知ってびっくり、大阪の空き巣被害!

戸締り、大丈夫ですか?戸締り、大丈夫ですか?

師走になると、人の動きが慌ただしくなり犯罪が増えると言われている。
大阪はひったくり件数ワースト1位ということは報道で知られるところだが、それだけではない。平成25年度における大阪府下の空き巣被害総額は約13億円!窃盗犯による住宅対象侵入窃盗の認知件数は3,080件だという。この数は、空き巣、忍び込み、居空きの三手口で、いずれも家人の目の届かないところでおこなわれる犯行だ。
これは、1日平均9件、1件あたりの被害額は約60万円におよぶ。
「うちだけは大丈夫。盗られるものは何もないから」という考えが一番、禁物。個人宅もドロボウから狙われているのだ。

今回、大阪市立住まい情報センター主催の『住まいの防犯 ~被害に遭わないために、安心な住まいづくり~』というセミナーがあると知り、参加してきた。講座は満員御礼。講師は、なんと大阪府警察本部の生活安全部に所属する現役の警部である。

講師が「このなかで空き巣被害に遭われた方はいらっしゃいますか?」と質問すると、意外なほど多く手が上がった。筆者にも、年の瀬に空き巣に入られた苦い経験がある。

まずは“防犯意識”を高めることが、第一歩

大阪府における重要窃盗犯の手口別認知件数について、親しみやすい語り口で説明する警部大阪府における重要窃盗犯の手口別認知件数について、親しみやすい語り口で説明する警部

我が家は、“ほっ”と和める空間でありたいものである。突然、くつろぐべき家の中がぐちゃぐちゃにされていたら…。被害は経済的なものだけでなく、「見ず知らずの人に家を荒らされた」という精神的ダメージも大きい。
万が一、侵入犯とはちあわせになってしまったら。居直り強盗につながるリスクもあるだけに、想像しただけで恐ろしい。

そもそも「空き巣」とは、入居者の不在時を狙って家に入り、金品を目的とする窃盗のことである。大阪府下の場合、住まいの内訳で見ると、一戸建住宅が約半数、中高層住宅(4階建以上)が約4分の1という発生統計が出ている。また、侵入方法として最も多いのがガラス破りだという。

「ドロボウはどんな格好をしていると思いますか?まさか、唐草模様の風呂敷を背負って、いかにもという格好をしているわけではありませんよ。スーツ姿や作業着、普段着などその場で怪しまれない服装をしている」と、警部。ドロボウの再犯率は高く、常習化しているプロがほとんどだという。しかも、侵入に関する勉強にはとても熱心らしい。
「我が家に限って」などと過信せず、住まいの防犯意識を高めることが肝心だ。

怖いのは人の目!ドロボウは必ず下見をする

ドロボウが好むのは、入りやすくて見えにくい所!ドロボウが好むのは、入りやすくて見えにくい所!

実際にドロボウが侵入する家を決める時、どんなところを観察しているのだろうか?

「まず、ドロボウは必ず下見をしています。狙うポイントは、人目につきにくいこと。捕まることを恐れ、犯行に時間がかかりそうなところを避ける。逃げ道があるのかもしっかりチェックしていますよ」

外から見えづらい住まいは、ドロボウにとって入りやすい家である。高い堀や植木など見通しの悪い死角があると、仕事がしやすいという理由からだ。防犯上は、塀や植木をなるべく低くし、敷地には防犯砂利を敷き詰めるなどが好ましい。

マンションは、一戸建住宅に比べて窓が少なく安全なように思われがちだが、ベランダ側の窓からの侵入もおきている。なかでも、大規模修繕工事中に狙われやすく、足場を伝ってバルコニーに入られるケースが多い。建物全体がシートに覆われ、外からもわかりづらく絶好のチャンスになってしまうからだ。マンションの上層階であっても、窓の施錠を忘れないようにしたいものである。

「狙わせない」「侵入させない」ための侵入防止4原則
1. 目 (人の目につく)
2. 光 (明るく照らされる)
3. 音 (警報音など大きな音による威嚇)
4. 時間 (侵入に5分以上かかること)

空き巣は「侵入5分以上」で諦める

「CPマーク」  Crime Prevention(防犯)の頭文字をとったもの。警察庁・国土交通省・経済産業省と民間関係団体で構成される「官民合同会議」が行う厳しい試験にパスした建物部品だけに与えられている「CPマーク」  Crime Prevention(防犯)の頭文字をとったもの。警察庁・国土交通省・経済産業省と民間関係団体で構成される「官民合同会議」が行う厳しい試験にパスした建物部品だけに与えられている

警視庁が空き巣狙いの被疑者に実際に聞き取り調査を行ったところ、「侵入に5分以上の時間がかかると、約7割が侵入をあきらめる」という興味深いデータがある。

「世の中に絶対に割れないガラスや、絶対に開かない錠前、絶対に破れないドアというものはありません。物理的に開口部を頑丈にすることで“時間がかかる”と思わせ、被害を防ぐことができます」(警部)

侵入する手口は、ピッキング、サムターン回し、ドアのこじ破り、ガラス破りなど多種多様。
補助錠を付けるワンドア・ツーロック。窓ガラスに防犯フィルムを貼ることなどで防犯力は格段にアップするという。最近、「CP」というマークを目にすることがあるが、これは、官民合同会議試験に合格したもので、「侵入に5分以上を要する防犯性能の高い建築部品」の共通シンボルである。

侵入犯罪を防ぐため、平成15年にピッキング防止法(特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律)が施行された。警察ではこの法律に基づき、職務質問などの取り締まりにも力を入れているそうだ。

地域コミュニティで防犯機能を高める

ドロボウが嫌なのは人目につくことだと先に述べたが、あいさつされたり、声をかけられたりすると犯行をあきらめることがほとんどだという。
これは、ご近所同士のコミュニケーションも有効な防犯手段といえよう。
「究極の防犯は、少しの間でもしっかり戸締りすること、近隣住人で声をかけあうことです」と、警部。自分たちの住まいを「狙われにくい家」にするだけでなく、地域ぐるみで意識していきたいことである。

取材協力: 大阪市立住まい情報センター http://www.sumai.city.osaka.jp/
関連リンク: 防犯設備の無料相談(大阪府の場合) NPO法人 大阪府防犯設備士協会 http://www.daibousetsu.com/

講師と参加者による質疑応答では、防犯に関する質問が多数。空き巣被害に遭った人の「防犯意識」の高さをうかがわせた。講師と参加者による質疑応答では、防犯に関する質問が多数。空き巣被害に遭った人の「防犯意識」の高さをうかがわせた。

2014年 12月19日 11時08分