住みたい街ランキングV3の兵庫県姫路市に誕生する新駅
兵庫県南西部に位置する都市・姫路市。世界遺産である姫路城を象徴とする国際的な観光都市だが、近年では「住む街」としても注目されている。
それを象徴するのが、LIFULL HOME'Sの「買って住みたい街ランキング2025(近畿圏版)」だ。姫路は同ランキングで2025年まで3年連続の1位に輝いた。この調査は、一般的なアンケートとは異なり、実際の物件への問合せ数を集計した実需に基づくものだ。つまり、今まさに家を探している層からの、本気度の高い支持が姫路に集まっていることがわかる。
この背景には、大阪や神戸といった都心部の不動産価格が高騰し、一般層には手が届きづらくなっている現状がある。新幹線を利用すれば新大阪まで約30分という利便性を持ちながら、都心に比べて広い家が手頃な価格で手に入る姫路は、コストパフォーマンスと生活の質の両方を求める子育て世代などの受け皿となっているのだ。
このように活気あふれる姫路エリアだが、2026年春に歴史的な転換点を迎える。2026年3月、JR山陽本線の姫路~英賀保駅間に、新駅「手柄山平和公園(てがらやまへいわこうえん)駅」が誕生するのである。
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実は、姫路~英賀保駅間は4.6kmと駅間距離が長く、市内の平均(2.1km)に比べて2倍以上の距離があった。そのため、姫路~英賀保駅間に位置する「手柄山平和公園」への公共交通機関でのアクセス性向上が長年の課題であったが、新駅の設置により、駅からダイレクトにアクセスできるようになる。
新駅の意義は公園への利便性向上だけではない。新駅には新快速や通勤特急「らくラクはりま」の停車も計画されていて、新駅周辺から神戸・大阪方面への通勤・通学の利便性も向上することになる。
本記事では新駅とその周辺の再整備の状況のほか、姫路駅周辺の地価が上昇し続ける中で誕生するこの新駅が、周辺の不動産マーケットにどのような影響を与えるのか、住宅需要の新たな受け皿としてのポテンシャルを紹介する。
急ピッチで進む手柄山平和公園の再整備
鉄道のアクセスが改善される手柄山平和公園では、現在、大規模な再整備プロジェクトが急ピッチで進んでいる。これまでの「地域の憩いの場」という位置づけから、兵庫県内でも有数の「スポーツとレジャーの拠点」へと進化を遂げようとしているのだ。
その象徴となるのが、2026年10月にオープンを控える新しい体育館、通称「ひめじスーパーアリーナ」だ。プロスポーツの試合や大規模イベントの開催が予定されており、地域にこれまでにない交流と活気をもたらすことが期待されている。さらに、屋外プールや整備された芝生広場など、家族で一日中過ごせる施設も整備される予定だ。
また、新駅の駅舎からこれらの施設までが専用の歩行者デッキで結ばれる点にも注目したい。これにより、利用者は信号待ちのストレスを抱えることなく、安全かつスムーズに公園内へアクセスできる。
不動産価値の観点から見ても、「休日に豊かな緑の中でリフレッシュできる」「本格的なスポーツ施設を身近に利用できる」というライフスタイルは、駅近の利便性とセットになることで、住まいの資産価値を一段と高めてくれるはずだ。
このように、公園の再整備と連動した新駅の誕生は、周辺エリアを便利さと豊かな自然が共生する「価値あるパークサイドエリア」へと進化させる起爆剤となるだろう。
子育て世代が注目する新駅周辺エリア
新駅周辺エリアは、姫路駅周辺で高まりすぎた住宅需要の新たな受け皿になることも期待されている。先述の通り、姫路は住みたい街として人気が集中しており、地価や分譲マンション価格の上昇が続いている。その結果、「利便性を求めると予算オーバーになってしまう」という悩みを抱える購入検討者が増えているのだ。
そこで注目されるのが、新駅周辺エリアの市街化区域内に残された農地の存在だ。これまで農地として利用されていた新駅周辺の土地が、駅の開業をきっかけに大規模な一戸建て分譲地や新しいマンションへと姿を変える可能性がある。つまり、これまで供給が限定的だったこの場所に、新しい住まいが誕生することも考えられるのだ。
また、購入者にとっての大きな魅力は、姫路駅からわずか1駅という距離にありながら、価格面は比較的抑えられる点だ。中心部では手の届きにくかった広さや、憧れの庭付き一戸建ても、このエリアなら現実的な選択肢として検討の土台に乗ってくる。
新駅開業というニュースはすでに市場に影響を与え始めているが、実際に駅が稼働し、新しい住まいが供給されていく中で、エリア全体のブランド力はさらに高まっていくだろう。「利便性は譲れないが、コストパフォーマンスも妥協したくない」という子育て世代にとって、新駅周辺エリアはまさに、狙い目のスポットではないだろうか。
新駅周辺の不動産の将来性は?
手柄山平和公園周辺の進化は、駅が開業して終わりではない。本当の価値は、駅を中心とした暮らしの質が長期的にどう維持されるかにある。
特に資産価値の指標となるリセールバリュー(将来の売却価格)の観点で見ると、このエリアには明確な強みがそろっている。
一般的に、新駅開業の前後は一時的に地価が上昇し、その後落ち着く傾向にあるが、今回の新駅周辺エリアの場合は、公園の恩恵により下がりにくいことが考えられる。交通手段としての新駅だけでなく、スポーツやレジャー、癒やしの場が駅の目の前にあるという希少性は、将来的に中古物件として市場に出た際も、他のエリアとの強い差別化のポイントになる。
また、鉄道のほかに国道2号姫路バイパスへのアクセスも優れており、東は神戸方面、西は岡山方面へと車を走らせる層にとっても非常に利便性が高い。姫路駅中心部のような過密感はなく、かといって郊外すぎる不便さもない。この程よいバランスこそが、将来にわたって安定した住宅需要を生み出すのではないだろうか。
新駅周辺は姫路の「新しい顔」として進化するのか
かつては市の中心部にありながら、どこか「たまに遊びに行くお出かけスポット」という印象が強かった新駅周辺エリア。しかし、2026年3月の新駅開業、そして10月のアリーナオープンを経て、新駅周辺エリアはこれまでのイメージを塗り替える、姫路の新しい顔へと成長していくだろう。
2026年以降、この街を訪れる人は、駅を降りた瞬間に広がる公園の緑や開放感に心地よさを感じることになるはずだ。新駅の開業とともに動き出すこの街のこれからを、今後も注目していきたい。















