PayPay銀行住宅ローンの特徴
PayPay銀行は、住宅ローンの低金利で注目を集めるネット銀行だ。Web上で手続きが完結する便利さだけでなく、保証料が不要、団体信用生命保険の選択肢が幅広いなどのメリットも併せ持つ。
一方でつなぎ融資が使えないといった注意点もあり、自分の借入条件に合っているか慎重に判断したい点もある。本記事で解説するポイントを踏まえ、じっくり検討しよう。
金利と他行との比較
住宅ローンで選べる金利 タイプには変動金利と、固定期間選択型の固定金利がある。PayPay銀行におけるそれぞれの金利水準は以下の通り。
金利一覧(新規借り入れ)
変動金利:0.380%
固定金利2年:0.550%
固定金利3年:0.650%
固定金利5年:0.730%
固定金利10年:0.780%
固定金利15年:1.460%
固定金利20年:1.650%
固定金利30年:1.820%
固定金利35年:1.870%
※2022年9月現在
最新の情報はホームページを参照してほしい。
https://www.paypay-bank.co.jp/mortgage/interest/index.html
金利を他行と比較
さらに他のネット銀行や主要な都市銀行と金利を比較してみよう。以下から見てとれる通り、PayPay銀行の変動金利は主要なネット銀行のなかで比較した時点では最低水準だ。一方、固定金利はネット銀行のなかでは平均的だが、都市銀行と比べると低めの水準になっている。
金利は随時変更となるので、最新の情報は各銀行のホームページを参照してほしい。
※2022年9月現在
金融機関と金利
■PayPay銀行
変動金利:0.380% 固定金利(10年):0.780%
■auじぶん銀行
変動金利:0.389% 固定金利(10年):0.745%
■住信SBIネット銀行
変動金利:0.44% 固定金利(10年):年1.01%(当初引下げプラン)
■ソニー銀行
変動金利:0.397% 固定金利(10年):0.750%(固定セレクト住宅ローン)
■りそな銀行
変動金利:0.470% 固定金利(10年):0.845%
■みずほ銀行
変動金利:0.375% 固定金利(10年):0.950%
■三菱UFJ銀行
変動金利:0.475% 固定金利(10年):0.89%
■三井住友銀行
変動金利:0.475% 固定金利(10年):0.89%
諸費用と団体信用生命保険
住宅ローンを検討するうえで、金利とともに確かめておきたいのが諸費用だ。総額で数十万円規模の金額に上るうえ、金融機関ごとに料率の差があるため、事前にしっかり確認しよう。
事務手数料
PayPay銀行の事務手数料は借入金額に対して2.20%(消費税含む)が必要で、掛け率は他行と目立った差はない。他の金融機関のなかには、借入金額にかかわらず5〜10万円の事務手数料としている金融機関もある。
保証料
PayPay銀行では保証料を無料にしている。保証料とはローン返済が滞ったときに立て替えを行う保証会社に支払う費用だ。他の事業者のなかには保証料を有料とする金融機関もあり、一般的に借入額100万円に対して2万円強の保証料が必要になる。
団体信用生命保険
PayPay銀行の団体信用生命保険は選択肢が幅広く、上乗せ金利なしでも保障が手厚いのが特徴だ。団体信用生命保険は申込人が亡くなったり、高度障害を負ったりしたときに住宅ローンが完済される保険である。各金融機関がローン金利に上乗せなしで加入できるものと、上乗せして保障内容を厚くしているものの両方を用意している場合が一般的だ。
死亡と高度障害が対象の団信は他行でも上乗せ金利0%とする事業者がある。だが、幅広い疾病を保障する保険は金融機関ごとに金利やその対象範囲が異なるため、事前にしっかり比較したい。
PayPay銀行住宅ローンの団信保障の上乗せ金利と概要
■一般団信
上乗せ金利:0%
死亡、高度障害、余命6ヶ月以内の宣告を受けた場合にローンが完済される。
■一般団信プラス(がん先進付)
上乗せ金利:0%
一般団信の保障に加え、がんと診断されると100万円の給付金を支給。がん先進医療を受けた際は治療費も支給される。
■がん50%保障団信
上乗せ金利:0%
一般団信+がんと診断確定されたらローン残高が半分になる。
■がん100%保障団信
上乗せ金利:+0.1%
一般団信+がんと診断されたらローン残高が完済され、給付金も支給される。
■11疾病保障団信
上乗せ金利:+0.3%
がん100%保障団信+10種類の生活習慣病で180日継続入院するとローン残高が完済。さらに給付金も支給される。
■ワイド団信
上乗せ金利:+0.3%
健康上の理由で一般団信に加入できない人も加入できるよう、引受基準を緩和したプラン。
※がんは所定の悪性新生物に限る
※要件についてなど詳細はホームページを参照
申し込み方法
PayPay銀行では申込手続きがネット上で完結する。ただし、事前に住宅ローン申込ナビに登録する必要がある。
申込の流れ
1.事前審査
はじめに事前審査を申し込み、当日から5営業日で結果がメールで送られる。承認されれば本審査へ進むことができる。
2.本審査
本審査の必要書類は、ネット経由でアップロードするか郵送する。書類は本人確認関連のものから収入関係、物件関係まで数が多く、時間にゆとりを持って準備した方がよいだろう。また、この段階で団体信用生命保険にも申し込むため、どのプランにするか決めておこう。
本審査の結果もメールで届き、承認なら契約へ進む。PayPay銀行の口座を持っていなければ、この時点までに開設する。
3.契約〜融資実行
不動産会社や建築会社に物件の引渡日を確認し、事前にPayPay銀行へネット経由で連絡する。その後にローンの電子契約を結び、司法書士と登記のための面談を行う。そして決済が行われ、融資が実行される。
借入条件と繰上返済手数料
PayPay銀行の住宅ローンを利用できる主な条件は以下の通りだ。他行と極端な違いこそないが、個人事業主・自営業である場合や、物件が非線引き区域・市街化調整区域・都市計画区域外にある場合は利用できない点に注意が必要となる。
申込人
・年齢が20歳以上65歳未満で、完済時に80歳未満
・前年度年収が200万円以上
・日本国籍、または外国籍で日本の永住許可を受けている
・指定の団体信用生命保険に加入できる
※個人事業主や、自身または家族が経営する会社に勤めている場合は利用できない
資金使途
本人が居住する住宅に関する以下の資金
・戸建またはマンションの購入(中古物件を含む)
・戸建の新築
・借入中の住宅ローン借り換え
・上記に伴う諸費用
※諸費用は新規借入では売買契約書の金額×10%まで、借り換えでは借り換えに伴う諸費用金額
取扱地域
・日本国内全域
※離島・非線引き区域・市街化調整区域・都市計画区域外は対象外
借入金額
・500万円以上2億円以下(10万円単位)
借入期間
・1年以上35年以内(1ヶ月単位)
※中古物件等は条件により一部制限あり。借り換えは現在の借入残存期間が上限
繰上返済手数料
一部繰上返済は、1万円以上から1円単位で申し込める。手数料はホームページで手続きすれば無料、電話での手続きは5,500円(税込)となっている。全額繰上返済の場合は電話での手続きとなり、手数料として33,000円(税込)が必要だ。
PayPay銀行住宅ローンのメリット
PayPay銀行の住宅ローンにはいくつかのメリットがあるが、特に目をひくのは次の2つだ。
業界トップクラスの低金利
本記事の執筆時点では、主要ネット銀行のなかでもっとも低金利の銀行となっている。また、近年は店舗を持つ銀行でもネットで手続きできる低金利の住宅ローンを用意しているが、それらと比べても低金利な部類といえる。
返済口座への自動入金が無料
給与の受取口座から、PayPay銀行の返済口座への自動入金が無料で行える。一般的に、口座から他行口座へ自動で送金するには手数料が発生する。単に無料にするならネット振込の無料枠がある銀行を使えばよいが、スマホなどで振込操作をしなければならなず、手間がかかる。
自動入金が無料というサービスの例はPayPay銀行の他にはあまり見られない。多忙な人には特に気になるメリットになりそうだ。
PayPay銀行住宅ローンのデメリット
PayPay銀行の住宅ローンには、次のように気をつけたいデメリットもある。特に、注文住宅を計画している場合は、つなぎ融資が使えない点に注意が必要だ。
保証料不要だが事務手数料がかかる
保証料が不要のため、保証料ありの住宅ローンに比べお得なイメージがあるかもしれない。しかし保証料と同程度の事務手数料が必要で、実際の出費はそれほど変わらない。デメリットとまでは言い切れないかもしれないが、保証料ありの住宅ローンともしっかり比べるべきだろう。
保証料は繰上返済によって借入期間より早く返済を済ませると、短縮した年数に応じて返金される。しかし事務手数料は早期返済をしても返金されない。これはPayPay銀行に限らず保証料不要の住宅ローンはどこも同じだが、注意したいポイントである。
つなぎ融資が利用できない
PayPay銀行ではつなぎ融資が利用できないため、着工金や中間金の支払いが必要な注文住宅では別途、他の手段で資金を用意しなければならない。
つなぎ融資だけを利用できる金融機関から借り入れる方法もあるが、事業者の数が限られているため早めに当てをつけておいた方がよいだろう。あるいはフリーローンを使うという方法もあるが、利息が高いため返済資金をしっかり確保しておく必要がある。
いずれの方法もできるだけ早い段階から住宅会社に相談しておくと安心だ。もちろんマンションや建売のように、住宅ローンの融資時に一括支払いの物件なら問題はない。
まとめ
PayPay銀行の特色はやはり金利の低さだ。支払額を抑えたい場合には検討する価値がある。また、団体信用生命保険が手厚く、40代、50代などと長く支払う住宅ローンでは大きな魅力になる。自分の条件に合うか慎重に判断すれば、住宅購入などの局面で多くのメリットを引き出すことができる銀行といえるだろう。
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