住宅ローンを滞納したときの督促状が届くタイミングは?
住宅ローンを滞納すると、金融機関から主に2種類の督促状が届くことになる。
1つ目は「一般的な督促状」であり、2つ目は「期限の利益の喪失予告通知」である。
一般的な督促状は金融機関の任意判断によって届けられるものであるが、住宅ローンを滞納すると1~2ヶ月後に届くことが通常だ。役割としては、「返済を忘れているようですので、至急払ってください」といった程度の催促を促す意味がある。
一般的な督促状に法的な拘束力はないが、住宅ローン滞納者は督促状が届いたらすぐに返済することが重要である。具体的には、許される滞納リミットは2ヶ月までであり、3ヶ月目には一旦返済することがポイントだ。
住宅ローンの滞納は、3ヶ月目に突入してしまうと、いわゆるブラックリストに載ってしまう。ブラックリストというのは、「信用情報機関の事故情報」の俗称のことである。信用情報機関の事故情報に名前が載ってしまうと、5~7年間は新規の住宅ローンやカードローンが組めなくなってしまうのだ。
場合によってはクレジットカードの更新ができないこともある。昨今はインターネット通販などでクレジットカードの利用が増えていることから、ブラックリストに名前が載ることのデメリットは以前にも増して大きい。よって、住宅ローンを滞納したら、まずは3ヶ月目にはしっかりと返済を再開することが最も重要な対処法となる。
ブラックリストに載った後、次に届く督促状が「期限の利益の喪失予告通知」である。期限の利益の喪失予告通知が届くのは、概ね滞納してから4~6ヶ月程度のタイミングだ。期限の利益とは、簡単にいうと「長期間時間をかけてゆっくり返せばいい」という借主の利益のことである。
たとえば、35年ローンを組んだ場合、「35年間かけてゆっくり返せばいい」というのが期限の利益だ。「期限の利益の喪失」というのは、「ゆっくり返す」という借主の利益を失い、「一気に返す」ということを意味する。そのため、期限の利益を喪失してしまうと、残っている住宅ローンの全額を一括返済しなければいけなくなるのだ。
期限の利益の喪失予告通知が届いてしまったら、一括返済に向けて競売もしくは任意売却に動かざるを得ないため、やはり一般的な督促状がきた段階で対処することが最善であるといえる。
住宅ローン滞納から競売までの流れ
滞納してから3ヶ月目にはブラックリストに名前が載り、4~6ヶ月目に期限の利益の喪失予告通知が届く。すると次の段階は、債権者(お金を貸している立場の人)が銀行から保証会社に移管される。保証会社とは住宅ローンを借りる際に保証料を支払った会社のことだ。
保証会社は銀行に対して住宅ローンの返済を保証しているため、一旦、保証会社から銀行へ保証している金額が支払われる。このタイミングで、債権者の地位は保証会社に移り、その後の返済は保証会社に対して行うことになる。
債権者が保証会社に変わった後、何もしなければ1ヶ月後くらいに保証会社が裁判所に対して競売の申立を行ってしまう。競売や任意売却でも売却後に残った残債は返済しなければならないが、任意売却なら売却後の残債を圧縮するなどの交渉ができるため、一般的には任意売却を選択したほうが有利とされる。競売の申立を食い止めるためには、競売の申立がなされる前に保証会社と協議して任意売却をする方向で話をまとめておくことが重要である。
任意売却とは?
任意売却とは、競売以外の手段で任意に不動産を売却して住宅ローンを一括返済する方法だ。任意売却をするにあたっては、債権者、つまり保証会社の合意が必要であることから、勝手にはできない。任意売却を利用するには、早急に債権者の合意を得ることがポイントとなる。
ただし、債権者が競売の申立を行っても、途中で取り下げてもらうこともできる。「競売の申立」イコール「競売」というわけではなく、後から任意売却に切り替えることも十分に可能なのだ。
債権者の目的は競売をすることではなく、あくまでもローン残債を回収することであり、任意売却によって債権者が納得できる価格で売却できるのであれば、むしろ競売を取り下げることは多い。申立人の単独の意思のみで競売を取り下げられる期限は、入札の開札期日の前日までとなっている。
競売は申立が行われると、2ヶ月後くらいに配当要求終期の公告というものが行われる。配当要求終期の公告とは、他の債権者に対して「今からこの物件を競売します」と知らしめるための裁判所の手続きだ。さらに2ヶ月ほどすると最低売却価格が決まり、物件所有者に入札の通知が届く。
さらに、3ヶ月ほどすると入札が行われ、その2週間後に開札が行われる。競売を取り下げられる期限は、入札の開札期日の前日までであるため、競売を申し立てられても7ヶ月くらいは任意売却に切り替えができる猶予がある。開札が行われてしまうと、その1ヶ月後には裁判所から売却許可が下り、さらに1ヶ月後に強制退去となる流れだ。競売の期間は申立から引渡まで9ヶ月くらいの時間がかかることになる。
金融機関への相談ポイント1.リスケジュール
住宅ローン滞納から競売までの流れを振り返ったところで、金融機関への相談方法を整理しよう。金融機関へ最初に行うべき相談は、リスケジュールだ。リスケジュールは、「条件変更」や「リスケ」とも呼ばれている。リスケジュールは、返済スケジュールを延ばすことで毎月の返済額を減らす対処法である。場合によっては、1年程度の間、元本を返済猶予してもらえることもある。
リスケジュールは、住宅ローンの滞納が発生したらすぐに行う点がポイントだ。期限の利益が喪失する前に行えば、一括返済を迫られることがない。一括返済を避ける期限としては滞納してから2ヶ月以内となるため、実際に滞納してしまう前の返済が苦しくなった時点で銀行にリスケジュールの相談をすることをおすすめする。
金融機関への相談ポイント2.任意売却
債権者が保証会社に移行してしまった以降は、やはり任意売却への切り替えが妥当といえる。任意売却の最大のメリットは、任意売却後に残ってしまった残債の返済方法に関して債権者と交渉できる点にある。
まず、競売であっても任意売却であっても、売却後に残ってしまった残債については返済しなければならない。競売では返済しきれなかった残額をそのまま返済する必要があるが、任意売却では返済しきれなかった残額を交渉で圧縮できる余地が残っている。また、返済方法についても任意売却なら話し合いによって決めることもできるのだ。
住宅ローン残債が大きく、競売や任意売却の後に残債が残ってしまうようなケースでは、交渉の余地がある任意売却の方が一般的には有利といえる。
金融機関への相談ポイント3.リースバック
一括返済後にそのまま今の家に住み続けたい場合には、リースバックの相談をすることも一つである。リースバックとは、リースバックサービスを行っている不動産会社に一旦家を売却し、その後、その不動産会社に家賃を払って家を借りる売却方法を指す。リースバックも、任意売却を前提に行われる売却方法であり、銀行に合意を得ることが必要だ。
債権者の合意を得るには、売却額、つまり返済額が決め手となる。リースバックによる売却は、通常の任意売却よりも売却価格が安くなる傾向にあるため、なるべく高く購入してくれるリースバック会社を探すことがポイントだ。
住宅ローンを滞納せざるを得なくなったら、リスケジュールや任意売却、リースバックの中から自分に合った対処法を選択し、早めに行動することをおすすめする。
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