店舗駐車場で毎月2日間「ミニマーケット」開催!
日本一読み仮名の短い市名として知られる三重県「津」市。2006年に10市町村が合併し、東は伊勢湾に面し、西は山深い奈良県境まで、広大な面積を持つ都市となった。
そんな津市中心部に比較的近いエリア、のどかな田園風景が広がる津市安濃町曽根に、2019年6月オープンしたのが「コインランドリーGURUGURU」だ。
このコインランドリーの駐車場では、毎月第3火曜日と水曜日に「ぐるぐるミニマーケット」が開催されている。
出店数は各日5店舗程度とそれほど多くはないが、平日にもかかわらず開催時間の午前11時になると続々とお客さまがやってくる人気イベントだ。キッチンカーやテントが並び、駐車場にはおいしい香りが漂う。
聞けばリピーターも多く、同マーケットに出店するお店の商品を、毎月楽しみに待っている人もいるそうだ。また店舗は交通量の多い県道沿いにあるため、のんびりとした街にふと現れる活気は道行く人の目を引き、ふらりと訪れる人も多い。
安濃でミニマーケットを開催することになった理由とは
ぐるぐるミニマーケットの発起人は「コインランドリーGURUGURU」の店主・中津真澄さん。愛知県出身の中津さんは、結婚を機に安濃で暮らすようになったのだそう。
「安濃は山や川など自然豊かで、街の人たちも温かい素敵な街です。車で少し走れば大型ショッピングセンターもあり、生活に不便さを感じることもありません。子育て環境としてもとてもいい場所です」と話す中津さん。
働くこと、ひいては人と関わることが好きな中津さんは、この土地で子育てをしながら働きたいと考えるようになった。
コロナ禍の今でこそテレワークも浸透しどこにいても働ける環境が整いつつあるが、子育て真っ最中のママがそういった求人を見つけるのは至難の業だ。
そこで中津さんは家族と相談し、近隣になかったコインランドリー店を起業することを決めた。掃除やコイン回収などのため店には毎日訪れるが、IoTシステムを導入したランドリー機器は遠隔操作が可能。常駐する必要がないので、子育てをしながらも働きやすいのではないかと感じたという。
しかし経営をしてみると、想定外のことも起きた。例えば初めてコインランドリーを利用する人への対応だ。決して難しい操作ではないのだが、安濃の街は高齢者も多い。やはり対面が必要なときもあるという。
「コインランドリーで布団やスニーカーが洗えるということを知らない人も多いんです。対面でお客さまにお伝えすると『もっと早く知りたかった!』なんて言われることもあって、直接レクチャーできる機会があったらな…という気持ちもありました」
そこで、もともと人と関わることが好きな中津さんは昨年6月、開店1周年の記念イベントを行うことにした。
コインランドリーの便利な使い方をお客様に伝えるだけでなく、駐車場にキッチンカーやテントで三重県内のお店に出店してもらった。
誰もが楽しそうに過ごしている姿を目の当たりにし「みんなが気軽に集まれるこういった場所が安濃にあったら」と思った中津さん。さらに来店者や出店者から「またイベントをやってほしい」という声がたくさん届いたことも決め手となり「ならば自分が!」と、ぐるぐるミニマーケットを毎月開催することにしたそうだ。
ミニマーケットは出店者にとっても大切な場所に
同マーケットに出店しているのは、三重県を拠点に営業するお店。出店者同士のつながりもあり、みるみるうちに出店希望者が増えたそう。お客さまだけでなく、出店者も人が人を呼び輪が広がっている。
同マーケットに出店するお店は、営業形態や今置かれている状況もさまざまだ。
四日市で人気のワインが揃う洋食店は「コロナ禍でなかなか思うように営業できないなか、こういったマーケットが開催されるのは有り難い」と語る。同店のお弁当は大人気で、昼前には完売してしまうこともあるそうだ。
数年前までコーヒーが苦手だった店主が手がけるのは、自家焙煎コーヒー店。同マーケットをきっかけにファンを伸ばし、来月からキッチンカーを始める予定だという。
実店舗を持たず安濃に工房を構えるフランス菓子店は、「普段はネット販売が中心なので、地元のお客さまと触れ合える機会はとてもうれしい。毎月買いに来てくださる方もいるんです」と話してくれた。
ミニマーケットがきっかけでつながる輪
実はコインランドリー奥には秘密の(?!)部屋が2部屋ある。そのひと部屋を利用し、今年7月、少人数制の進学塾がオープンした。塾の先生と中津さんの出会いも、このミニマーケットなのだそう。
残るもうひと部屋は、中津さんの経験を活かし、いずれ会員制のネイルサロンをオープンする予定なのだとか。ミニマーケットをきっかけに、人と人とがつながり、さまざまな人が集まる場所になっている。
「“町おこし“なんて大袈裟なものではなく、安濃が好きな人が集まって楽しめる場所があったらいいなと思っています。こんな時代だからこそ、人がつながれる場所って大切だと感じるんです。大規模なイベントにするつもりはあまりなく、このミニマーケットを定着させて長く続けていきたいですね。安濃はとってもいいところなので、安濃を訪れたことのない人にも知ってもらえるきっかけになったらうれしいです」と中津さん。
中津さんの人を引きつける明るい人柄と安濃が好きだという気持ち、そしてこの街で働きたいという意欲が、いい意味で周りを巻き込みながら街を盛り上げている。
未経験でスタートした店舗は、今年3年目に突入。確実にこの街になくてはならないものとなっていると感じた。
公開日:








