仕事帰りに参加できる「中古×リノベーション勉強会」

reno-cubeショールーム。天井を剥がして出てきたコンクリートをそのままに、開放的な空間に作り上げた。内覧しながら気になることを質問できるのも、この勉強会の魅力だreno-cubeショールーム。天井を剥がして出てきたコンクリートをそのままに、開放的な空間に作り上げた。内覧しながら気になることを質問できるのも、この勉強会の魅力だ

「建て売りじゃつまらない」「注文住宅は費用がかかる」「安くても古くさい中古住宅はイヤだ」「個性的な空間を作りたい」―。そんな人たちに注目されているのが、中古住宅を買ってリノベーションするという選択肢。ただ、リノベーションといっても何から手をつければよいのだろう。何を知っておくべきなのだろうか。疑問を解消してくれそうなイベントが開催されていたので、参加してみた。

名古屋を拠点に多くのリノベーションを手掛けてきたreno-cube(リノキューブ)が開催する「中古×リノベーションWEEKDAY勉強会」だ。勉強会は、築33年の中古マンションをリノベーションしたショールームで開催。講師は同社の加藤優佳さん。少人数制のため多くても4組8名程度にとどめているという勉強会だが、月曜の夜にも関わらずこの日は4人の男女が参加していた。

キーワードは「価値観」「お金」「探し方」

勉強会に参加した男性は「会社の”人柄”を見に来ました」と話してくれた。セミナーなどに参加すれば、その会社や担当者の“人柄”を肌で感じることができる勉強会に参加した男性は「会社の”人柄”を見に来ました」と話してくれた。セミナーなどに参加すれば、その会社や担当者の“人柄”を肌で感じることができる

勉強会は、3つの大きな柱に分けて進められた。その内容についてまとめてみた。

まず1つ目は「イマドキの価値観」について。
ここでは以下の6つの価値観が紹介された。
①ストック型社会 ②増税&所得不安 
③”身の丈サイズ”の住まい 
④ロケーションを楽しむ 
⑤資産価値 ⑥私らしいこだわり

「既存の住宅を活かし、自分らしい住まいを作り上げる」そこに価値を見出せるかどうか、まず自分たちの価値観を再確認することが、リノベーションにおける第一歩というお話。

そして2つめの柱となるのが、「お金のコト」。
名古屋エリアで人気の高い千種区で新築マンションを購入する場合、約80m2で4,000万円~5,000万円が相場。これに対し、築33年の中古マンションをリノベーションした同社ショールーム(同区覚王山)を例にとると、物件価格1,480万円(78m2)、リノベーション費用が1,250万円、トータル2,730万円。同じエリアに住んだとしても、1,500~2,000万円前後の価格差がでる。

「新築は購入した瞬間から資産価値が大幅に下がり続け、築20年前後で下落はほぼ横ばいになります。資産価値はその後あまり目減りしないので、リノベーションするなら築16年~20年くらいの物件が狙い目ですね」と加藤さん。資産価値に焦点を当てて考えてみても、中古×リノベーションという選択肢は面白い。
また、気になるローンについては、修繕費用を一括して住宅ローンとして組み入れる方法も提案されていた。

3つ目の柱は「中古物件の探し方」。
インターネットや広告には出回らない、不動産会社独自のネットワークで売買されることが多い中古物件。この水面下にこそ、お宝物件が隠れている。そんな物件に出合うために、加藤さんから「インターネットに頼るだけではなく、実際に不動産会社に足を運んで”買いたい人リスト”に載ることで、魅力的な物件に巡り合うチャンスを増やすことができますよ」とアドバイスがあった。

管理規約のチェックを怠ると悲しい結果に

reno-cubeの深谷さん(写真奥)と、勉強会に参加したご夫婦。奥様の実家をリノベーションできたらと考えて来場。「意外と大変なんだなと思いました」と奥様。ご主人は「具体的な話が聞けたので、話し合ってどうするか決めようと思います」と話していたreno-cubeの深谷さん(写真奥)と、勉強会に参加したご夫婦。奥様の実家をリノベーションできたらと考えて来場。「意外と大変なんだなと思いました」と奥様。ご主人は「具体的な話が聞けたので、話し合ってどうするか決めようと思います」と話していた

リノベーションの大枠はこれで分かった。
そのほかに、知っておくべきことはあるのか?
勉強会の後、同社のファイナンシャルプランナーであり、住宅コンサルタントの深谷英一さんにお話を伺った。

「まず注意しなくてはいけないのが、管理規約です。マンションによっては、規約でキッチンやお風呂、トイレなど、水回りの配置を変えられない場合があります。例えば、階下の住人の寝室の上にキッチンがくるような間取りに変更すると、苦情がくることがあるので、管理会社によっては細かい条件を出してくるところも多いんです」とのこと。

どこまで手を加えられるのか、事前チェックを怠ると、せっかくのリノベーション計画も、簡単なリフォーム止まりで終わってしまうという悲しい結果になりかねない。

不利な条件をワクワクに変えられるかが成功のカギ

床上に配管を通す必要があったため、一段高くなったキッチン。天井高に余裕があれば、工夫次第で水回りの難題も解決できる。床上に配管を通す必要があったため、一段高くなったキッチン。天井高に余裕があれば、工夫次第で水回りの難題も解決できる。

また、建物の構造についても確認しておいたほうがいいそうだ。「ラーメン構造」なのか「壁構造」かによって、間取りの可変性が大きく変わってくる。リノベーションによって床高が上がることがあるので、一番低い梁の高さや、他の住戸とつながっているため移動ができないパイプシャフトの位置を確認しておくことも必要だそう。

元々あるハコを使うからこそ、面倒な確認事項や制約があるのがリノベーションの現実だ。不利な条件をデザインやアイデアでクリアしていく、そんな醍醐味を味わえるのもリノベーションならでは。その手間を楽しめるかどうか、ワクワクできるかどうかが成功の大きなカギだろう。

また、reno-cubeように、物件探しから手伝ってくれるノウハウを持った会社に味方になってもらえば、賢く理想の住まいを作り上げることができそうだ。
同社では1m2あたり9.8万円の定額制リノベーションも取り入れていて、5つのスタイルから部材や設備がセレクトできるので、手軽にリノベーションに着手できる。こういったシステムを利用するのも一つの方法だろう。

誰にも左右されない自分の価値観で作り上げる

ところで、名古屋のリノベーションの現状はどうなのだろうか。
深谷さんに聞いてみると「当社の場合、2年くらい前から依頼が増え、リノベーションを選択する人が増えてきているのは実感しています。ただ、名古屋は他県に比べて新築思考が根強い地域。住居購入を考えているご本人に加えて、ご両親の意見に大きく左右されるのも、名古屋独特です」とのこと。
リノベーションする計画で進んでいたのに、最終段階で親が出てきて、新築に変更、というパターンもあったそうだ。

自分らしく快適な住まいを作るために何を重要視するのか、誰かに左右されることのない自分自身の価値観を持つことが、リノベーションにとって必要なことだと感じた。


取材協力:reno-cube
http://reno-cube.jp/

建築士の個性が出る建物でもなく、単なるリフォームでもない、reno-cubeが目指すのは“施主が主人公”の住まいだ建築士の個性が出る建物でもなく、単なるリフォームでもない、reno-cubeが目指すのは“施主が主人公”の住まいだ

2014年 04月21日 09時49分