインアップも充実してきている。

YKK AP株式会社 広報室 飯野原輝さんは、「大型台風や記録的な積雪など深刻化する自然災害に対して強靭性を強化し、さまざまな気象条件から車を守れるカーポートの性能を追求しています」と話す。また、「異常気象による荷重への耐性を高めるため、素材の選定や構造の最適化などの商品開発を進めています」と、株式会社LIXIL エクステリア商品開発部の陳茜茜さんも話すように、昨今の自然環境に対して各メーカーともに性能を高めた商品の開発が進められているようだ。

具体的には、異常気象に対する商品はどのようなタイプなのだろうか。YKK APの飯野さんは「豪雪、強風の地域に適するスチール折板屋根カーポートは耐積雪、耐風に高い性能を発揮します。スチール折板屋根カーポート『ジーポート Pro』シリーズは業界トップクラスの耐積雪、耐風性能を持ち、激甚化する自然災害に備えるカーポートです」と話す。

『ジーポート Pro』シリーズは、必要な性能を幅広いラインアップから選択できる。豪雪地域はもちろん、都市部を含めた強風地域まで対応可能。耐積雪性能は最大300cm。[ジーポート Pro] YKK AP『ジーポート Pro』シリーズは、必要な性能を幅広いラインアップから選択できる。豪雪地域はもちろん、都市部を含めた強風地域まで対応可能。耐積雪性能は最大300cm。[ジーポート Pro] YKK AP

LIXIL陳さんも「積雪や強風時にも安定した性能を提供できるカーポートを目指し多様な商品を用意しています。たとえば、雪から暮らしを守るという基本性能を追求、直線的な機能美にこだわった『カーポートST』、風から暮らしを守る業界最高水準の耐風圧強度とシンプルな機能美を持つ『カーポートSW』、折板屋根と同程度の強度を実現した『ソルディーポート』など、地域やご希望に応じた商品をお選びいただけます」と話す。

雪や風に対して高い性能を持つものは、形状や素材などにある程度の制約がある場合もみられるが、最近では機能性とデザイン性を兼ね備えた商品も多くみられるようになってきた。検討する際には、事前に設置する地域の年最深積雪(気象庁)などを確認し、施工会社と相談した上で、適した性能を確保された商品から選択したい。

『ジーポート Pro』シリーズは、必要な性能を幅広いラインアップから選択できる。豪雪地域はもちろん、都市部を含めた強風地域まで対応可能。耐積雪性能は最大300cm。[ジーポート Pro] YKK AP1台用は4本柱、2台用は6本柱にすることで、耐風圧強度は46m/秒相当、耐積雪強度50㎝相当を実現。シンプルで美しく強度を増したカーポート。[カーポートSC1500] LIXIL

門まわり・アプローチを構成する重要な要素に

性能が高まってきているカーポートだが、住まいのイメージを左右する重要なエクステリア建材としてデザイン性も高まってきている。最近の傾向としては、すっきりとしたシンプルな形状で、外観やアプローチと統一感のあるタイプが注目されている。

「カーポートは単に車を保護するだけでなく、住宅の外観やアプローチにおいても重要な要素と考えています」とLIXILの陳さんが話すように、カーポートは住まいのイメージを大きく変えるアイテムとなっている。スタイルや素材はもちろん、照明などのオプションも用意され、多様な演出も可能だ。「たとえば、天井面にはビルトインのダウンライトやシームレスラインライトなどのオプションを用意した『カーポートSC』であれば、夜の空間や愛車をライトアップすることができ、美しいファサード空間を実現することができます」(LIXIL 陳さん)

住宅に美しく調和するデザイン。新たなファサード空間を実現。[カーポートSC]  LIXIL住宅に美しく調和するデザイン。新たなファサード空間を実現。[カーポートSC]  LIXIL

また、カーポートだけでなく、門扉やフェンスなど、他の建材とシリーズ化した商品も増えてきている。YKK APの飯野さんは、「建物、外構と美しく調和した車庫まわり空間を実現するため、カーポートを含めた外構全体、窓まわりまでトータルコーディネートが可能な商品『ルシアスシリーズ』があります。門扉やフェンス、バルコニーなどのシリーズアイテムと組み合わせることで住宅スタイルに合わせて空間全体に統一感を持たせることができます」と話す。

その他、ゆとりを持たせたサイズを取り入れることで、駐車スペースとしてだけではなく、趣味の空間や家での時間を楽しむフリースペースとして利用することも可能。「玄関前のアプローチに屋根をかけることで雨の日でも傘をささずに玄関まで向かうことができます。さらに、折板屋根やアルミ屋根にすることで夏場でも日差しを遮ったフリースペースとしても活用可能です」(YKK AP 飯野さん)。子供の遊び場やペットの居場所など、多目的なスペースとしても活用できるのではないだろうか。

住宅に美しく調和するデザイン。新たなファサード空間を実現。[カーポートSC]  LIXIL家族や仲間と語らいの場としても活用できる意匠性の高いカーポート。木調の軒天、ダウンライトなどのオプションも充実。 [ジーポートPro 施工例 コーディネイトプラン] YKK AP

カーポート選びの注意点とは?

多様な商品が揃うカーポートだが、どのように選べばいいのだろうか。

LIXILの陳さんは、「カーポートを選ぶ際には、デザインだけでなく設置条件(用途、強度、駐車台数等)も考慮することが重要です」と話す。まず確認したいのは、車種、台数、車サイズ(横幅・全長・高さ)。車のドアの開き方などもチェックし、ゆとりを持たせて選ぶこと。また、高さにも注意が必要だろう。同時に、買い替えなど将来的な変化も考慮しておきたい。

フラットで美しいルーフにより新たなファサードスペースになるカーポート。[アーキフィールド] LIXILフラットで美しいルーフにより新たなファサードスペースになるカーポート。[アーキフィールド] LIXIL

次に、敷地条件や道路付け、間口の広さ、出し入れのしやすさの検討が必要だ。そして、重要なのが設置するエリアの自然環境に適した性能を持つタイプを選ぶこと。 YKK APの飯野さんは、「性能・意匠ともにこだわっていただくと長期的にもご満足いただけると思います。今は安心できても将来的に集中豪雨や大雪の被害を受ける可能性がゼロではありません。そのような『もしも』の時に備えてワンランク上の性能を確保しておくことで、大切な車だけでなく住まいを守ることにもつながります」とアドバイスする。

また、「カーポートはその大きさから建物の正面デザインの中でも存在感がある商品です。カーポートを住宅と一緒にコーディネートすることで毎日の暮らしに彩りを添えてくれるでしょう」とYKK APの飯野さんが話すように、カーポート単体で検討するのではなく、住まい全体でトータルにプランニングすることが重要だ。

具体的にカーポート商品を選ぶ際には、ショールームなどで実物を確認すること。エクステリアのショールームはあまり多くはないが、近くにある場合は、積極的に利用することをおすすめする。性能面の確認はもちろん、全体のボリューム感や素材感、色など、チェックしておきたいポイントだろう。


協力/ LIXIL  YKKAP

フラットで美しいルーフにより新たなファサードスペースになるカーポート。[アーキフィールド] LIXIL高い耐風性能と、フラットですっきりとした意匠の4脚タイプ。施工時間も大幅に削減。 [エフルージュ トリプル FIRST] YKK AP