家づくりの際には防犯性能にも配慮を

「SECURITY SHOW 2019」での展示風景。「我が家を守るCP製品」というテーマのセミナーも行われた。「SECURITY SHOW 2019」での展示風景。「我が家を守るCP製品」というテーマのセミナーも行われた。

住まいづくりの際には、間取りやデザインはもとより、性能面にも十分に配慮しておきたい。快適さを左右する断熱性はもちろん、安心安全のためには耐震性、そして防犯性も考慮しておきたい大切なポイントだ。

防犯性能を高めた住まいとするためには、窓やドアといった開口部のつくりが重要である。国際的には安全といわれている日本でも、侵入犯罪は多くみられるからだ。侵入を防ぐための窓やドア選びの際に、ひとつの基準としたいのが「防犯性能の高い建物部品(CP)」の指定を受けている製品を取り入れることだろう。

「防犯性能の高い建物部品」とは、警察庁、国土交通省、経済産業省および関係民間団体により構成された官民合同会議での防犯基準にクリアした製品のこと。

これらの普及を図るため、3月に東京ビッグサイトで行われた「セキュリティ・安全管理総合展『SECURITY SHOW 2019』」では、5団体防犯建物部品普及促進協議会がブースを設け、防犯セミナーなども行った。防犯性能の高い建物部品(防犯建物部品)の特徴や選ぶ際のポイントを、セミナー講師も務めた事務局長の木村昌充さんに聞いた。

侵入を防ぐ防犯建物部品。5分に耐える性能を持つ窓やドア

防犯建物部品には、CPマークが貼付されている。新築分譲住宅などを見学する際には確認を防犯建物部品には、CPマークが貼付されている。新築分譲住宅などを見学する際には確認を

侵入犯罪を防ぐためには、ソフト面とハード面を考えることが重要だ。
侵入者は街や家の下見をするもの。活発な近所付き合いがある地域や挨拶をかけられるような街は避ける傾向にあるという。また、郵便受けの状況やゴミの出し方などもチェックしている。日々の暮らしやご近所とのつながりなど、ソフト面も犯罪を防ぐ大きなポイントだろう。

木村さんは、「日々の暮らし方やご近所付き合いなどのソフト面と同時に、ハード面もしっかりと備えておくようにしたいものです。錠破りやピッキング、ガラス破りやこじ開けなどによって侵入されないような住まいとしておくこと。そのためにも、適する場所に、防犯建物部品を取り入れることが大切でしょう」と話す。

防犯建物部品とは、ピッキングやガラス破りなど想定される侵入手口や攻撃方法について、侵入者の手口を5分以上防ぐ性能を有することができるもののこと。
錠やガラス、ドアやサッシ・シャッターなどが指定されている。

「現在、防犯建物部品に登録されている製品は、17種類3387品目(全国防犯協会連合会 2019年1月現在)。対象となっている製品には、CPマークが表示されているので、カタログやショールームなどで確認してください」(木村さん)。

防犯建物部品(CP)である、玄関ドアや窓、錠やガラスなどの特徴

窓サッシのスタイルもさまざまあるが、クレセントや補助錠の使い勝手も十分に確認を窓サッシのスタイルもさまざまあるが、クレセントや補助錠の使い勝手も十分に確認を

防犯建物部品の特徴をみていこう。

ピッキングや錠壊しに対応したCP錠は、防犯サムターンやこじ破り対策のデットボルト、シリンダーなどの部品からできている。彫込錠や面付錠、電気錠なども増えてきており、さまざまなタイプがみられる。

ガラス破りに対応するCP部品には、防犯ガラスや防犯合わせ複層ガラスがある。防犯ガラスとは、板ガラスの間に柔軟で強靭な中間膜を設けたもの。防犯ガラスを用いた断熱性の高い複層ガラスもある。また、5ミリ以上のフロートガラス(一般的な板ガラス)には、防犯フィルムが有効だ。全面に貼ることで、防犯性能を発揮することができる。

玄関ドアや勝手口ドアは、低層住宅であれば、CP錠である主錠と補助錠を設けた2ツーロックのタイプ。ガラスを使用しているデザインの場合は、防犯ガラスか防犯フィルムが用いられていることが必要。

窓はロック付クレセントと補助錠等の2ヶ所で施錠でき、戸の外れ止めなどの対策が施されているもの。ガラス部分は、防犯ガラスもしくは防犯フィルムを使用することが重要だ。雨戸は2ヶ所以上の錠、戸の外れ止めなど対策のなされたもの。シャッターは切り破りにくい構造となっていることなど、また、面格子は外されにくく切断されにくい構造であることなどが決められている。

一戸建て住宅、リフォームでの設置を推進したい

玄関ドアの鍵の種類も豊富になっている。防犯性はもちろん、家族構成やライフスタイルに合わせて選ぶことが可能玄関ドアの鍵の種類も豊富になっている。防犯性はもちろん、家族構成やライフスタイルに合わせて選ぶことが可能

木村さんは「マンションなどの集合住宅の場合、新しい物件であれば、オートロックや防犯カメラなど、比較的防犯のための設備が充実しています。一方、一戸建て住宅の場合は、敷地条件や間取りなどの関係から、防犯性を高めることが難しい場合もあるかもしれません。しかし、可能な限り新築時から防犯性に考慮していただきたいと思います」と話す。

特に一戸建ての場合は、リフォームでの設置もすすめている。
「窓や玄関ドアを扱うメーカーからも、比較的簡単にリフォームすることができるCP製品も多く提案されています。大掛かりな工事をせずに、防犯性能を高めることができるので、検討しやすいのではないでしょうか。また、一人暮らしの方が居住しているような、賃貸アパートなどでも取り入れて欲しいと思います」(木村さん)。

各メーカーからは、窓を壊さず、短時間で設置することができるカバー工法の窓やドア、後付けのシャッターや面格子などが多く提案されている。既存の扉や窓サッシに設置できる錠やガラスの交換なども可能だ。

もちろん、これら防犯建物部品だけで、侵入を完全に防ぐことができるわけではない。環境によっては、門扉やフェンスのプランニング、ホームセキュリティ会社との契約なども必要な場合もあるだろう。防犯性を考える際には、周辺環境に合わせ、適するプランとすることはもちろん、家族構成やライフスタイルに合わせ、効果的な対策を検討し、バランスのとれたプランニングをすることが大切なポイントとなる。

■取材協力
5団体防犯建物部品普及促進協議会
http://www.bouhan-cp.jp/